コングロマリットとは?コングロマリットとは、複数の異なる業種・業界にわたる事業を展開する巨大な企業体、またはそのような企業グループのことを指します。日本語では「複合企業体」や「企業連合」と訳されることもありますが、一般的にはカタカナ表記で「コングロマリット」と使われることが多いです。コングロマリットの特徴コングロマリットの最大の特徴は、業種や事業領域が大きく異なる複数の企業を傘下に持ち、全体として経営を統合していることです。たとえば、食品事業と金融業、家電と医療機器といったように、直接的な関連性のない分野を同時に展開していることが一般的です。このような事業展開は、一つの業界の景気に左右されにくくする「事業ポートフォリオの分散」という戦略的な狙いがあります。よく使われるビジネスシーン企業のM&A(合併・買収)戦略の文脈で:「あの企業は異業種の買収を進めて、コングロマリット化を狙っている」経済ニュースや企業分析で:「コングロマリット経営により、景気変動の影響を受けにくい体質を構築している」経営戦略の学習やMBA講義などで:「GE(ゼネラル・エレクトリック)は代表的なコングロマリットとして知られている」代表的なコングロマリット企業の例GE(アメリカ):発電機、航空機エンジン、医療機器、金融サービスなど多岐に展開Berkshire Hathaway(アメリカ):保険、不動産、鉄道、小売などを傘下に持つ投資型コングロマリットソニーグループ(日本):家電、音楽、映画、金融、ゲームなど複数の分野を横断コングロマリットのメリットと課題メリット:リスク分散:異なる業種にまたがることで、ある事業が不調でも他で補えるスケールメリット:グループ全体で調達・開発・販売を効率化できる資金力の活用:収益性の高い事業から、成長投資が必要な事業へ資金を回せる課題:経営の複雑化:異なる業界に対応するため、経営戦略が多岐にわたり管理が困難専門性の希薄化:集中と選択ができず、業界ごとの競争力を失う可能性もあるガバナンスの問題:統治が行き届かないことで、不祥事や非効率が生まれるリスク人事・組織における観点人事の視点では、コングロマリット企業における人材育成や人事制度の設計は非常に複雑です。異なる事業領域ごとに求められるスキルやカルチャーが異なるため、柔軟な等級制度、職種別評価制度、事業横断型のタレントマネジメントなどの工夫が求められます。また、異業種間での人材交流を通じて多様な知見を得ることも可能で、次世代リーダー育成やイノベーション創出にもつながります。コングロマリットは、現代の企業経営において規模の経済と多角化戦略の象徴とされる存在です。人事担当者としては、そのような組織における人材戦略をどう最適化するかが、経営貢献につながる大きな鍵となります。