株式会社AHGS様の育成論育成論について————最初に、現在人材育成についてどのようなお取り組みをされているのかを教えてください。三浦様:人材育成制度としては「マイル制度」と「委員会活動」というものがあります。「マイル制度」とは、1マイル1円で対象の活動をした人に「AHGSマイル」と呼ばれるポイントを付与するものです。この制度を通じて、社内通貨や社内共通言語を作り出すことで、社員の帰属意識を高めたり、定着率を向上させることが狙いとなっています。対象となる活動の1つとして社内副業というものがあるのですが、これはコーポレートサイトのブログ更新者や資格取得者への報奨金を出したり、福利厚生でオンライン英会話を受講し、その期で1位を獲得した人にマイルを付与するなどを行っています。こういった取り組みを通じて、当社の理念である「自分の価値は、自分で創る」という価値観のもと、自分の価値を自分で高めていける活動をしつつ、会社にも貢献できるというところでこの制度を導入しています。————実際にこのマイル制度を運用する中で社内の雰囲気にどのように貢献しているのか、社員の皆様からの実際の声があればお伺いしたいです。三浦様:当社は拠点を様々な場所に置いており、東京、壱岐、沖縄、セブ島の4拠点となっております。そのため、簡単に顔を合わせられる距離ではなく、お互いがどんな仕事をしているのかということも発信しあわなければ分かりづらいという状況の中で、ブログを書いたり社内について発信する動画を運用したりすることによって、お互いの拠点を知ることができるなど、「今まで知らなかったことを知ることができて嬉しい」という声が多く上がっていますね。普段業務で関わりがなければ中々お互いの動きは見えなくなりやすいですし、それも課題の1つだったので、そこをクリアにしていくという意味でもマイル制度はかなり効果的に働いていることを実感しています。————ありがとうございます。もう1つの制度についてもお伺いしたいです。三浦様:もう1つの制度である「委員会活動」ですが、当社では「美化委員会」と「広報委員会」が委員会としてあります。「美化委員会」では、主に毎週金曜日に実施する「ビューティータイム」と呼ばれる各拠点を掃除する時間のリーダーシップを担う役割をしています。そして、「広報委員」では、毎月月末に当社のInstagramに投稿するための記事や、社内広報で使用する動画を四半期に1本作成しています。委員会では役職関係なくチームを引率し、リーダー経験を経るなど、誰にでも経験を積むことができるチャンスにして欲しいという想いも込めて委員会制度を設けております。————実際に委員会制度を通じてリーダーシップの効果や実務へ影響があった社員の方のエピソードはありますか。三浦様:実務に関してはまだどれくらいの効果があったかは収集できていないのですが、四半期ごとに委員会を各事業部で変更しており、前の期に委員を勤めていた方が今期の委員のサポートをするといったことが実際にあるので、責任感を持った社員へと育成するという点ではかなり役立っているのではないかと感じています。「拠点が違うから知らないままでいいや」という状態にはしたくないため、こういった制度を通じて「この拠点ではこんな風に頑張っているんだ」と知る機会を作ることで社員の意識やモチベーションを保つきっかけになると思っています。今後もそういった面で上手く活用していきたいですし、まだまだ試行錯誤の段階でもあると思うので、これをベースにもっと良くしていきたいですね。————こういった活動や取り組みは元々あったのでしょうか。三浦様:元々取り組みとしてはあったのですが、それほど積極的に運営をしておらず、今年になってからベースを整え、積極的に社内に発信し始めました。こういった制度があるにも関わらず、社内に浸透していないというのはもったいないですし、当社が10周年を迎えるということもあり、改めて見直せるものはないかと振り返った時にもっと浸透させようと思ったのが、この制度に積極的に取り組み始めた理由の1つですね。理念・文化について————先ほど理念についてもお話しいただきましたが、育成の観点以外でも他にも文化の形成に関わったり理念や価値観に付随するような制度はあるのでしょうか。三浦様:当社では新規の事業を色々立ち上げることが多いのですが、新規事業のアイデアを出し採用されると、事業の責任者になることができる「社内ベンチャー制度」というものもあります。そのため、チャレンジしたい社員を応援する環境も整っていますね。こういった様々な事業を展開することに対しても当社の代表の考えが反映されており、様々な事業をバイタリティの高いメンバーにどんどん引っ張っていって欲しい、バイタリティが高い人にもっと前に出て欲しいという想いがあります。私は2023年の12月に入社したのですが、その時点で既に2つ新規事業の立ち上げが始まっており、それが沖縄のレンタカー事業とセブ島のウェルネス事業でした。実は、2023年にオープンする予定が工事等の兼ね合いで2024年の2月になり、オープンするまでに時間がかなり掛かっていたのですが、実際にオープンしてからの売上はもちろん、取り組みも日々工夫されており勢いがすごいなと感じましたね。————会社の理念や文化など、貴社にはどのような社風があるのでしょうか。三浦様:明言されてはいないのですが、社風としてはやはりバイタリティが非常に高い方が多いなと感じています。今ある事業に対しても意識高く取り組んでいる姿勢がありますね。また、各拠点で社員同士の仲が非常に良いという印象も持っています。仲が良いことにより、日々の業務に対するモチベーションも上がっているという声を耳にする機会も多いので、人と人との繋がり方も当社の特徴の1つとなっています。歴史について————貴社の事業や価値観、文化などの変遷についてもお伺いしたいです。三浦様:当社の事業の特徴は、その時代の流れに沿った事業の展開を行っているところです。当社では元々「セブ島0円留学」という事業を展開していたのですが、コロナ禍でかなり打撃を受けまして、留学事業ができない状態になってしまいました。そこで、沖縄で英語を学べる「リゾート留学」という事業を始めたり、オンラインで動画編集について受講できるスクールを始めたりしました。さらに、コロナ禍でレンタカー事業が多く廃業していたことや新しくレジャー施設がオープンすることにチャンスを見出し、その市場に参入を決意し2月にレンタカー事業も開始しました。このように、時流に沿った事業展開を行っていくことが当社の特徴となっています。一方で文化を浸透させるために、手探りではありますが試行錯誤している状態でもありますね。とにかくこまめに社内について内部に向けて発信することに現在は特に注力しています。また、ブログが更新されたタイミングで全社に向けて案内メールを発信したり、何かしら企画をする際には必ず全社に向けて発信を行ったりしています。こういったこつこつ社内に向けて発信する機会を増やすことも文化の浸透に繋がっているのではないかと思います。最初は中々浸透しなくても、こまめに発信していくことでレスポンスも増えてきていて、チャレンジしてみようという意欲が社内でも徐々に広がっているなと実感しています。————様々な事業を展開される中で失敗した経験や大変だったことはありますか。古矢様:今まで新規事業に挑戦してきた中で失敗してきたという経験もあったと聞いているのですが、私も入社したのが2024年ということもあり、過去の失敗の経緯といったものはまだ把握しきれていない部分も多くあります。ただ、違う分野の事業に挑戦して失敗したとしても、どのタイミングで撤退するのかという基準が社内で明確にされています。そのため、そのルールに則って今までも挑戦し続けてきたそうです。現在も、当社のビジョン・ミッション・パーパスとして掲げている様に、新しい事業の創造を目指してチャレンジし続けています。社員の皆様について————ここまでお話をお伺いして貴社にはバイタリティの高い方が多く在籍していると感じたのですが、実際に貴社で働かれる社員の方に共通するものはありますか。古矢様:好奇心旺盛な社員が多いかなと思います。三浦様:そうですね、フットワークが軽い方も多いですね。古矢様:壱岐に拠点がありコールセンターの運営を行っているのですが、壱岐は海がとても綺麗なので元々魚釣りが大好きな社員が東北から島に移住した、バイタリティに溢れた方もいました。また、東京に住んでいたけど沖縄の事業部長になるために沖縄に引っ越したという方もいますね。————採用にも特徴があるのではと思ったのですが、採用する際に必ず見ているポイントなどがあればお伺いしたいです。古矢様:人柄は大事にしていますね。人柄といっても中々言語化できる部分ではないと思うのですが、例えばお話ししてみた際に感じる人間味の部分は特に注目する様にしていますね。————お2人が貴社に入社する決め手となったものはどの様なものだったのでしょうか。三浦様:私は面接した時の面接官の人柄でしたね。当初はアルバイトとして入社したのですが、面接をした時に「働いてて楽しそうな人たちだな」と感じ、まずはアルバイトとして8月末頃に入社し、12月には社員となりました。アルバイトから社員になるまでの期間も実際に一緒に働いてみて楽しかったと感じましたし、よくある人間関係のストレスというものも感じなかったのでここで社員として働きたいなと思ったことが理由として大きかったですね。古矢様:私も同じく人柄でしたね。他の会社の面接では堅い質問が多かったのですが、最後に社長と面接した時に「動物占いは何だった」と面白い質問があったり、人を見てくれる様な面接だったなと感じました。もちろん今までやってきた仕事などの経歴の部分もありますが、何より人柄を注視してくれたということが入社を決める際の大きなポイントでしたね。代表自身も「新しい事業を始めるのも趣味だ」と発信するくらいバイタリティが高い方ですね。三浦様:元々新規事業のアイデアを出すとそのまま事業の責任者を担えるというベンチャー制度もあったのですが、最近は「アイデアだけでも良いから」と社員全員からアイデアを集めるための「アイデア箱」も設置しました。そのため、今後もまた新規事業が活性化していくのではないかと思っています。業務内容について————新規事業に関するアイデアを集めて実際に事業化するまで、どのようなステップで動かれるのでしょうか。三浦様:新規事業に関しては私もまだ途中からしか関わったことがないのですが、先ほどお話ししたレンタカー事業立ち上げの際は、まず最初に社長をやりたい人を募集しました。それと並行して、土地探しや申請、水道や電気を通すための会社や内装を依頼する会社を手配したりと全て1から探して手続きするということの繰り返しでしたね。レンタカー事業に応募した社長や社員が事業を回すためのフローを在籍している社員と共に組み立てていき、やっとオープンに辿り着くという流れとなっています。オープンしてから正式な看板が届いたりということもありましたね(笑)古矢様:これといったフローは決まっておらず、毎回手探りで立ち上げていく部分もあります。三浦様:とにかくトライアンドエラーを繰り返しているので、1つ新規事業の立ち上げを終えると必然的にスキルが増えているということも多いです。古矢様:今後も新規事業を国内外問わず創出していきたいと思っています。————社員の方々にとっても働き方を問わず色々チャレンジできる環境があるのでしょうか。三浦様:そうですね。どうしても事業ごとに分かれて業務を行うので、もし違う環境で働きたいと感じた場合は事業を立ち上げることもできますし、半年以上在籍することで別の拠点に移るための申請もできる様になります。そのため、本当に自分が働きたい環境を選びやすい社風だと感じます。————魅力的な会社だということが伝わってきますね。反対に現在課題だと感じていることや、課題を乗り越えた経験はありますか。三浦様:実は、私が入社するまで広報というものはありませんでした。現在は社内外問わず広報活動を積極的に行い環境を整えていくという段階となっているので、そこがまず1つ課題だと思っています。半年近く広報活動をやってきた結果、やっと少しずつ色々な価値観や文化、制度などが社内で浸透してきたなという実感があります。今後も積極的に内外問わず活動をしていくことで、さらに良い影響が出てくると良いなと思っています。どうしても広報活動というものは常に数字で明確に効果がわかるものではないので、根気強くやっていきたいです。————今後新たに取り組んでいこうと考えているものがあればお伺いしたいです。三浦様:プレスリリースを今まで会社として発信したことがなかったのですが、せっかく新規事業を行うのにもったいないと思っていました。そのため、今後はプレスリリースなどを通じて当社の活動をこまめに発信していきたいと思っています。また、各種メディア様とのリレーションが薄い状態なので、メディア様との繋がりもたくさん作っていきたいですね。未来のビジョンについて————今後事業でさらに注力していきたいことや取り組んでいきたいことなどあればお伺いしたいです。三浦様:現在は立ち上げたばかりの新規事業の土台作りに注力している状況なので、売上の面でもフローの面でも土台をしっかり固めていくということが直近として取り組んでいきたいことですね。また、当社の代表の方針として新規事業を積極的に立ち上げていくというものがありますので、新規事業に関するアイデアを募集し、事業の実現に向けて注力することも今後メインで取り組んでいきたいと考えています。古矢様:すでにこういった取り組みの実現に向けて、特にセブ拠点の方はいち早く奔走されている方もいらっしゃいます。まずは新しい事業を立ち上げたいということを1番社内でも発信されているので、この先も時代に合わせて様々な事業領域に挑戦していくというところが当社のビジョンとしても最も大きい部分になるのではないかと思っています。もちろん、立ち上げた事業をうまく円滑に回していくことも1つの目標だと思うのですが、当社は地方や海外など様々な場所に拠点があるため、採用面だけでなく、地方創生という面でも良い影響を生み出していけると考えています。そういった面でも今後携わっていきたいですね。————今後の従業員の皆様の成長も様々な可能性を秘めているのではと思うのですが、制度の面でも新たに取り入れたり作っていこうと考えているものはありますか。三浦様:全社でコミュニケーションを取ることができる機会が、従来までは年に1回開催される経営方針発表会のみでした。しかし、10周年を迎えたということもあるので、今後は全体朝礼を定期的に実施しようと考えています。実は全体朝礼は古矢が提案した取り組みなのですが、顔を見てどんな社員がいるのかを知ることも帰属意識に繋がってくると思っています。他にも、社内のコミュニケーションツールの統一化も進めていく予定です。現在は事業部ごとにコミュニケーションツールとして使用しているツールがバラバラなので、事業部間でやりとりが必要な際に手間が発生してしまいます。また、ツールが統一化されていないとコミュニケーションを取ることに対して一歩遅れが出てしまうこともあるので、統一化し円滑にコミュニケーションを取れる環境を整えることでより社内も円滑に回っていくのではないかと考えています。社内で発信する際にも手間が発生してしまうこともあるので、現在はツールの見直しや制度の見直しも積極的に行っています。————最後に、お2人は今後どんな方と働いてみたいと思いますか。三浦様:私はバイタリティに溢れる方と働きたいという思いが1番大きいですね。また、好奇心旺盛な方と働くことも非常に面白いなと感じるので、バイタリティ溢れる方や好奇心旺盛な方と一緒に働きたいです。古矢様:私も同じ考えですね。人間味溢れる方は一緒に働いていて面白いですし、色々な意見が出てくることも多いので、一緒に働く中で私自身の価値観や考えのアップデートにも繋がると感じています。「こんな考えがあったんだ」という発見もあるので、いろんな考えを学ぶことができ、一緒に働くことを楽しいと思える人間味あふれる方と働きたいですね。