株式会社テックビルケア様の育成論育成論について————最初に、現在人材育成についてどのようなお取り組みをされているのかを教えてください。大企業さんのように体系的な育成体制は中々取れていないのですが、当社では新卒採用を行っておりますので、新卒の子たちが入社した際にどのような教育をしていくかということが人材育成における1つの大きなテーマとなっております。数年前までは中途採用のみだったのですが、中途採用の方々はある程度社会経験を積んだ上で、即戦力として入社していただいています。そのため、表立って今後どのように育成するかといったものはあまり体系的に作っていませんでした。また、当社はブルーカラーで現場に出て行う作業が多いため、先輩の背中を見てスキルを身につけるOJT型の育成がメインとなっていました。現在新卒採用を始め、どのように育成をしていこうかという取り組みの中で私たちがまず始めたのは、みんなで協力して育成していくことでした。当社は小さい規模の会社ということもあり、「協育」を1つのコンセプトとして教育体制を整えていこうと新卒1期生が入社した時に決めました。例えば、A君の育成を行う際には基本的に教育担当を1人つけるのですが、その人を中心としてA君の教育チームメンバーを構成するようにしています。そのため、当社では既存社員の方はある意味必ず誰かの教育担当となっています。「新卒の子は教育担当の人が担当だから、私は無関係だよね」というスタンスではなく、必ず自分が誰かの教育担当となっているので、そういう意味では誰もが教育という意識を持つことができるようになっています。他にも、できるだけ短いスパンでフィードバックを行うことも大事だと思っているため、その子の教育担当者と教育チームのメンバーで毎月1回は進捗状況の確認や何ヶ月目までに身につけておいた方がいいスキルなどをフィードバックしています。フィードバックの際には定量的な部分と定性的な部分の両方の側面があると思うのですが、定量的な部分ではいつまでにどんなスキルや資格の取得が必要かということ、定性的な部分では挨拶や社内の取り組みに対しての姿勢や行動と言った私たちが大切にしている基本的な価値観を言語化するようにしています。その上で、本人にも「いつまでにこれくらいのスキルを身につけて欲しい」と伝え、毎月フィードバックしながら達成できたもの、できなかったものに対してギャップをお互いすり合わせ、次の1ヶ月はどのようにしていこうかなと毎月積み重ねていくようにもしています。この取り組みを始める前は、人材育成といったものもワードとして社内で出る機会が少なかったです。中途の方の場合は入社した際に会社の制度やルールを一通り説明した後にOJTでお任せすることが多かったのですが、新卒が入社することによって育成というワードが出てくる機会が増えましたね。————最初実際にお取り組みされてから社内でどのような変化がありましたか。他のメンバーも感じていると思うのですが、やはり人が人を教育するものなので、常にうまくいくものではありませんよね。もちろん計画を作っているのですが、上手くいかないこともありますし、最初は私も上手くいかなくて当たり前だと思いながらスタートしました。なので、始めた頃はどこが上手くいかなかったのかをしっかり振り返って次の翌年以降の教育に活かしていこうと考えていましたね。ただ、既存社員にとっても育成というのは未経験でしたし、私もあまり育成に対して軸があったり方法論を知っているわけではなかったので、育成の素人レベルからのスタートでした。その中で、新卒が入社したことをきっかけに育成というワードが社内で増え、フォーカスする機会が増えたことでそれぞれの意識が変化したということは間違い無いですね。中途採用とは違って社会人未経験の子が入社してくるので、みんな新卒メンバーに関心を持つようになるといった意識の変化もありましたね。中途採用の方であれば、ある程度お任せできる部分もあるので、そんなに意識することはないと思うのですが、社会人1年目の新卒の子達に対しては「大丈夫かな」、「上手く言ってるかな」、「困ったことないかな」という雰囲気が社内でも少しずつ生まれ、こまめな会話の機会を設けたり、本人の表情や雰囲気を敏感に感じるようになったかもしれませんね。そういったこともあり、社内にも一体感が生まれたのではないかと思っています。何せ若い子が入社することは一体感もそうですが、会社にフレッシュな空気が入るのでとても良いことだと感じましたね。社風が少し変わるという変化もあったように感じます。————最初新卒採用を開始しようと思われたきっかけはあったのでしょうか。1番は私の危機感ですね。当社は主に建物などの消防設備の点検や様々な建物の点検を行っているのですが、ブルーカラーといった現場で作業する業種は今の若い子達にとって敬遠されがちですよね。最近はIT系や芸能系などいわゆる花形とされるような会社に行きたがる人が大勢だと思います。私も逆の立場だったら当然だと感じますしね。ただでさえ人手不足だと言われている中で、ブルーカラーの企業はより採用がし辛くなることを強く感じていますし、まず影響を受けやすいのは私たちの業種です。実際に同業他社さんでもそう言った声を耳にする機会は多いですね。今後私がこれから事業をどんどん展開することは私のアイデアと実行力で可能かもしれませんが、一人でできることはないので、社員さんをこれからも増やしていかなければいけないとなった時に、この会社がちゃんと人を採用できるような魅力を持っていなければいけないと思いました。その1つのバロメーターとして、新卒の子が私たちの会社に入社したいと思ってくれるような会社として魅了付けすることによって、今後の人材不足の世の中も乗り越えていけるのではないかと考えています。これができれば中途採用でもなんでも乗り越えていけるのではないかと思ったので、1つのバロメーターとして新卒採用にチャレンジして成功できるか試してみたいと思い始めたのがきっかけでした。————最初始める際には社内にも変化が起きたのではないかと思うのですが、既存の社員の方々はどのように受け取られていたのでしょうか。一言で言うと、「マジでやるんですか」という感じでしたね。目が点になるってこういう感じなんだなと(笑)「まさか本当にそう言うことやるんですか」と言うのが最初の反応だったのですが、私自身もいずれは新卒採用をやりたいなと思いながら数年間やってきて、色々な情報を得る中でとある企業さんや中小企業でも新卒採用を実施している事例を目にする機会がありました。その時に、会社としても新卒採用に回せるお金がある状態で今やらないといけないよねというところを決めて社内にアナウンスしましたね。あまり広くみんなでやろうとしてしまうと、結果的に他人事みたいに感じてしまう人もいると思うので、最初は「この人とこの人はコアメンバーとして採用活動を一緒に本気でやりたいんだ」と伝えることもありました。また、自分たちで0からというのは難しいと思っていたので、新卒採用専門の支援会社さんにガッツリ入ってもらって、本気でやるなら中途半端なことはしないと決め、お金も時間も初年度は色んな資金も投入して本気で臨みましたね。————最初お話をお伺いする中で、社長の温度感というものも大事だと改めて感じますね。それは本当に大事だなと私自身も思っていますね。支援企業さんからも言われましたし、特に中小企業では社長の熱量によって大きく変わると思いますね。それを発信したからこそ、この取り組みが上手くいった理由だと思いますし、本気で採用したからこそ育成の文化も生まれたのではないかと感じています。新卒採用のゴールはあくまでも採用ではなく、入社してもらって教育して当社の戦力となってもらい、できれば長く働いてもらうこと、これがゴールだと思っています。とりあえず2,3人、新卒社員を採用できたことに安心するのではなく、ここからがスタートだよねということも社内に発信してきましたね。理念・文化について————最初理念や文化についてもお伺いしたいのですが、茶橋様が働く上で1番重視されているのはどのようなことでしょうか。これは当たり前だと思われる方もいるかもしれないのですが、「凡事徹底」は大切にしています。挨拶を始め、社会人として当たり前の行動はみんなちゃんとやろうと発信するようにしていますね。当然のようにやっている人はもちろんいるとは思うのですが、ここにこだわってやっている人はあまりいないと思っています。私も社会人経験の中で様々な会社を渡り歩いてきましたが、当然出社した時や退社した時に社会人の常識として挨拶しますよね。しかし、そう言ったことに対して会社が重きを置いてルール化している会社はありませんでした。当社では挨拶をコミュニケーションの1つとして「お互いの信頼関係構築の1丁目1番地です」と明言しているので、社員全員明るく前向きな挨拶をしっかりしてくれていますね。また、私も社員の皆さんに対して必ず出社した時や帰る時に全員に挨拶をして回るようにしていますし、そういったところをこだわったり、暗黙のルールは作りたくないので、できるだけ細かいルールを作ることである意味社員の皆さんがのびのびと働ける環境を作るように意識しています。————最初「明示する」といったこと以外にも他にも仕掛けとして取り組まれていることはありますか。朝礼のような全体で集まり共有する会を夕方に実施しています。これも理念、ミッション、ビジョンや企業文化を浸透させるための1つの機会だと思っています。そのため、単純に報告や連絡、相談をする機会ではなく、毎年試行錯誤して内容を考えています。現在は、例えば毎週担当者をローテーションし、今週の気付いたスピーチというお題で必ず理念、ミッション、ビジョンに紐づけた自分の体験からできるようなエピソードを発表してもらいます。そして、その場でくじを引いてもらい3人くらいにそれに対する気付きやどう思ったか、どう感じたかといったフィードバックをしてもらうようにしています。また、額に掲げているだけでは意味がないので、私の方からも理念、ミッション、ビジョンから紐づけたお話や当社の経営計画書を読み合わせ、当社の進むべき方向性や考え方ができるだけぶれないように少しずつでも浸透する機会を意図的に作るようにしていますね。————最初こういった取り組みは創業時からされてきたのでしょうか。私の代になってからよりこういったところは意識し始めたのかなと思います。社員さんが少しずつ増えてきて、かつ新卒の子が入社し始めてからはさらに意識するようになったかもしれませんね。代表が変わる前から私自身もこういったところをかなり意識してこだわってきましたね。私はこの会社に入って13年目くらいなのですが、父が創業者ということもあり、入社した時からこの会社をどういう会社にしていきたいかということを自分の頭の中でイメージしながら働いていました。とはいえ、私が入社した当初は業績がとてもよかったわけではなかったので、まずは普通に仕事を頑張って、会社の業績を少しでも安定させることが最初のミッションでした。そのため、最初の方はあまり組織の改革や仕組み化、ルール作りといったことは余裕がなかったこともあり、あまりできていませんでした。その後、ある程度業績も安定してくれば自分が会社をどのようにしたいかという会社の理想論が生まれ、色々な経営者の方の本を読んだり、自分なりに勉強していく中で「こういう会社って素敵だな」とか「こういう会社に人が集まるような会社になったらいいな」とできるだけイメージするようにしていました。そして、ある程度余裕ができた時に1つ2つ仕組みを実際に取り入れてみていましたね。もちろんうまくいかなかったこともたくさんありますが、「この取り組みはうちにあっているな」、「馴染みそうだな」と感じたものは試してみたり継続することを繰り返しながら今に至ります。なので、急にコロっと変わったというよりは、徐々に今の形に変わってきたという経緯ですね。アップデートし続けた結果、若干振り回してきてしまった感じは正直ありますね(笑)制度だけでなく、仕事で使用するツールも最適なものを常に探し続けてきた結果、コロコロ変更してしまっているので、今当社で長く働いている人は気にしないと思うのですが、最初の頃は「勘弁してください」と言われていましたね。一方で、それが楽しいと言ってくれる人も中にはいて、「うちの会社って全然飽きないですよね」と言ってくれた社員の方もいました。歴史について————最初今まで貴社のお取り組みの中で大変だったことや苦労したことなどのエピソードがあればお伺いしたいです。取り組みに対する否定意見がかなり大きかったです。色々な社内ルールを作る中で私も他社さんの事例を見てきたのですが、工場などでよく使われる整理整頓清掃の「3S」を本気でやる会社を目にしました。そこはただ標語で掲げるだけではなくて本気で取り組む会社だったので、それを見て私は「めちゃくちゃ大事だな」と感じ、取り入れようとしました。私自身もやるなら本気でやるタイプなのですが、当時の社内は一般的なブルーカラー企業の雰囲気でした。いわゆる昭和の雰囲気で、グレーのオフィスデスクが並んでおり、それぞれの席が決められていて、机の上には要塞の様に自分の私物が置かれているイメージですね。その頃は色々なお客様が増えていた時期だったこともあり、お客様1人1人の情報をファイリングした資料が増えて行って、毎年本棚を追加購入しても場所が足りない状態でした。そういったタイミングで3S活動を本気でやろうと取り組むことにしました。これは会社の中を綺麗にしようとかそういう意図ではなく、私が口で説明するよりも、3S活動をすること自体が社員教育や自分の心の中をより研ぎ澄まして気付き力を高め、「凡事徹底」の1つとしていい教育になると思ったことが理由でした。実際に活動を開始する際には、「来年度からは徹底的に3S活動を開始するので、机には電話以外置くことは禁止にします」と伝えました。席自体も全てフリーアドレスにするため、私物は支給するパーソナルボックスに入る分だけにして欲しいとルールも作りましたね。このパーソナルボックスの中身に関しては私もあまり関与しないので、机の上だけは電話以外置かないというルールを徹底していました。そのため、業務中は自分のパソコンを好きなところに持って行って仕事をし、帰る時は綺麗にして帰るという方針となりました。しかし、当初は長く在籍している社員さんからの反発が特に大きかったのですが、私もここに関しては頑として譲らず、最終的には3S活動に取り組んでもらいました。当社には倉庫があるのですが、その中身も「いるかいらないか迷ったら捨てる」というルールで分別した結果、駐車場のトラック2台分くらいの大量のゴミができましたね(笑)社内には高価な機材もあったのですが、過去1年くらい使っていなかったので捨てると行った際に、私の父でもある会長から「もしかしたら3年後使うかもしれないから勿体無い」とストップがかけられたのですが、「必要ならそのタイミングでまた買うので捨てます」と伝えました。お客様の情報も3S活動の際に全てスキャンし、データ化しており、現在はファイリングの類は一切社内にはない状態となっています。会長含めて否定意見が強かったのですが、3S活動をした結果、社内もかなりスッキリしましたね。社員の皆様について————最初貴社で活躍されている社員の方についてもお伺いしたいのですが、茶橋様から見て期待以上に活躍してくれたエピソードなどはありますか。当社の業務には特定の資格を取得していないとできない仕事もあります。とはいえ、税理士や弁護士といった難しいレベルの資格取得が求められるわけではなく、ちゃんと勉強していれば取得できる消防設備士の資格となっています。ただ、中途採用の人でも現場仕事はできるけどペーパーテストが苦手だったり、普段から勉強する習慣がないので出遅れてしまうという方も一定数います。しかし、新卒の子たちは今までの経験の中で勉強してきて、大学受験し大学生活を送り入社してきている人ばかりなので、一般的な資格であればちゃんと取得することができています。これも1つ新卒採用の狙いではあったのですが、消防設備士に配属した子も入社後着実に資格取得し、現場での業務もできているので、そういう意味では私の期待以上に活躍してくれていると感じています。さらに、2024年4月に入社した子は入社する前から「何の準備をしておくべきですか」と質問をくれ、「基本的には学生生活を謳歌することを最優先にして欲しいけど、もし資格取得などをしたいのであればメイン事業として消防設備を扱うので、現場に出る人だけでなくバックオフィスでも必ず役に立つ消防設備士の資格を取得することをおすすめするよ」と伝えました。消防設備士の資格は大学生でも受験ができるので、そのようにアドバイスをしたのですが、その結果入社する前から消防設備士の資格を取得していました。これにはさすがだなあ。と感じましたね。————最初活躍される方々が多いのも採用の際に何か工夫をされているからではと思うのですが、採用の際には茶橋様も参加されているのでしょうか。とても参加しますね。代表が出てこない採用選考も多いと思うのですが、当社はまだまだ学生の方から認知されている企業ではないので、待っているだけでは優秀な人材の採用には繋がりません。そのため、母集団形成の段階では大型の合同企業説明会にブースを出して会社説明を行っていました。このイベントでは多くの学生が聞いたことある様な有名企業や大企業が多く出店していたのですが、その中にほとんど会社について知られていない当社があるという状況が面白かったですね。私がブースで会社について約20回ほど喋っていたのですが、周囲の企業を見ると代表が喋っている企業は私しかいませんでした。そのため、1期生で入社してくれたメンバーも「代表が喋っている会社ってどんな会社なんだろう」と最初は興味本位で訪れてくれていた人も多かったですね。業務内容について————最初ありがとうございます。社員の皆様がどういったお仕事を実際にされているのかもお伺いしたいです。既存社員の中には、メイン事業である消防設備士として消防設備点検の現場に出ている人もいます。先輩社員はOJTが絡んでくるので、実際の現場でどういう設備をどの様に点検するかということを手取り足取り教えるようにしています。現場でお客様と相対してお話しする機会というものは社会人になるまであまり経験がない人が多いと思います。アルバイト経験があっても、1人のビジネスマンとしてお客様に対して「本日はこういう点検をさせていただきます」とか、作業後に「全点検の総括としてはこの様になっています。こういう風にしたほうがいいと思います」とお話しする機会はほとんどなかったのではないでしょうか。そのため、現場で設備に対してどう作業するかというよりは、新卒の子達がお客様とどういう風にお話をして、どういう風に持っていくか、という部分に結構苦労している印象を受けます。なので、実際に先輩社員と現場に出た際には、お客様への報告をお任せしてみて、足りなかったことやできなかったこと、できていたことは社内でフィードバックする様にしています。また、当社ではCSS事業部と呼ばれるお客様サポートや見積もり、問い合わせ対応を行う部署があるのですが、そこに配属された社員もいます。現場仕事の場合は教える内容が比較的わかりやすい傾向にあり、取得すべき資格や知っておくべき設備の情報など、やることがわかりやすいのですが、CSS事業部では先輩社員自身も自分の感覚でずっとやってきたため、上手くできたことできなかったことは誰かに教えるための言語化をあまりしてきていませんでした。実際に、昨年も先輩社員がどう伝えるべきなのかをかなり苦労している状況を目にしましたね。新卒社員側も最初は「何がわからないのかもわからない」といった状態で、「これ聞いていいのかな」とか「これはどうやったらいいのかな」と一人で抱え込んでしまったり、落ち込んでしまったり、上手くいかなかったことを誰に相談すればいいのかわからないといったこともありました。そういう壁を少しずつ乗り越えながら現在はこの課題を改善しつつ育成を行ってい、今に至っているかなと思います。中々上手くいかない部分もありますね。今年は2回目の新卒教育というところで、1年目に上手くいったこと、いかなかったことを振り返りました。ただ、冒頭でお話ししたチームで教育する方針も、やはりどうしても教育チームのリーダーに役割が集中しすぎて、他のメンバーが自分の関わり方や役割を振り返った時に明確に言語化できないことも多くありました。そういった振り返りを活かして、2年目では少し変更したりと試行錯誤しながら教育に落とし込んでいます。未来のビジョンについて————最初今後事業や育成などで茶橋様が取り組んでいこうと考えているビジョンなどがあればお伺いしたいです。まず、新卒採用は最低でも5年続けると社員には伝えているので、これは継続していきたいと考えています。新卒採用はどうしてもお金も時間もかかりますし、即戦力としての採用ではないので教育担当も必要だったりとコストなどを考えるとキリがなく、2,3年で新卒採用を辞める企業さんも多くありますよね。ただ、私の中では新卒採用というものはこれから会社が成長するための必須要素だと思っています。新卒の社員さんから入ってくれる様な会社作りや、新卒採用ができている会社というのが私は必ず必要になってくると思うので、新卒採用は引き続き継続していきたいですし、できれば毎年少しずつ会社の成長に合わせて新卒採用で入社してくれる方が増えていってほしいと感じています。エントリー数に関しても、できれば何百人も応募が来る様な、そういう魅力ある会社にしていきたいというのが目標の1つですね。それを実現するためには魅了付けできる会社である必要があるので、その1つとして、若い社員が入社してこの会社でどの様なビジョンを描いているのかを示す必要があります。これは、事業や会社の変化だけでなく、自分が入社したらこんな会社になっていきそうだなとか、社長がそういうところを目指しているんだなということをしっかりと明示する必要があると感じています。新卒社員の方だけでなく、既存の社員さんたちも働いていてワクワクできる様な未来が描ける会社は非常に魅力的に感じると思うので、実現するためにも今後は新しい事業も展開していきたいです。新規事業としては、今私たちが商業施設やビルなどの建物の点検検査を行っているのですが、ドローンも活用して外壁の調査を行うなど、新たなテクノロジーを活用して点検することなどを考えています。こういったことは若い人たちにも面白そうだなと思ってもらえたり、興味を持ってもらえたりしていますし、他にも今社会問題化している空き家問題などもさらに加速していくと思っているので、商業ビルだけでなく、一軒家の調査も行い、その状況をプロの目線でレポートできる様な事業も展開しようと思っています。また、国内だけでなく、インドなどの海外でインフラに関する新たな事業を立ち上げるなど、幅広い領域での事業展開を視野に入れています。