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コロナ禍を経て、人材育成はどう変わったか

コロナ禍で集合研修が難しくなると、多くの企業で人材育成が止まりました。対面の集合研修に頼りすぎていたことが、その原因です。オンラインと対面を組み合わせる学び方や短時間の学習、社員が自ら選ぶ学習など、その後に広がった5つの手法をたどります。

公開日
2025/05/20
更新日
2026/09/28
読了時間
約 9 分
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
人材育成研修設計テレワーク

2020年初頭から始まった新型コロナウイルスの世界的な流行は、私たちの働き方や生活様式を根本から変えました。特に企業における人材育成の分野では、従来の対面型研修が実施できなくなるなど、大きな変革を余儀なくされました。

コロナ禍をきっかけに、多くの企業が集合研修を中心とした人材育成を見直し、オンライン研修や、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド形式の研修を取り入れました。

しかし、この急激な変化は単なる「オンライン化」にとどまらず、人材育成の本質や目的、手法に関する深い再考を促す機会ともなりました。

コロナ禍で顕在化した従来型人材育成の課題

まずは、コロナ禍によって明らかになった、従来の人材育成における課題を整理します。

集合研修への過度な依存

コロナ以前の日本企業では、新入社員研修や階層別研修など、一定期間、特定の場所に集まって行う「集合研修」が人材育成の中心でした。しかし、感染拡大によってこうした集合研修の実施が困難になると、多くの企業で人材育成活動が停滞するという事態に陥りました。

一方向型コミュニケーションの限界

従来の研修では、講師が一方的に知識を伝達するスタイルが主流でしたが、オンライン環境ではこうした一方向型のコミュニケーションの限界がより顕著になりました。

画一的な研修設計の非効率性

これまでの人材育成では、個人の習熟度や学習スタイルの違いにかかわらず、同じ内容を同じペースで学ぶ画一的な研修が主流でした。しかし、リモートワークの広がりとともに、個人の状況や環境が多様化し、こうした「一律型」の人材育成の限界が露呈しました。

知識偏重型学習の実効性の低さ

コロナ禍によるリモートワークの拡大は、「知識」だけでなく「実践力」や「自律性」の重要性を浮き彫りにしました。従来の知識伝達型の研修だけでは、実際の業務で求められる応用力や問題解決能力の育成が十分でないという課題が、改めて意識されるようになりました。

ブレンド型学習やマイクロラーニングが広がった

ブレンド型学習(ブレンディッドラーニング)の台頭

単なるオンライン化ではなく、オンラインと対面の長所を組み合わせた「ブレンド型学習」が主流になりました。同期型(リアルタイム)と非同期型(オンデマンド)の学習を効果的に組み合わせることで、柔軟性と効果の両立を図るアプローチです。

具体的実践例:

  • 基礎知識はオンデマンド動画で自習
  • ディスカッションやケーススタディはリアルタイムのオンラインセッション
  • スキル実践やネットワーキングは対面の場で実施

マイクロラーニングの普及

長時間の集中が必要な従来型研修から、短時間(5〜15分程度)で完結する学習単位「マイクロラーニング」へのシフトが加速しました。特に在宅勤務環境下での業務と学習の両立を支援する形で普及しています。

具体的実践例:

  • 業務関連知識を2〜3分の動画にまとめたライブラリの構築
  • スマートフォンで学べるショートクイズやフラッシュカード
  • 日々の業務の合間に取り組める「スキルスナック」の提供

自己主導型学習(セルフディレクテッドラーニング)の重視

「企業が提供する研修を受ける」という受動的なスタイルから、従業員自身が学習内容や方法を選択・設計する「自己主導型学習」への移行が進んでいます。リモート環境下で自律性が求められる中、学習においても主体性を重視する傾向が強まっています。

具体的実践例:

  • 個人の興味や業務ニーズに基づいた学習コンテンツのキュレーション
  • 学習目標設定と進捗管理をサポートするツールの提供
  • 学習コンテンツを自由に選べる学習予算や時間の付与

社会的学習(ソーシャルラーニング)の再構築

物理的な接触が制限される中でも、人間同士の相互作用を通じた学びの重要性は変わりません。オンライン環境でも効果的な社会的学習を実現するための新たな手法が開発・導入されています。

具体的実践例:

  • バーチャルコミュニティやテーマ別チャンネルの構築
  • オンラインピアコーチングやメンタリングの制度化
  • 共同プロジェクトベースの学習プログラムの設計

データ駆動型の個別最適化学習

デジタルツールの活用が進む中、学習データの収集・分析が容易になり、それに基づいた個人別の学習最適化が可能になりました。一人ひとりの強み・弱み・学習スタイルに合わせたパーソナライズド学習が広がっています。

具体的実践例:

  • AIを活用した学習プランの自動推奨
  • 個人の習熟度に応じた学習コンテンツの難易度調整
  • リアルタイムのフィードバックとアダプティブラーニングパス

コロナ禍を経た人材育成の進め方の例

コロナ禍で生じた課題に対して、業種ごとにどのような進め方が考えられるか、例を挙げて紹介します。

IT企業での全社的なデジタルスキルの底上げ

課題: コロナ禍によるDX加速に対応するため、全社員のデジタルスキル向上が急務となったが、従来の集合研修では対応できなかった。

アプローチ:

  • 基礎知識のマイクロラーニング化(1日15分×30日プログラム)
  • 部署横断バーチャルラーニングコミュニティの構築
  • 実務に直結したプロジェクト型学習(PBL)の導入

製造業でのグローバル人材育成プログラムの刷新

課題: 世界各地の拠点社員を集めた研修が不可能になり、グローバル人材育成が停滞。

アプローチ:

  • バイリンガル講師によるオンラインライブセッションと録画の併用
  • 国際バーチャルチーム単位での実課題解決プロジェクト
  • グローバルメンターシッププログラムのオンライン化

小売業での現場力強化プログラム

課題: 対面での接客スキル研修ができなくなり、新入社員・異動者の育成が困難に。

アプローチ:

  • VRを活用した接客シミュレーション研修の導入
  • 先輩社員による遠隔コーチングシステムの構築
  • データ分析に基づく個別スキルギャップの可視化と学習推奨

ウィズコロナ・アフターコロナ時代の人材育成戦略

最後に、これからの時代における効果的な人材育成戦略についての提言をまとめます。

テクノロジーと人間性のハイブリッド戦略

テクノロジーの活用と人間同士の深い関わりを両立させる戦略が重要です。

  • AIやVRなどの最新テクノロジーを学習体験の強化に活用
  • 同時に、人間同士の対話や関係構築の場を意図的に設計
  • 対面とオンラインの体験を効果的に組み合わせたジャーニー設計

常時学習(コンティニュアスラーニング)の文化醸成

特定の時期に集中して学ぶのではなく、日常的・継続的に学ぶ文化を構築することが重要です。

  • 日々の業務フローに学習要素を自然に組み込む工夫
  • 学習を個人の責任ではなく組織の優先事項として位置づけ
  • 管理職の役割を「指導者」から「学習促進者」へとシフト

レジリエンスとアダプタビリティの強化

不確実性の高い環境下で求められる、変化への対応力と回復力を重視した人材育成が必要です。

  • 想定外の状況への対応力を鍛えるシナリオベーストレーニング
  • 多様な視点と柔軟な思考を育む部門横断型学習機会の創出
  • 失敗から学ぶ文化を促進する心理的安全性の確保

インパクト重視の学習評価

単なる「研修実施数」や「受講率」ではなく、実際のビジネスへの影響を測定する評価へのシフトが重要です。

  • 行動変容と業績向上を結びつける指標の設定
  • 学習データと業績データを統合した分析基盤の構築
  • リアルタイムフィードバックと継続的改善のサイクル確立

インクルーシブな学習環境の構築

多様な働き方、多様なライフスタイルを持つ従業員全員が参加できる包括的な学習環境が必要です。

  • さまざまな制約(時間、場所、デバイス等)に対応した学習機会の提供
  • 異なる学習スタイルや言語・文化背景に配慮したコンテンツ設計
  • ナレッジギャップを解消するための意図的な介入策の実施

WONDERFUL GROWTHのウィズコロナ時代の人材育成支援

当社WONDERFUL GROWTHでは、コロナ禍の経験を踏まえ、変化する環境に最適化した新しい人材育成プログラムを開発・提供しています。

私たちのプログラムの特徴は以下の3点です:

  1. 研修前から研修後までの一貫した設計:研修前の事前ヒアリングで受講者の当事者意識を高め、研修後3か月間は月次レポートと個別相談で定着を支援します。
  2. 行動の変化までを見据えた4ステージ・プロセス:現状を知る(Aware)、体験して気づく(Immerse)、理論とつなぐ(Connect)、実践を約束する(Commit)の順序で、すべてのプログラムを組み立てています。
  3. 効果の測定:独自のサーベイ(Growth Survey)で、心理的安全性やエンゲージメント、行動の変化を数値で確かめます。

コロナ禍で変化した人材育成の課題にお悩みの企業様は、ぜひ一度WONDERFUL GROWTHの人材育成プログラムをご検討ください。貴社の状況に合わせたカスタマイズプランをご提案いたします。お問い合わせはこちらからお気軽にご連絡ください。

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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Growth Survey は、心理的安全性・エンゲージメント・行動変容を定量化し、組織の現在地を可視化するサーベイです。 まずは3分診断で、おおよその現在地をつかむこともできます。

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