インバスケット法とは?インバスケット法とは、管理職候補者やリーダー候補の能力を評価・育成するための実践的な評価手法の一つです。参加者に架空の業務資料や問題が詰まった「インバスケット(受信トレイ)」を与え、その中から優先順位を判断し、問題解決や意思決定を行う能力を測定します。主に意思決定力、問題解決力、優先順位付け、コミュニケーション能力などを総合的に評価する目的で使われます。インバスケット法の特徴実務に近いシチュエーションでの評価日常業務で直面する多様な課題や依頼を同時に処理する能力を模擬的に体験させます。優先順位の判断と対応策の立案が中心限られた時間の中で効率的かつ効果的に対応策を考え、決定を下す力を評価します。客観的かつ多面的な評価が可能専門の評価者が提出された解答を分析し、判断力や問題解決の質を多角的に判断します。インバスケット法がよく使われるシーン管理職候補者の選抜・評価昇進試験やリーダー育成プログラムの一環として、候補者の管理能力や判断力を測定します。人材育成や研修の実施時参加者の課題発見力や意思決定力の強化を目的としたトレーニングとして活用されます。組織の能力開発・組織診断組織全体のマネジメントレベルや課題を把握するための分析ツールとしても用いられます。インバスケット法の具体的な内容例複数のメールやメモ、報告書などの資料が入ったバスケットを受け取り、重要度や緊急度を考慮しながら処理順序を決定する。それぞれの課題に対して具体的な対応策や指示を文章で作成し、問題解決の方向性を示す。時間制限の中で迅速かつ的確な意思決定を求められる。インバスケット法のメリット・デメリット項目内容メリット- 実務能力や判断力をリアルに評価できる- 管理職に必要なスキルの把握に適している- 教育・研修効果も期待できるデメリット- 実施準備や評価に時間とコストがかかる- 評価者の専門知識が必要- シナリオ設計の質によって結果が左右される場合があるインバスケット法は、管理職やリーダーの実務能力を具体的に測定し、人材の適性判断や育成に役立つ評価手法です。人事担当者は、適切なシナリオ設計と評価体制を整備し、公正で効果的な人材評価・育成を推進することが求められます。