受託とは?受託とは、他者(主に企業や個人)から業務や業務遂行の責任を引き受けることを意味するビジネス用語です。一般的には、契約に基づいて依頼者(委託者)から業務を任され、それを遂行する立場にあることを指します。対義語は「委託」であり、「委託する側」と「受託する側」が契約関係を結ぶ形で使われます。受託は、製造業、IT業界、コンサルティング、物流、研究開発、人材業務など、さまざまな業界・分野で用いられています。企業間取引(BtoB)における業務分担やアウトソーシングの代表的な形態のひとつといえるでしょう。よく使われるシーン「この業務は外部のシステム会社に受託しています」「当社は教育研修の企画・運営を受託しています」「業務受託契約書に基づいて、品質管理を担当します」受託の具体的な例業界受託される業務の例IT業界システム開発、アプリ設計、サーバー保守など製造業製品のOEM生産、部品加工、組立ラインの運営など教育・研修企業研修の設計・実施、教材開発など広告・制作業デザイン制作、コンテンツ作成、広告運用など人材業界採用業務代行(RPO)、適性検査の運営など受託と請負・委任の違い「受託」は広い意味で使われますが、法律上の契約形態としては、「請負契約」や「委任契約」に分類されます。契約形態主な内容請負契約成果物(例:アプリ開発、製品納品)を完成させる契約委任契約一定の業務(例:調査、アドバイス)を遂行する契約※どちらの形態であっても、受託者は専門性やスキルを活かして業務を遂行する責任を負います。受託のメリットと注意点■ 企業(委託側)のメリット業務効率化やコスト削減につながる自社にない専門性を外部から補えるコア業務に集中できる環境を作れる■ 受託側のメリット安定的な売上が見込める自社のノウハウやリソースを活用できる特定分野での実績を蓄積できる■ 注意点契約範囲が不明確だとトラブルにつながりやすい品質・納期・情報管理などのリスク管理が求められる労働者派遣契約と混同しないよう法的理解が必要人事担当者にとっての「受託」の関わり方人事の現場でも、「受託」という形で外部リソースを活用する機会は多くあります。たとえば:採用業務の一部を外部に受託(RPO)する社員研修を研修会社に受託してもらうメンタルヘルスやキャリア相談などの外部カウンセリングを受託契約で導入するこのようなケースでは、受託先の選定・契約管理・品質チェックが人事部門の重要な役割になります。まとめ受託とは、他者から依頼された業務を契約にもとづいて引き受け、遂行することを意味するビジネス用語です。委託者と受託者が明確な役割分担のもと、専門性やリソースを補完し合うことで、組織全体の生産性や効率を高めることができます。人事領域においても、業務の一部を受託する・受託されるケースは増加しており、法的知識と実務管理の両面からの対応力が求められます。