eNPSとは?意味や定義をわかりやすく解説eNPS(Employee Net Promoter Score)とは、企業や組織において従業員のエンゲージメント(愛着・信頼・満足度)を数値化する指標のことです。もともと顧客ロイヤルティを測る「NPS(Net Promoter Score)」の従業員版として使われています。🔍 eNPSの質問内容とは?eNPSの質問は非常にシンプルです。「あなたは、この会社を友人や知人に“働く場所”としてどの程度すすめたいと思いますか?」この質問に対し、従業員は 0〜10点の11段階で評価します。9〜10点:推奨者(Promoters)7〜8点:中立者(Passives)0〜6点:批判者(Detractors)これらのスコアから、以下の計算式でeNPSを算出します。eNPS = 推奨者の割合(%)− 批判者の割合(%)eNPSのスコアの目安+30以上:非常に良い状態。従業員の満足度やロイヤルティが高い。+10〜+30:安定的に良好。0前後:改善の余地あり。マイナス:組織課題が多く、改善が急務。eNPSが使われるシーンと活用方法1. 従業員満足度調査(ES調査)の一環として近年、多くの企業が年に1〜2回実施する「従業員満足度調査」において、eNPSを活用しています。シンプルで回答率が高いため、導入がしやすく、経年比較にも適しています。2. 組織改善のKPI(指標)としてeNPSは、離職率の予測や組織改善のモニタリングにも活用できます。従業員エンゲージメントが高い企業ほど生産性が高く、離職率も低い傾向があるため、人事戦略やマネジメント改善の指標として重宝されています。3. 人材ブランディングや採用広報の指標に社外に向けて「従業員が働きがいを感じている会社」としての信頼性を伝えるために、eNPSを活用する企業も増えています。「eNPSが高い=従業員に支持されている会社」として採用ブランディングに効果を発揮します。eNPSを導入するメリットとは?メリット内容📊 定量的に組織状態を可視化抽象的な「エンゲージメント」をシンプルな数値で把握できます。🗣 回答率が高い質問が1つで済むため、負担が少なく、多くの従業員が回答しやすいです。🔁 改善サイクルに活用可能定期的な実施とフィードバックにより、継続的な改善が可能になります。eNPSを導入する際の注意点スコアの変化だけに一喜一憂しないことなぜ上がったのか、なぜ下がったのか「理由」を把握する仕組みが重要です。記名か匿名かの判断匿名のほうが本音を得やすいですが、改善の方向性を特定しにくくなることもあります。一人一人の声に向き合う姿勢がカギスコアを集めるだけでなく、自由記述欄などを通じて「従業員の声」を聞き、組織文化の改善に役立てましょう。eNPSはこんな企業におすすめ離職率の高さに課題を感じている企業従業員エンゲージメントの可視化をしたい人事部門マネジメント層の評価や育成に新しい視点が欲しい会社採用ブランディングを強化したい広報部門まとめ:eNPSは「組織の健康診断」eNPSは、組織の状態を手軽に定量化できる優れた指標です。ただし、数値を測ること自体が目的ではなく、「スコアの背景にある声」に耳を傾け、アクションにつなげることが本当の価値です。従業員の声を聞き、信頼とエンゲージメントの高い組織づくりを目指す第一歩として、eNPSの導入を検討してみてはいかがでしょうか?