Practice

2027年卒インターンシップの実施率が69.8%に上昇|入社後の活躍・定着につなげる三つの設計

2027年卒学生向けインターンシップの実施率は69.8%まで上昇しました。参加率は伸びていますが、体験を入社後の活躍や定着に結びつける設計ができている企業はまだ多くありません。三つの視点から実務のポイントを解説します。

公開日
2026/09/08
更新日
2026/09/08
読了時間
5
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
インターンシップ採用人材育成新卒採用

2027年卒学生向けインターンシップの実施率は69.8%まで上昇しました。参加率は伸びていますが、体験を入社後の活躍や定着に結びつける設計ができている企業はまだ多くありません。三つの視点から実務のポイントを解説します。

インターンシップの実施率は69.8%、前年から4.1ポイント増

マイナビが2025年12月に公表した「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」によると、2027年卒学生向けのインターンシップ・仕事体験を「実施した、または実施予定」と回答した企業は69.8%にのぼりました。前年に調査した2026年卒向けの実施状況より4.1ポイント増加しており、実施率はここ数年で着実に高まっています。

同調査では、学生が学業とインターンシップへの参加を両立できるよう、実施時期に「何らかの配慮を行っている」と回答した企業も94.6%にのぼりました。複数日程を用意する企業が72.4%、大学の休暇期間に合わせて実施する企業が70.9%と、学生の都合に合わせた運営が一般的になっています。

学生の91.9%が「企業から服装を指定してほしい」と回答した一方で、実際に参加時の服装を指定している企業は52.6%にとどまりました。

実施率という数字の裏側で、運営の細部にはまだ改善の余地が残っていることがうかがえます。

採用選考に活用できる情報が増え、インターンシップの位置づけが変わった

インターンシップの実施率が高まっている背景には、制度面の変化もあります。インターンシップに関する政府の基本的な考え方が、いわゆる「三省合意」により見直され、一定の要件を満たすインターンシップで得た学生の評価や情報を、採用広報や選考活動に生かせるようになりました。その要件には、長期休暇中の実施、開催日数5日以上、日数の半数以上を職場での就業体験にあてることなどが含まれます。

この変更を受けて、インターンシップは学生向けの会社紹介の場にとどまらず、採用選考の判断材料を得る場としての性格を強めています。人事担当者にとっては、限られた実施回数の中で学生の適性や意欲を見極める設計そのものが、採用の精度を左右する重要な業務になっています。

「参加させること」で終わらせないための三つの設計

インターンシップの実施率が上がるほど、企業間の差は「実施しているかどうか」ではなく、「参加した学生をその後どうつなげているか」に表れます。ここでは、就業体験の質、採用選考への接続、入社後の育成という三つの観点から、実務のポイントを整理します。

設計一 就業体験の質を設計する

参加者数を増やすことだけを目的にすると、内容が説明会に近いプログラムになりやすく、学生が実務のイメージを持てないまま終わってしまいます。実務に近い課題を用意し、担当社員からのフィードバックを組み込むことで、学生は自分の適性を具体的に確認でき、企業側も見極めの精度を高められます。

実施チェック

  • プログラムの中に、実際の業務に近い課題や成果物の作成が含まれているか
  • 参加学生一人ひとりに対して、担当社員が個別にフィードバックを行っているか
  • 受け入れ現場の社員に対して、事前の役割説明や簡単な研修を行っているか

設計二 情報活用と選考接続の運用を設計する

採用選考に活用できる情報が増えたとはいえ、あらかじめ社内でルールを定めておかなければ、評価が担当者の主観に偏ったり、学生への説明が不十分になったりする恐れがあります。どの情報を、どの選考段階で、どのように使うのかを事前に明文化しておくことが欠かせません。

実施チェック

  • インターンシップで得た評価情報を、誰がどの選考段階で参照するのかが明文化されているか
  • 情報の取り扱いについて、参加学生本人への説明と同意取得を行っているか
  • 参加者と非参加者との間で、選考の公平性について社内で説明できる状態になっているか

設計三 入社後の育成につなげる接続を設計する

インターンシップで見えた学生一人ひとりの強みや課題は、内定後のフォローや入社後の配属・育成計画に生かしてこそ価値を持ちます。採用担当と育成担当の間で情報が引き継がれていない企業では、せっかくの気づきが入社後に埋もれてしまいがちです。

実施チェック

  • インターンシップでの気づきを、内定者フォローや配属検討の資料として引き継ぐ仕組みがあるか
  • 採用担当と教育・研修担当との間で、定期的に情報共有の場を設けているか
  • 入社後の早期育成計画に、インターンシップ時点で得られた学生理解を反映しているか

まとめ

インターンシップの実施率は69.8%まで上昇し、多くの企業にとって「実施するかどうか」はすでに前提になりつつあります。これからの採用力は、就業体験の質、選考への接続ルール、入社後の育成へのつなぎ方という三つの設計をどこまで具体化できるかで決まります。限られた人事部門のリソースで質を高めるには、外部の知見を取り入れることも有効な選択肢です。

出典:マイナビ「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」(2025年12月22日公表、調査期間2025年11月14日〜11月28日、有効回答1,282社)

資料請求はこちら

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

Next step

記事の内容を、自社に当てはめてみませんか。

Growth Survey は、心理的安全性・エンゲージメント・行動変容を定量化し、組織の現在地を可視化するサーベイです。 まずは3分診断で、おおよその現在地をつかむこともできます。

✦ SHARE with カイシャの育成論

メディアでも、深く発信しています。

自社メディア『SHARE with カイシャの育成論』では、企業インタビューと人事用語辞典を通じて、より深い知見をお届けしています。