こんにちは。WONDERFUL GROWTH編集部です。企業の持続的成長にとって「人材育成」は最重要課題のひとつです。しかし、多くの企業が人材育成に関する様々な悩みを抱えています。本記事では、企業が直面する人材育成の課題とその効果的な解決策について、最新データとともにご紹介します。企業存続と人材育成の関係性中小企業庁のデータによると、創業した中小企業の5年後生存率は約81.7%と言われています。これは欧米諸国(米国の48.9%、英国の42.3%、ドイツの40.2%など)と比較すると高い水準ですが、中小企業では創業から20年後には55%、30年後には43%と約半数以上が廃業しているという現実があります。特にベンチャー企業においては状況はより厳しく、日経ビジネスWeb版によると10年後には6.3%、20年後には0.3%と言われています。会社は人の集まりによって構成される組織であり、組織崩壊の多くは外的要因ではなく内部崩壊によって引き起こされます。つまり、内部組織が強固であれば企業が長く存続する確率も高まるということです。少子高齢化、デジタル化の加速など激変する環境の中で、一人一人の力が重要となる現代において、「人材育成」は企業の存続にとって不可欠な要素となっています。「人材育成」とは何かそもそも人材育成とは、企業が経営目標を達成するために、従業員に必要なスキルの習得を促す活動のことです。企業が人材育成に力を入れる必要がある理由として、以下の点が挙げられます:自主性の低い社員が増えることを防ぎ、企業利益に貢献できる人材を育成する変化する事業環境に適応できる柔軟な組織力を構築する人材の離職率を低下させ、採用コストを抑制する企業文化の継承と発展を促進する企業の競争力と生産性を向上させるよくある人材育成の悩み多くの企業が人材育成において、以下のような課題を抱えています:1. 人材育成の知識やノウハウが不十分多くの企業で「自社の教育・研修が経営目標を達成するためにどの程度貢献したか」についてデータを基に正しく検証・分析したり、投資効果を立証している企業は限られています。人材育成には専門的な知識が必要ですが、多くの企業ではその知識やノウハウが不足しています。どのような研修を実施すべきか、どのようにスキルを評価すべきかなど、専門知識がないために適切な育成プログラムを構築できないケースが多く見られます。2. 中堅社員のマネジメントスキルが不足している組織において重要な役割を担う中堅社員のマネジメントスキルが不足していることも大きな課題です。中堅社員は若手を指導する立場にありますが、自身のマネジメントスキルが十分でないために効果的な指導ができず、組織全体の成長が滞るケースがあります。企業側の視点では、研修後に社員が会社の売上・利益に貢献できているかを測定し、採用・研修にかけたコストと得られた利益を可視化して費用対効果を測ることが重要です。しかし、この測定方法を理解している中堅社員は少ないのが現状です。3. 人材育成をする時間がない企業における階層研修などの運用は非常に煩雑で業務が多く、新しい研修を企画立案する時間がないという問題を抱えているケースがあります。日常業務に追われる中で、人材育成のための時間を確保することは多くの企業にとって困難な課題です。特に中小企業では人的リソースが限られているため、人材育成に十分な時間を割くことができず、短期的な業務に追われる傾向があります。4. 人材が育つ前に辞めてしまう国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、企業全体の平均勤続年数は男性の場合12.4年であり、人材育成に対する費用対効果は育成した人員の1年間の生産性や利益に勤続年数をかけて算出されます。しかし、昨今の雇用環境変化により、企業が時間とコストをかけて育成した人材が短期間で退職してしまうケースが増えています。これにより人材育成の投資対効果が低下し、企業の成長に悪影響を及ぼしています。人材育成の課題解決策では、上記の課題を解決するために企業はどのような対策を取るべきでしょうか。1. 現状を把握して人材育成における課題を明確にする効果的な人材育成を行うためには、まず自社の現状と課題を正確に把握することが必要です。費用対効果が見えないと、人材育成にかける投資は次第に減少していき、社員の成長も鈍化。ひいては企業の成長も鈍化していくという悪循環に陥ります。具体的な施策:社員のスキルマップやコンピテンシー評価を実施する定期的な1on1ミーティングを通じて個々の課題を把握する部門ごとの課題と必要なスキルを明確化する従業員満足度調査を通じて組織の課題を可視化する2. eラーニングシステムの導入時間とコストを効率的に活用するためには、eラーニングシステムの導入が効果的です。人材育成担当者は期待した成果が得られず、時間やコストが無駄になることを避けるために、研修を成果につなげるための効果測定が重要です。具体的な施策:社員が自分のペースで学べるオンライン学習環境を整備する学習進捗を管理できるLMS(学習管理システム)を導入する短時間で効率的に学べるマイクロラーニングを取り入れる学習データを分析し、効果的な研修内容を継続的に改善する3. 人材育成研修を実施社員のスキルアップには、計画的な研修プログラムの実施が欠かせません。研修の改善や人材育成施策全体の見直し、費用対効果の分析など、効果測定の目的を最初に明確にすることが重要です。具体的な施策:階層別研修(新入社員、中堅社員、管理職など)の体系化専門スキル研修(IT、営業、マーケティングなど)の充実外部講師を招いたセミナーやワークショップの開催メンター制度を導入し、社内でのノウハウ共有を促進人材育成投資の現状産労総合研究所の調査によると、2021年度の従業員1人あたりの教育研修費用は以下のようになっています:大企業(1,000人以上):29,629円中堅企業(300~999人):31,323円中小企業(299人以下):28,682円このデータからわかるように、企業規模に関わらず、多くの企業が人材育成に一定の投資を行っています。しかし、ROIの計算式「ROI(%)= 「利益」÷「投資資本」(×100)」を使って計算し、100%以上の数字が出れば投資成功となりますが、100%を下回った場合は投資の失敗となるため、効果的な人材育成投資が求められています。特に注目すべきは、中堅企業の投資額が大企業よりも高いという点です。これは中堅企業が人材の質に重点を置き、競争力を維持するために積極的な投資を行っている証と言えるでしょう。成功する人材育成の共通点人材育成に成功している企業には、いくつかの共通点があります:経営層のコミットメント:経営トップが人材育成の重要性を理解し、積極的に関与している体系的な育成プログラム:一時的な研修ではなく、継続的かつ体系的な育成プログラムが整備されている個人の特性に合わせた育成:画一的な研修ではなく、個々の強みや課題に応じたカスタマイズされた育成を行っている明確な評価基準:研修の目的に対して、その達成度を測ることが効果測定を行うポイントであり、その目的をどのように設定するかで決まります現場との連携:人事部門だけでなく、現場のマネージャーと連携した育成を行っているWONDERFUL GROWTHの研修サービスWONDERFUL GROWTHの研修サービスでは「どんな社員でも一流になれる育成プログラム」を提供しております。私たちのサービスでは、企業の課題ごとにプログラムの内容をカスタマイズすることも可能となっているため、受講効果をより期待できます。また、企業が学んでほしいことを効果的に研修に落とし込むことで、言われたことだけをやる人材から、思考し、考え、改善できる力を身につけるために学習に関心を持ってもらうことを第一ミッションと考え、その先の個人の成長が、企業利益にもつながっていくと考え構築されています。私たちは、研修での経験を通して、参加者の選択肢が広がり自ら決断し、行動していける社員へと成長していただけるようにお手伝いします。まとめ人材育成は企業の持続的成長に不可欠な要素です。しかし、多くの企業が知識やノウハウの不足、時間の確保、人材の定着といった課題に直面しています。これらの課題を解決するためには、現状の把握とeラーニングの活用、そして体系的な研修プログラムの実施が効果的です。研修効果を測定する目的は「研修の目的が達成されたのかを確認するため」であり、企業の売上や生産性、サービスの質などの向上につながっているかを検証することが重要です。そうした効果測定を通じて、継続的に人材育成の質を高めていくことが企業の競争力向上につながります。少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせはこちらからご連絡くださいませ。ここまでお読みいただきありがとうございました。出典中小企業白書(2017年):https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf株式会社帝国データバンク「中小企業の起業・創業に関する調査」:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220405.pdf厚生労働省『平成30年版 労働経済の分析』:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/18/産労総合研究所「企業の教育研修費」調査:https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/kyoiku/kyoikukenshu/pr2210.html日本生産性本部 生産性総合研究センター「日本企業の人材育成投資の実態と今後の方向性」:https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/hr-report.pdf国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2020.htmライトワークス「人材育成大百科」:https://www.lightworks.co.jp/column/26511日本の人事部「人材育成とは」:https://jinjibu.jp/keyword/detl/1190/パーソルグループ「人材育成とは」:https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/2219/株式会社インソース「人材育成の7つのポイント」:https://www.insource.co.jp/contents/hr-contents.html