職位・職責とは?職位・職責とは、組織内において従業員が担う役職(ポジション)と、そのポジションに付随する責任や役割のことを指します。ビジネスの現場では、「誰がどのような立場で、何を責任範囲として業務を遂行するか」を明確にするために、職位(しょくい)=地位・序列、職責(しょくせき)=役割・責務のセットで用いられることが一般的です。この「職位・職責」を適切に定義し、従業員一人ひとりに理解・共有させることは、組織の効率的な運営や人事評価、キャリア形成において非常に重要です。職位と職責の違い用語意味例職位組織内での地位や序列を表す肩書や等級一般社員、主任、係長、課長、部長など職責担うべき業務範囲や責任内容チームの成果管理、人材育成、意思決定の責任などつまり、「課長」という職位には、「チームマネジメント」や「部下の育成」などの職責が紐づいている、という関係性です。よく使われるシーン・文脈人事制度の構築・等級制度の設計 等級や評価制度を設計する際に、「職位・職責」の明確化が不可欠です。人事評価や昇進・昇格の判断基準として 同じ成果でも「職責に見合った行動かどうか」が評価の分かれ目になります。ジョブディスクリプション(職務記述書)の作成時 採用や異動の際に、職位ごとの職責を明示することでミスマッチを防ぎます。リーダー研修・マネジメント研修での基礎理解として 部下を持つ役職者に、職責の重さや求められる役割を再確認させる場面でよく取り上げられます。職位・職責の明確化が企業にもたらす効果役割の混同や責任のなすり合いを防ぐ 業務の境界線をはっきりさせ、チーム間の連携をスムーズにします。評価制度の透明性が高まる 評価の基準が「職責」に沿って明確になるため、納得感のある評価につながります。人材育成・キャリア支援の指針となる 社員が自身の職位に求められるスキルや行動を理解することで、成長の方向性が明確になります。組織の持続的な成長につながる 適材適所の配置や次世代リーダーの育成が行いやすくなります。注意すべきポイント(人事担当者向け)職位と役職が一致しない場合もある 例えば「リーダー」という職責が与えられていても、正式な職位は「一般社員」であるケースもあるため、混同しないよう整理が必要です。年功序列での運用に偏らない工夫が必要 実力に基づく職位・職責の設計が、従業員のやる気と能力発揮につながります。定期的な見直しとアップデートを行うこと 組織の変化に合わせて職位・職責の内容も柔軟に見直す必要があります。まとめ職位・職責は、企業活動において従業員の「立場」と「やるべきこと」を明確にするための基本的なフレームワークです。適切に設計・運用することで、業務の効率化、評価の公平性、人材育成の促進につながり、結果として組織力の向上を実現します。人事担当者にとっては、経営戦略とリンクさせた職位・職責設計が求められる重要な役割といえるでしょう。