MBO(Management by Objectives)とは、目標管理による評価制度のことを指します。従業員一人ひとりの業績目標を設定し、その達成度合いに基づいて評価を行うシステムです。MBOには次のような特徴があります。目標の設定 上長と部下が話し合いながら、具体的で測定可能な目標を設定します。目標には期限も定められます。中間評価 一定期間経過後、進捗状況をレビューし、必要に応じて目標を修正します。最終評価 期間終了時に、目標達成度を上長が評価します。定量的な数値目標だけでなく、行動目標の評価も含まれます。職能評価 業績評価とは別に、職務遂行能力(コンピテンシー)についての評価も実施されることが多いです。処遇との連動 評価結果は、賞与や昇給、昇格などの処遇に反映されます。MBOの長所は、従業員一人ひとりの目標を経営目標と連動させられる点にあります。また、評価の透明性が高く、公平性が保たれやすいというメリットもあります。一方で、目標設定が適切でなかったり、上長による評価に主観が入りすぎたりすると、従業員のモチベーションを著しく低下させてしまう危険性があります。人事部門は、MBOを適切に運用するためのルール策定や、評価者研修の実施、制度の定期的な見直しなどに関与します。従業員がMBOの意義を正しく理解し、納得性の高い評価が行われるよう制度設計することが重要な役割となります。MBOは人事評価の主流となっている制度ですので、人事の方はその概要と運用のポイントを理解しておく必要があります。