株式会社エコスマート様の育成論会社概要についてカイシャの育成論について————最初に、現在人材育成についてどのようなお取り組みをされているのかを教えてください。色々あるのですが、基本的な考えとしては営利会社として利益を出していく中で最も重要としているのが「仕事の成果=能力×情熱×考え方」の方程式の中で最初は「考え方」の部分に関する教育に注力しています。細かいスキルアップの部分では「エコスマートのステップ6ヶ条」というステップアップ式のOJT研修を各階層ごとに実施します。また、当社で求められる考え方として、「プラス思考」が必要です。いくら高い能力や熱量があってもネガティブだと成果は出にくい傾向があります。そのため、辛いことがあった時や自分の苦手な業務が割り振られた時でも「この業務は将来的に自分のためになる」というプラス思考を軸として業務に活かしてもらうための研修を実施しています。社員に対して、プラス思考を求められる企業は多いと思うのですが、基本的にプラス思考というものを誰かから教えてもらう機会がある人は少ないと思います。当社でもプラス思考を持った人や向上心の高い人を採用していますが、入社した後も、「なぜプラス思考が必要なのか」を改めて発信しています。そして、今後も社員全員が共通言語を持つことができるくらい研修をしていきたいと考えています。————具体的に貴社ではどういう育成制度があるのかお話をお伺いしたいです。営業マンから経営幹部になるための研修をよく実施しますね。社会のことや会社の仕組みを把握しきれていない営業マンやそもそもあまりそのことに興味がない人が多いと思っています。そのため、研修では、一般社員のうちから社会や会社に興味を持ってもらったり、「どうやったら会社が儲かるのか」を考えてもらい、最終的に「自分が経営者だったらどういう行動ををするのか」を考えてもらう機会を設けています。例えば、新入社員として飲食店に入社し、店舗の売り上げを向上させる施策を考える場合、チラシや割引券を配布したり、テーブルを綺麗に拭いたり、誰よりも早く洗い物をしたり、ミスなくサービスを提供したりと色々案が挙がると思います。しかし、果たしてこれを実施しているだけで経営者になれるか?といわれるとおそらく厳しいのではないかと思っています。だからこそ、経営者として必要な視点として、チラシの中身を見やすいようにした方がいいのではないかといった、常に問題意識を持つための研修内容を実施しています。組織の成長のためには主体性が必要だなと思いますし、経営者視点で動ける社員が多い方が嬉しいなと思うのですが、そういう人は中々いないので、常に人材育成を通じて発信し続けていくことで幅が広がることと、この必要性を感じてくれる社員は凄く早く成長するなと思いますね。そのため、「自分の1つ上の役職であるつもりで行動してください」というのは最低限発信していますね。上司に対して「自分だったらこうするな」とか「上司のここは真似しよう」と普段の業務から自分事で捉える人は成長速度も早い人が多いですね。こういう力を伸ばすにはシンプルにOJTしかないと思っています。OJTの中では、前回の振り返りとして覚えているかの確認も行いますね。————今の研修や育成制度についてお話いただきましたが、今後行っていきたい研修や育成はございますか?スキルの部分と考え方の部分は分けて行いたいというのは明確にありますね。スキルに関しては数値で可視化したいですね。例えば期日設定をしたものに関しては、期限内に達成できたのかどうか〇×で徹底したいと思っています。考え方の部分に関しては数値で中々表せない事が多いと思うのですが、会社ルールの順守や、愚痴や意見ではなく提案が増えたり、大きい声での挨拶だったりと印象評価をしていきたいなと思っていますね。組織が大きくなると数値で表せられない部分に関しては特にキャッチするのが難しくなりやすいので、1on1制度や立候補制度も活用していこうと考えています。当社では四半期に1度査定があるのですが、その際には1年以内の中途社員や新入社員を対象として、人事部を中心に1on1での面談を行っています。また、立候補制度とは、当社での成績の基準値に対し、基準値をクリアした人の中で「役職につきたい」という思いがある人が立候補することが可能なものです。もちろん誰でも立候補すればなれるものではなく、もっとスキルが必要な場合は「業務の中でこういうスキルを身に着けてほしい」と伝えることもあります。役職に登用する場合は「再現性があるか」という事も重視しています。人なのでやはり社員の中には同じ研修を行っても簡単に成果を出せる人も中々成果に結びつかない人もいます。だからこそ再現性を確保するために立候補制度において軸を設けるだけでなく、最低限の軸となる研修を実施しています。会社の理念・歴史について————人材育成に関してお伺いする中で理念にも繋がる部分があるのかなと思ったのですが、理念として大切にされていることを教えていただきたいです。経営理念で言いますと、「世界で一つでも多くの『ありがとう』を頂ける企業を目指します。」という理念を掲げています。感謝されないと「ありがとう」をいただくことは難しいので、そこをまず経営の軸としています。当社のサービスは目に見えない商品ですし、「保険」のイメージって正直あまり良くないですよね。「無理矢理進められた」という話もよく聞きますし、保険は万が一のための補償なので「自分の不幸を想像したくないけど話を聞かなきゃいけない」というのもあり、保険に対して前向きに入る人はあまり多くないです。そんなネガティブなイメージを持たれる中でも私たちはお客様のニーズを聞いてプランを提案した結果、お客様から喜びの声や「これで安心できる」という感謝の声をいただきますし、時には「あの時保険の話を聞いていてよかった」と感謝のお手紙を頂いたこともありますね。————企業や組織が成長する中で大変だったエピソードや乗り越えられた理由はございますか?経営のゴールが見えないときは大変でしたね。経営理念として「1つでも多くのありがとう」を目標としているのでどこまでやればいいのか際限が分からなくなってしまうことはありました。ただ、経営理念は理想なので辿り着くものではないという考え方に変わり、これでいいんだなと思うようになりました。その一方でもちろん追い続けないといけないというのはあるので、研修などにおいても社員に伝えるようにはしていますね。現場レベルだと、赤字の時も大変でしたね。利益を出さなければ従業員にも還元できない。今、利益があるということは、来年も再来年も昇給の余裕があることです。つまり経営に余裕があるということは将来の保証になるわけです。また、上がった利益は半分は税金に取られます。これは国民の血税と同じで国の血となり肉となります。と、松下幸之助の「赤字は罪悪」という言葉に救われました。当時は腹をくくって業務を行うという事しかなかったので、寝ずに働いたり、困難なシチュエーションでも、共に働く仲間から様々な意思決定をたくさんして頂き感動しました。『意思決定』というキーワードは良く使いますが、本人にとっては集中出来ると思いますし、成長します。また私も信頼して任せる事が出来るので一石二鳥とも言えます。それに賛同してくれた仲間が居たことが支えになった部分も大きいと思います。サービス・業務内容について————まずは貴社のサービスについてご紹介いただきたいです。当社ではインバウンド集客に力を入れており、保険の自社メディアサイトとして、「エコスマほけん(https://es-g.jp/money/)」を運営しています。その他にも、WEBやスマートフォンで無料保険相談が出来るように2023年2月より「保険マッチングプラットフォーム」を開発し、保険マッチングサービス事業を開始しました。また今後は「保険比較ロボアドバイザー」により、高品質な情報を発信・提供することで、より多くのお客様の保険の最適化が出来る世界を提供出来ます。当社は少しでも社内の生産性向上を上げる為に、非対面・Webシステムによる保険マッチングサービス事業に注力しています。◆運営メディア一覧◆・エコスマほけん:https://es-g.jp/money/・オリックス生命:https://eco-hoken.jp/・なないろ生命:https://na.eco-hoken.jp/・ネオファースト生命:https://neofirst.eco-hoken.jp/・チューリッヒ生命:https://zurich.eco-hoken.jp/・SOMPOひまわり生命:https://himawari.eco-hoken.jp/・東京海上日動あんしん生命:https://anshin.eco-hoken.jp/・更年期相談室:https://konenki-sodan.jp/————ありがとうございます。実際の業務内容についてもお話をお伺いしたいです。当社はテレマーケティングと直接お客様の所にお伺いするフィールドセールスを分けて行っています。テレマーケティングでは多くのお客様へお電話をし、保険に興味がある方に対して資料を送付します。そして届いた資料に対して説明を行い、契約したいと思ってもらえるまで平均して5回ほどは架電を行います。その後、アポイントに繋がったお客様をフィールドセールス担当へと繋げるという業務を主に行っています。1日当たりのお客様とのコンタクト数は多い人で100件ほど行いますが、その内の9割は断られることが多いです。そのため、断られても落ち込まずに切り替えて次のアクションを起こせる人やお客様の関心をいち早くキャッチアップして提案できる人が活躍していますね。フィールドセールスの担当者はやはりお客様先に訪問して営業するので、まずは清潔感という第一印象が重要ですね。その他にも知識はもちろん、「3キョウ」と言っている、度胸・愛嬌・勉強の3つも大切ですね。また、優秀なフィールドセールスはお客様のお話をまずしっかりとヒアリングしていますね。お客様が興味がないのに一方通行でお話をしてしまうと、お客様のために提案の時間を使えず契約に結びつかないことへ繋がります。まずはどこにニーズがあるのか、将来の不安は何かなど相手について理解できる人は優秀ですね。保険というものは世の中の人の約9割が加入しているといわれています。弊社では新たな保険への加入ではなく、今加入している保険に対して「不安を解消することで、それぞれ一人ひとりの思い描く明るい未来に向かって「チャレンジできる人生」を支援する」という営業がほとんどです。例えば夫婦で住んでいる方やお子様がいらっしゃる方や別世帯で家族がいる方など、1人1人お客様の背景は様々だからこそのしっかりとしたヒアリングが重要だと考えています。そのためにはテレマーケティング部隊とフィールドセールス部隊の連携が非常に重要になります。そこで、当社では認識の相違がないようにお客様との会話データやヒアリング内容をシステムに入力し、双方で連携し確認できるようにしています。ただ、これだけでは伝わりにくい部分もあるので、時には電話で詳細を伝える事もあります。また、フィールドセールス部隊がアポイント内容をリマインドするために直接お客様へ電話します。その結果、当社の面談率が90%、面談後の成約率が70%と高い水準を維持できていますね。組織なのでヒトとヒトが連動し上手くいって初めて結束力が出てきます。その為の役割やルール設定を決める事が重要です。逆にうまくいっていない場合を見るとこの連携が上手くいっていないときが多いです。連携が取れていないとやはり結果の数字もどんどん下がっていくので、ここの連携は行うように社内にも発信し続けていますね。時々、保険の業務と聞くとやはりノルマがきついことや重労働なイメージを持たれることがありますが、当社では目標はありますが、ノルマはありません。目標は会社の利益が出るかどうかの最低限の基準となっていて、チーム毎に設定をしています。そのため、それ以上の成果は自分が稼ぎたい場合や役職を上げたい場合、チームに貢献したい場合などが主な動機になるので、成長に対して多少の負荷は必要ですが、そこまで目標がプレッシャーになることはないと思います。また、よくあるのが「契約が取れなくて大変」というものですが、当社では分業制で行っています。基本的に月間大体30件ほどテレマーケティングの部隊からフィールドセールスの部隊へアポが振られます。その中で提案できるかできないかというスキルはもちろんあるのですが、それが重労働という事はないですね。しいて言うならお客様先へ向かう移動時間が平均片道90分かかり、1日3件ほど訪問するので「移動時間が大変」という声は実際にありますね。営業面で1番ネックになりやすい飛び込み営業で断られるという事は無く、必要としているお客様に出向いていくという事が多いですね。————業務内容について色々お話をお伺いできたのですが、実際に求める人材や貴社に向いている人材についても教えていただきたいです。成長意欲や向上心があること、負けず嫌いなことですね。当社では学歴や性別、年齢を問わず未経験者でも活躍できるようにマニュアルを作るなどの環境作りも行っていますし、実力主義の文化もあります。ただ、先ほどもお話したようにスキルがあっても考え方が弱いと伸びにくいので向上心や負けず嫌いという考え方がまずは必要ですね。社員の皆様について————実際に働かれている社員の方で活躍されている社員さんの特徴やエピソードはございますか?まずはやはり先ほど挙げた向上心や成長意欲がある人を持っている人が活躍していますね。それ以外で活躍している社員では、自己責任の考え方を持っている人も活躍しています。常に自分に矢印を向けることができる社員は基本的に問題解決能力が著しく高いですね。誰かのせいにせず、自分で解決するために数値で可視化できる人が役職に就いていたり、ハイパフォーマーになっていますね。また、新卒の社員では早い人で入社してから半年で5名のチーム責任者になっていたり、中途社員の人も3ヶ月でチームを持つ人もいます。経験者で入社した社員も入社1年後に部長職に就いています。この3名の共通点としても問題解決力や自己責任が強いといったものがありますね。————お話をお伺いする中で社員の成長には1人1人の意欲が重要になると感じたのですが、会社の文化としてはどのようなものがありますか?当社がメンバーシップ型のピラミッド組織というのもあるので、まずは「実力主義」で形成されています。また、マーケット的には保険の金融商材は割引やキャンペーンが禁止されているので競争力の源泉が「人」の割合が大きいです。「良い営業の人に会えているかどうか」で契約が左右されることが多いからこそ、当社としても人材の教育に注力する必要があります。商品での差別化が図りづらいため、人材育成に注力をし、人の成長と組織の発展のために実力主義という環境が当社にはあります。————向上心や成長意欲が高い社員の方が多いというのが伝わってきたのですが、今後社員の方々にどのように成長して欲しいですか?新たなことに取り組むことが多いので、変化に対応したり挑戦していける未来志向の人材になって欲しいですね。実際に「昔はこうだったのに」と考える人は当社では通用していないですし、周囲が変化して成長しているのに対して指を咥えて待っている人は結果的に辞めています。特に今はデジタルに仕掛けを作って考える必要があるので、業務の在り方も変化しているからこそ未来志向の人材に成長して欲しいと思っています。また、強くて正しいリーダーにもなって欲しいと思っています。当社の採用基準として、「隣の人よりも頑張れる」というものがあります。保険の代理店が8万社ある中で比較されて保険会社と取引させていただいています。だからこそ、我々も隣の会社よりも負けない、頑張るという想いで業務をしているので、「強さ」が必要だと思っています。次に「正しさ」ですが、この業界は不正をすると許されない業界ですし、当社は特にテレマーケティングとフィールドセールスという中と外での連携が重要となります。しかし、中には自分の数字をよく見せたいがために正しくないアポイントを取ったり、誤ったお客様情報を伝えたりして、たった一人のせいでチームに迷惑をかける事もございます。フィールドセールスのメンバーが20~30名しかおらず、1日3件の枠しかない中で本来アポが組めたはずのお客様とアポが組めなくなるという状況が生まれてしまいます。自分さえ業績を挙げられれば良いという人がいるとその一瞬は良いかもしれませんが、将来的に周囲からの不評に繋がってしまいます。だからこそ、自身の私利私欲ではなく、お客様やメンバーなど色々な視点で物事を考えられる人になって欲しいと思っています。この「強さ」と「正しさ」の両方を兼ね備えたリーダーとして活躍して欲しいですね。そこで、当社では数値での可視化とランキング化を行い判断しています。例えば面談率や契約率、遅刻回数、社内ルールの違反回数など様々な数値を可視化し、社内で発信を行い評価にも繋がっています。ただ、これはあくまでも定量的な側面なので、お話したようにOJTでも価値観などを判断しています。また、社内のイントラネットを作成し、共有事項やルール、人事制度、私のブログなど様々な情報を共有できるようにしています。更に、各社員が見ているかどうかを閲覧履歴や「いいねボタン」でも確認できます。なので、会社が何を重要にしているのかをいつでも可視化できる仕組みづくりも徹底していますね。未来のビジョンについて————今後力を入れていきたいと考えている事業や将来の展望を教えていただきたいです。今後はテレマーケティングの領域が主に変化するだろうなと考えていて、不特定多数の人に闇雲に連絡し、見込み顧客を作ってアポイントに繋げるというのは正直非効率だなと考えています。昔は電話に出る機会も多く、電話帳ベースが開示されたりもしていたのですが、2004年の個人情報保護法以降は情報の取得が難しくなりました。また、世の中のマーケットの変化や労働集約型を脱却したいと思ったのもきっかけですね。保険業界では人が行わなければいけない業務というものが必ず存在しますし、競争の源泉でもあります。その一方で、人が行わなくていい業務はデジタルに置き換えていかないと利益も出にくいですし、生き残ることも困難になります。だからこそ、現在は保険に興味がある人をWEBを通じて集客できるようにしています。まだ月間500件ほどしか見込み顧客に繋がっておらず、組織も小さいですが今後はこのメディア事業で見込み顧客を月間10000件に増やすための仕掛けづくりなどに注力して行きたいと思っています。————最後に奈良様からのメッセージがあればいただきたいです。世の中をみても日本の「失われた30年」は経済が伸びていないのは事実です。その一方で、欧米諸国などの海外を見ると伸びています。日本は「休みが少ない」とよく言われますが、実は1番働いているのはメキシコで、日本の休みは約120日なのに対して、海外には祝日はほぼありません。そういう意味では海外の休みは約108日程度です。何が言いたいかというと、日本は戦後最大の危機と言われるほど経済が伸びていないからこそ、働くメンバーとしては「日本をもっと元気よく」という概念が必要なのではないかと思っています。当社ではそれをちゃんと評価して結果としてお返しできる会社であり、年齢・性別・学歴問わず実力主義というところで未経験者でも活躍している会社です。また、マーケット的にも保険業界においては人が競争力の源泉というところもあるので、人材の育成とロジカルな仕組みづくりで勝てるようにしています。しかし、まだまだできていない部分も多いので、これらを一緒に作り上げてくれるような当社の未来を語れる人と仕事したいと思っています。