Practice

インターンシッププログラムの設計方法|就業体験を採用・定着につなげる三つの視点

インターンシップの実施率が上昇する一方、就業体験の質を保ち、採用選考や入社後の育成に生かせている企業はまだ多くありません。プログラム設計で押さえておきたい三つの視点を解説します。

公開日
2023/06/06
更新日
2023/06/06
読了時間
5
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
インターンシップインターンシップ設計採用新卒採用

インターンシップの実施率は69.8%まで上昇し、多くの企業が受け入れの経験を重ねています。参加率が伸びるほど、就業体験の質とその後の採用・育成へのつなげ方が問われます。プログラム設計で押さえておきたい三つの視点を解説します。

実施率69.8%の背景にある実施企業の工夫

2027年卒学生向けのインターンシップを対象に、マイナビが2025年12月に「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」を公表しました。同調査によると、インターンシップ・仕事体験を実施した、または実施予定と回答した企業は69.8%にのぼりました。前年調査からは4.1ポイントの増加です。

実施企業の多くは、学生が学業と両立できるよう運営面を工夫しています。同調査では、実施時期に何らかの配慮を行っている企業が94.6%、複数日程を用意する企業が72.4%にのぼりました。大学の休暇期間に合わせて実施する企業も70.9%と高い水準です。

服装を指定してほしいと答えた学生は91.9%にのぼった一方、実際に参加時の服装を指定している企業は52.6%にとどまりました。

実施率という数字の裏側で、運営の細部にはまだ改善の余地が残っています。プログラムを設計する際は、こうした細かな配慮の有無が学生の体験価値を左右する点も踏まえておく必要があります。

採用選考に生かせる情報が増え、設計の重みが増した背景

インターンシップの実施率が高まっている背景には、制度面の変化もあります。政府のインターンシップに関する基本的な考え方が、いわゆる「三省合意」により見直され、一定の要件を満たすインターンシップで得た学生の評価や情報を、採用広報や選考活動に生かせるようになりました。要件には、長期休暇中の実施、開催日数5日以上、日数の半数以上を職場での就業体験にあてることなどが含まれます。

この変更により、インターンシップは会社紹介の場にとどまらず、採用選考の判断材料を得る場としての性格を強めています。人事担当者にとっては、限られた実施回数のなかで学生の適性や意欲を見極める設計そのものが、採用の精度を左右する重要な業務になっています。

プログラム設計で押さえておきたい三つの視点

実施率が上がるほど、企業の差は実施の有無ではなく、参加した学生をその後どうつなげているかに表れます。就業体験の質・選考への接続・入社後の育成という三つの視点から、設計のポイントを整理します。

視点一 就業体験の質を高める

参加人数を増やすことだけを目的にすると、内容が説明会に近いプログラムになりやすく、学生が実務のイメージを持てないまま終わってしまいます。実務に近い課題を用意し、担当社員が個別にフィードバックを行うことで、学生は自分の適性を具体的に確認でき、企業側も見極めの精度を高められます。

確認したいポイント

  • プログラムの中に、実務に近い課題や成果物の作成が含まれているか
  • 参加学生一人ひとりに、担当社員が個別にフィードバックを行っているか
  • 受け入れ現場の社員に、事前の役割説明や簡単な研修を行っているか

視点二 選考への接続を仕組みにする

採用選考に活用できる情報が増えたとはいえ、社内であらかじめルールを定めておかなければ、評価が担当者の主観に偏ったり、学生への説明が不十分になったりするおそれがあります。どの情報を、どの選考段階でどのように使うのかを事前に明文化しておくことが欠かせません。

確認したいポイント

  • インターンシップで得た評価情報を、誰がどの選考段階で参照するのかが明文化されているか
  • 情報の取り扱いについて、参加学生本人への説明と同意取得を行っているか
  • 参加者と非参加者の間で、選考の公平性について社内で説明できる状態になっているか

視点三 入社後の育成に橋渡しする

インターンシップで見えてきた学生一人ひとりの強みや課題は、内定後のフォローや入社後の配属・育成計画に反映してこそ意味を持ちます。採用担当と育成担当との間で情報の引き継ぎがない企業では、せっかくの気づきが入社後に埋もれやすくなります。

確認したいポイント

  • インターンシップでの気づきを、内定者フォローや配属検討の資料として引き継ぐ仕組みがあるか
  • 採用担当と育成・研修担当との間で、定期的に情報共有の場を設けているか
  • 入社後の早期育成計画に、インターンシップ時点で得られた学生理解を反映しているか

まとめ

インターンシップの実施率は69.8%まで上昇し、多くの企業にとって実施の有無はすでに前提になりつつあります。これからの採用力は、就業体験の質・選考への接続・入社後の育成という三つの視点をどこまで具体化できるかで決まります。限られた人事部門のリソースで質を高めるには、外部の知見を取り入れることも有効な選択肢です。

出典:マイナビ「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」(2025年12月22日公表、調査期間2025年11月14日〜11月28日、有効回答1,282社)

資料請求はこちら

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

Next step

記事の内容を、自社に当てはめてみませんか。

Growth Survey は、心理的安全性・エンゲージメント・行動変容を定量化し、組織の現在地を可視化するサーベイです。 まずは3分診断で、おおよその現在地をつかむこともできます。

✦ SHARE with カイシャの育成論

メディアでも、深く発信しています。

自社メディア『SHARE with カイシャの育成論』では、企業インタビューと人事用語辞典を通じて、より深い知見をお届けしています。