株式会社アスリートプランニング様の育成論カイシャの育成論について————最初に、現在社員の方に向けた育成ではどのようなお取り組みをされているのか教えてください。若い子の成長という側面ですと大きく分けて2つあると考えていて、1つは「自社事業の全体像の理解を早くさせてあげること」もう1つは「目的意識を持てる人材になること」です。当社は学生の就職支援を行っており、配属先は2種類あります。1つは、いろいろな企業様に合同説明会の案内をしたり、人材紹介で「こういう学生さんがいるので採用しませんか?」と提案を行ったり「企業様へのコンサル営業」をメインで行う部署、もう1つは学生さんに就活に関するキャリア支援をしたり、その延長線上で合同説明会に集客したり、キャリアアドバイザーとして内定まで伴走したりなど「学生への支援」を主な業務とする部署があります。どのように育成するかという話に戻りますと、当社は入社して2年くらいでまず両方やってもらうようにしています。これは結構珍しいと思っておりまして、一般的には1つに特化させて成長させた方が1人が収益化するまでが早く、会社としての黒字化も早い、と考えられる会社さんが多いと思います。しかし、企業の採用を手伝うことで「人事の方って人を雇うときにこんな事思ってるんだな」とか、「こんな企業もあるんだな」と、今まで学生だった子が企業側の目線を理解できるようになります。 これができてから学生側の支援をすることで、学生目線だけではなく、企業の想いまで考えながら支援ができるのでスキルも上がりやすいですね。また当社の仕事は需要と供給が1番良い状態でマッチングされることでもあるので、片方の視点だけしか持てないと、客観視した良い仕事をすることが難しいです。そのような理由から、全体像を把握させるために両方の業務に携わってもらうようにしています。学生側のことを理解してから企業側を支援することもありますし、約2年で両方経験させるというのは取り組んでいるところですね。————この育成方法は元々行っていらっしゃったのですか?また、お取り組みを実施するようになってからの変化があれば教えてください。いいえ、まだ会社が小さかったときや財務体制が整っていなかったときは余裕がなく出来ていなかったです。最近は若手の子が入ると、基盤づくりとしてそういった取り組みを増やしていますね。変化に関しても、まだ取り組みはじめて2年くらいなのでここから変化の声が聞こえるようになってくるのではないかなと思っています(笑)。結構この取り組みを実働させるのは実際問題大変でもありますね。本来は「今年1年でこれくらいできたから来年はこれくらいできるかな」と、2年目も同じ仕事をさせた方が数字や目標の設計がしやすいのですが、1年毎にガラッと入れ替えるため、数字を読むことが難しいという大変な部分もあります。しかし長期的に見たらこの取り組みでポテンシャルは高くなると考えていますし、この業界を本当に好きになってくれる子が出てくるとしたら、全体感を把握することで私たちがいる意味が分かると思うんです。局所的なところしか見ていないと、例えばビジネスの意義を一度は理解したとしてもその納得感は一瞬で消えていき、目の前の仕事に追われて見えなくなってしまうことが多いと思います。どんな仕事もそうだとは思いますが、実体験したことは残るので若いうちに様々なことを経験させてあげたいですね。————広い視点や若手が意義を持って自走できるという点も重要視されていると感じたのですが、意欲的に仕事に取り組めるような仕掛けや制度は実際にございますか?表彰制度があります。毎月「MVP」と「チェンジョイ」という変化を楽しんだ人を表彰する制度、半年に1回はちょっと大きな表彰があったりなど、そういうことはやっていますね。表彰の際は社内で時間を取って発表しています。————長期的に育成をしていこうと考えられていると思うのですが、最終的にどのようなことができる人材になって欲しいのか、社員の方々への期待を教えてください。採用の時にもよく伝えるメッセージなのですが、「正解が明確に決まっていない中で、手探りで正解に近づこうという行為を楽しめるような人材になって欲しい」という感覚がすごくありますね。私たちの仕事もそうで、企業様の支援をしていても経験則で「この子絶対合うな」って思ったとしても、100%合うかどうかなんて神様にしか分からないと思います(笑)究極、入社してからじゃないと分からないですよね。学生さんに対してもそうで、「君この会社合うよ」って言っても世の中に会社が何万社もある中で本当に1番合うかなんて誰も分からないじゃないですか。正解なんて誰もくれませんけど、正解がない中で「じゃあどうやったら自分なりにその人の正解に辿り着けるかな」みたいなことを対話したり引き出したり試行錯誤したりして、そこに近づけていくんですよね。とても大変なことですが、このプロセスを楽しめる人材になって欲しいなとは思います。正解が既にある仕事って多分なくなるだろうな、と思っていて、例えば製薬のMRですら昔は高所得でしたけど、現在は人数が減っていますよね。今はどの薬を買ったらどんな効果があるのか?という答えがもうあるので、昔みたいに人が営業しなくてもいいよね、ということで自然の流れだと思います。だから、答えが決まっていることの間にもう人はいらないのではないかなと。そこがもうWEBになるな、と思うので。人がやるなら正解を探し出していくというような仕事をすることが必要になってくると肌身に感じています。ただ結構今の時代は逆行していることもあるなと思ってもいまして。時代としてはどんどん正解に近づけるプロセスを楽しめる人が残っていくと思うのですが、逆に今の子たちは小さいときからWEBがずっとあって身近に答えがありますよね。困ったときには調べて答えがある、というのが当たり前の環境で育った分、答えがある方が安心して動けると思う子が増えている気がします。仕事は圧倒的に答えがない業務の方が多いですし、そんな仕事が残っていくだろうというところで、この逆行をすごく感じますね。————貴社の中で社員が成長の壁に直面したときにどういう思いで乗り越えてほしい、であったり、実際にそういう環境を乗り越えて一皮むけた、みたいな例はございますか?チャレンジしていけるとか、もっと言うとリスクを取って挑戦できる人って優秀だと思うのですが、そんな人は大概経営者になっていると思いますし、実際はそんな人たちばかりじゃないと思います。ただ、元々そうじゃなかった人がその境地に辿り着くには、心理的安全性を定期的に付与してあげるから安心して近づける、という面もあると思います。これが無くても近づける人がもちろん優秀なのですが、そんな人は2割くらいしかいないと思うので。例えば当社であれば半年間で2-3回上司と面談して、成果だけではなく各階層で求められている自分の仕事のレベルが今どうなっているのかなど、ちゃんと現実的な話をして評価するようなプロセスの場が組まれていたりなど、心理的安全性が担保されるっていうのは付与しつつ...みたいな(笑)。会社の理念について————育成感のきっかけになっている会社の理念や重要視している考え方はどのようなものですか?会社の理念としては、「アスリートが、会社を変える。社会を変える。」という言葉を掲げています。スポーツを一生懸命経験してきた人が社会に出て入社した会社がより良くなって社会もより良くなるだろう、という意味を込めてスタートした会社です。今は体育会系の学生以外の支援も行っているので、そういう意味で言うと我々が人としてちゃんと人に関わった結果、キャリアに納得している子や、発展する会社を増やしていこう、という思いがありますね。この考え方はお客様に対しても、学生さんに対しても、従業員に対しても私は連動してるかもしれないですね。学生の就職支援なので新卒を採用している会社の課題とか、いろいろな企業様と話す中で学生や社員のことも聞くので...。相互共に絶対良いことは、入社した人が成長して会社にとって戦力化されることですし、入った人も「良い会社だ」とか「ここは辞めたい」とか色々思う中で、やっぱり活躍している人の方が幸せそうなケースは割合として高いですしね。活躍しても好きじゃない仕事なら辞めたいと思うかもしれないのですけど(笑)。ただ活躍している人の方が会社が好きだという人は多いので、そう考えると納得して入社して活躍できる状態を作れると、幸福の数は多くなるのかなと、会社も人も。————この理念や考え方自体は元々中村様の中にあったものですか?それとも会社のDNAとしてあったものですか?それは私の中にあったものだと思いますけど、ただずっとあったとか最初に入社した証券会社の時からあったとかでは全然なくて。社長をやったりとか、人を雇って上手くいかないこともあったりとか、そういう経験の中で今の形が良いかなと思ってきたので、徐々に変わってきたのかもしれないですね。会社の歴史と中村様のご経験について————会社の歴史も含めて特に印象に残っているご自身のご経験などあれば教えてください。私はこの仕事をするまで、元々仕事ってお金以外の意味がない、というか、お金以外に意味があるのかな?とすら思ったことがないというか...。証券会社で最初働いていた時も、お金持ちの人からお金を預かって投資して手数料をいただくということを行っていました。もちろん上手くいったお客様からは「ありがとう」と言われますが、私は別にお金持ちな人を成功させてよりお金持ちにすることにすごくやりがいと意義を感じるかというと、別に...と思っていました(笑)。仕事ってそういうものだと、要はそうやって稼ぐことなのだと思って働いていたのが証券時代ですし、その後自分で起業した当初は実は人材派遣を行っていたのですが、人材に関わりたいからやったわけではなくて、とにかく起業して自分で会社をやってみたかったというのがあるんですね。その思考からスタートしているので、当時の時代もあって先行投資もいらないし、自分の営業力だけで立ち上げやすかった人材派遣のビジネスを選択しました。この時もわかりやすくいうと人材派遣なので、要は「今この2ヶ月人手困ってる」みたいな工場だったり会社だったりがあって、求人出して人来て面談して、OKな人を紹介するのですが、応募者側も「この2,3ヶ月この給料欲しい」という考えで応募されているので、キャリアや将来を深く考えているマッチングではないものが多かったのですよね。なので、求人取ってきて、求人出して、とにかく数マッチングしようみたいな、そんなビジネスをやっていたのでそのときもすごく意義があるとはあまり思っていなかったです(笑)。とにかく会社としてまず成長したい、収益化したい、という思いでやっていました。その後今の会社に入社したのですが、初めて学生側の面談をしたり大学で学生に講義したり、学生の就職相談に乗ったりしていると、やっぱり新卒の就活は真剣じゃないですか、学生さんも人生かけていて。入りたての時は知識が無いまま面談などに行っていた時期もあって、そうすると分かった風を演じるしかないこともありました。そうやってその場は勢いで乗り切っていたのですが、その後すごく自己嫌悪感があって...。万が一、彼、彼女らが自分の無責任な一言で何かあったら取り返しがつかないことだと。その時くらいからこの仕事はお金を稼ぐ以外の影響や意義があるんだって思えました。それがこの仕事に私がはまったきっかけでもありましたね。この経験が結構大きくて、だから入ってくれた若い子たちにも「この仕事の意義に気付いたらはまるのにな」とか、仕事の中で「あ、この仕事ってこんな意義あるんだ」と自身で気付いてほしいというのがありますね。————なるほど。様々な経験をされたと思うのですが、今の会社に入社してから乗り越えるのが大変だった壁はございますか?最初入社した時はまだまだ立ち上げのフェーズだったので、男性3人の立ち上げメンバーの1人でした。本当に時間を問わず働いていましたし、労働環境としてはすごく大変でした。でも振り返ってみたら結局やっぱり楽しかったなって思いますね(笑)。精神的にきつかったことは、会社を継いだタイミングです。年上の役員や幹部が多く居た中で、ある意味抜擢していただいたのですが、周囲の納得感みたいなものがある状態ではなかったと思います。最初1年くらいは自分のカラーもあまり出せなかったですし、いかに問題が起きないようにしよう、これ以上嫌われないようにしよう、などということばかり考えていましたね...(笑)。思い悩むこともいっぱいあったのですが1年半くらいのタイミングで、「どうせこのままやっても良いことないな」、「もっと自分のカラーを出していこう」と思ってからどんどんやりやすくなりましたね。ただそれくらいの時期に、当時の幹部の何人かが辞めることなども続いたので、その辺は苦しかったなと思います。————苦悩から「やるしかない」と思うように至ったきっかけはございますか?やっぱり会社を継いだ1年間で何も変わらなかったからだと思います。そもそも業績も伸びていなかったですし、会社の環境もよく出来ていなかったので「何も出来ていないな」という不甲斐なさが最初の1年間は常にありました。振り返ってみて自分で凹んで...みたいな(笑)。もちろんその中で多くの先輩経営者に相談に乗ってもらったり、色んな話を聞いてもらったりする中で、たくさんアドバイスをいただき鼓舞された、ということもあります。会社の社員について————色々変化を経験されてきた中で、現在新卒の方も多く、更なる変革を遂げていらっしゃると思うのですが、働いている方に共通していることは何でしょうか?今年の新卒だと、フランクで壁がなく、誰にでも話しかけるイメージがありますね。中途社員にも新卒側から「前職ってどうだったんですか?」って話しかけてくれたりとか良い意味で壁がないなって思いますね。当社は若い学生さんとお話しすることが仕事なので、当然人当たりが良く相手が心を開きやすそうな人を中心に採用したいと思っていましたし、それは影響しているかもしれないです。あとは良くも悪くも、この業界の中だとピュアな子が多いように思いますね。転職支援や就職支援をしていると「とにかくいっぱいマッチングしよう」という考えを持つのは当然なのですが、うちはターゲットを絞っています。体育会系の学生や、「女子キャリ」という女子学生でも社会に出たら活躍し続けたいという思いがある子たちを集めて、そのような子を求めている企業様と出会わせようという事業をやっているので、コンセプトが決まっていて結構ニッチなのですよね。なので、なんでもいいから広く支援したいというよりは「それがやりたい!」「この支援やりたい!」と思ってくれる子がメンバーになることが多いので、そういう意味でピュアな子が多いかもしれないです。会社の仕事内容について————キャリア支援のお仕事内容についてもお話を伺いたいです。体育会系の学生から女性のキャリアというところに発展していったのはどういう経緯があってのことだったのでしょうか?「女子キャリ」を作った背景でいうと、日本は少子高齢化で働き手が居なくなるよねというのはみんな分かっていますよね。その中で人間の仕事を機械化しなければならないとか、働きやすくしなければいけないとか、外国人労働者が根付かないとか、様々な問題はあると思うのですが、「女性活躍推進」という課題も大きく1つあると思っています。働かなきゃいけないからってしんどい状態で働いている女性を増やしたいというよりは、働き続けたいと思う女性を増やすことが必要だと考えています。これは私の実体験があって、まず私は母子家庭なので母親の働く姿を見ていたというのもありますし、今までのマネジメント経験から女性の中にも優秀な人は多くいるということも、そういう女性社員に助けられてきたというのも大いにあります。また体育会系の女子学生の支援を行う中で「働き続けたい」という思いを持った女子学生も増えてきているなと気づきました。じゃあその中で女活推進が増えてきても、やはり日本は90%以上が中小企業じゃないですか。昨年、日本の中小企業の経営者の平均年齢が60歳を超えたんですよ。つまり、相当ギャップがあるんですよね。世の中の表に出る、いわゆる大企業が女活推進を掲げる中で、片や90%の中小企業の経営者の高齢化が進んでいるという状況があります。じゃあその制度が整っているか、女性を本当に活躍させられる状態を作ろうとしているか、という面で見てもやはりまだまだギャップは大きいなと...。しかしずっと活躍し続けたいという思いを持つ女子学生さんも、そのような学生を採用したい企業様も増えているので、お互いにとって良い出会いになって欲しいという想いから立ち上げたサービスですね。なので求人に出していただく会社様は、当社のコンセプトに共感して、女性でもポジションが取れたり、産休が取れたり、ゆるくて働き続けやすいというよりはバリバリ活躍してくれる女性を望んでいる企業様ばかりです。うちの会社も実際に働いている社員の男女比は5:5なのですが、どんどん女活推進を体現していきたいですね。————実際の業務としては企業様と学生さんを繋ぐことがメインだと思うのですが、その中で特に意識されていることはございますか?これは私の考え方かもしれないのですが、「人材紹介」自体がそもそもどういった経緯でビジネスとして成り立つようになったのかという話をしますと...。元々就職活動はリクルートが発行した「就職本カラー」で行われていた時期があったり、その当時は大学によって受けられる会社のエントリーシートが違う、みたいな時代もありました。これって良くも悪くも行く先がお互い狭められているので、ある意味効率的だというメリットはあったのですが、自由に会社を選べないというデメリットもありました。そんな中「それはだめだよね」とできたのがリクナビやマイナビで、誰でも自由に会社を見て、受けることができるようになったのですね。でも企業には当然、人気企業・普通の企業・そうじゃない企業とがあって、学生側にも高学歴・普通・そうじゃない、というのがあって...。企業側は高学歴の子たちを欲しがり、学生側もまた人気企業しか受けない、という形になっていったわけです。こうなると結局ほとんどの企業、学生にとって幸せな選択ができない。人気企業や一握りの優秀な学生じゃないとお互いに苦戦してしまう、となった時に、やはりこれでは適正化されていないよね、だから間に人が入ろう、となって人材紹介ができました。ということを踏まえると、私たちが人材紹介をやる意義は何なのか。それは企業様だけが望んでいることを叶える事でもないし、学生さんだけが望んでいることを叶える事でもないと私は思っています。じゃあ何をしなければいけないのかというと、情報がなかったり、一部しか見れていなかったりする学生さんに対して、プロから見たときに視野を広げてあげる事だと思っています。「なんでこういう仕事がしたいの?」「こういうことが楽しいと思うならこれも向いているかも」と広げてあげる。これは企業様側にもそうで、こういう子が欲しいと思っていても実際採用することが難しいから我々に頼ってくれているわけなので、そのまま平行線に継続していても仕方がないのです。例えば「じゃあそういう子を採用したらどういう風に成長させますか?」から始めたら、「こういう子でも活躍できそうじゃないですか?」と広げることができるんですよね。要は、両方の視野を広げて出会ってもらうこと。当然、決めるのは本人たちであって私たちが無理矢理意思は決められないので、その手前の選択肢を広げてあげること。そして多くの出会いを作って納得して最後決めるところまで伴走できるかどうかだと思っていて、この考えを1番大事にしています。だから、「広げよう」というのは社内にもかなり伝えているところですね。学生さんが色々悩みながら一緒に就活を進めて行く中で、「最初全く見ていなかったけど、無茶苦茶面白そうな仕事に出会えて、ここに決めてよかった」が聞けたら1番嬉しいことだなと思います。未来のビジョンについて————今後のビジョンとして、どういう形で事業や組織を成長させていきたいと考えていらっしゃいますか?ビジネスとしては新卒の就活領域だけでなく、中途領域でも同じような人材ビジネスを広げていくということを計画の1つとして挙げています。あとは大学から社会人になる子たちをずっと送り出してきてすごく思うことが、就職活動やキャリアの課題感って考えれば考えるほど手前の教育に行き当たるなということです。なので全く違う分野にはなるのですが、小学校、中学校向けにリアルなキャリアを知る場を作れたら良いなと。「キャリア教育」という程堅くなくていいので、「キャリアと教育」を軸にした学習塾みたいなものをやりたいなとは個人的に考えていますね。キャリアのリアルな話を聞いて、本人たちが考えて自分の未来を想像する、といったプログラムが組み込まれているような。組織的なところでいうと、私も課題なのかなと思うのですが、会社の中で事業部が増えていくとか、今度違うことをやる部隊が増えてくるとやっぱりちょっとずつ文化が違ったり、働く人のタイプが違ったりというのが今後より一層増えていくだろうなと...。そうなったときに、何をどこまでが会社統一の物で、どこからは違うのかなど、改めてこれらのルール再定義とか骨子づくりを、丁度この3月から手を付けていこうと思っているタイミングですね。私も過去に雇われで働いていた経験もあるのでわかりますが、例えば1人の社員からすると、当然自分が身を置いている事業部があり、そこで従事している目の前の仕事がある中で「これを1番評価して欲しい」とか「こっちはこうなのにあっちはこう」みたいなのは人の心理としてどうしても出てしまうので...。その中で事業を拡大していく・増やしていくとなると、どこまで何をどう整えたら1番良いのかを探りながら作っていかないとな、というのはあります(笑)。あと最近では、新卒にもジョブ型採用を取り入れられている会社さんが増えているということを聞くと、すごく悩みますね。エンジニアや技術職に関しては私もジョブ型大賛成なのですが、文系の総合職においてはビジネスの全体像を早く理解できるかということはどうしても外せないと思っているので、ジョブ型に切り替えるのも現段階ではまだやりたくないですし、その辺の設計もどうしていけばいいのかなと考えているところです。「市場価値」という言葉は器みたいなイメージがあって、「器の体積=市場価値」だと私は考えています。器って面積×深さじゃないですか。文系総合職の場合は特にですが、30-40歳くらいまではこの器を広げたほうが良いと思っています。いろいろな知見を増やした先に、「知見を深めてきた中で自分はどこで勝つのか」をちゃんと決めて、あとは深くしていくことが生涯の市場価値を上げていけると思っています。新卒だと、キャリア教育がない日本では将来のことを考えにくいのに、大学卒業の最初からジョブ型では一生の仕事を決めるのは難しいんじゃないかなと思いますね。技術職だと技術レベルで市場価値が決まるので、最初から1つに絞って深くしていく方が生涯的には市場価値が高くなる可能性はあると思いますが...。新卒でジョブ型採用をするなら、学校にキャリア教育を入れないといけないと思っています。だからこそ、「キャリアと教育」という軸で今後どんどん事業を深めていきたいですね。