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目的が曖昧な会議が働きがいを削ぐ最大要因に(45.6%)――成果につながる会議へ変える三つの設計

日本の人事部『人事白書2026』によると、働きがいを損なう慣行の1位は「目的が曖昧な会議や定例会」(45.6%)でした。長時間労働や複雑な承認プロセスを上回るこの結果を踏まえ、会議を成果につなげる三つの設計を解説します。

公開日
2026/08/06
更新日
2026/08/06
読了時間
6
著者
WONDERFUL GROWTH編集部
会議運営働きがいマネジメント組織開発

会議が多くて、本来の業務に手が回らない――多くの人事担当者・管理職が一度は感じたことのある悩みではないでしょうか。日本の人事部が2026年7月に発刊した『人事白書2026』は、この感覚が個々の受け止め方の違いではなく、多くの企業に共通する構造的な課題であることを示しています。本記事では、同白書が示す調査結果を踏まえ、会議を成果につなげる三つの設計を解説します。

「目的が曖昧な会議」が働きがいを最も削ぐ

日本の人事部が2026年7月2日に発刊した『人事白書2026』は、同サイトの正会員である人事担当者・経営者を対象に、2026年3月3日から31日にかけて実施した調査をまとめたものです。5,103社・5,274人(のべ)から回答を得た全165問の大規模調査のうち、「働きがいに悪影響があると思われる慣行」を尋ねた設問で、次の結果が示されました。

働きがいを削ぐ諸悪の根源、1位は「目的が曖昧な会議」
――日本の人事部『人事白書2026』プレスリリースの見出しより

  • 目的が曖昧な会議や定例会:45.6%
  • 恒常的な長時間労働:27.7%
  • 使いづらい社内システム・ITツール:26.1%
  • 過剰な社内報告資料の作成:25.7%
  • 頻繁な組織変更や方針転換:25.7%
  • 過剰な根回し・社内政治:23.0%
  • 複雑な承認プロセス(スタンプラリー):20.7%

恒常的な長時間労働(27.7%)や複雑な承認プロセス(20.7%)よりも、日常的に繰り返される「会議」の目的の曖昧さが働きがいを最も損なっているという結果は、多くの企業にとって見過ごせない示唆を含んでいます。長時間労働や承認プロセスの改善には制度や体制の見直しが必要になる一方、会議の目的を明確にすることは、既存の仕組みを変えなくても、明日の一件から着手できる改善だからです。

働きがい(ワーク・エンゲイジメント)の低下は、単なる気分の問題にとどまりません。厚生労働省の『令和元年版 労働経済の分析』でも、ワーク・エンゲイジメントスコアが高い企業ほど新卒者の定着率が高く、離職率は低い傾向にあることが示されています。目的が曖昧な会議の積み重ねは、日々の業務の中で静かに働きがいを削り、人材の定着にも影響しうる課題だといえます。

なぜ「目的が曖昧な会議」は生まれるのか

会議の目的が曖昧になる背景には、多くの企業に共通する三つの構造があります。

定例化による目的の風化

週次・月次で固定された定例会議は、開催すること自体が目的化しやすく、当初の狙いが担当者の異動や体制変更のたびに曖昧になっていきます。議題が形骸化しても「以前からある会議だから」という理由だけで開催が続き、気づいたときには、何のために続けているのか誰も説明できない会議になっているケースも少なくありません。

「共有」と「決定」の混同

情報共有が目的の会議に、本来は個別の場で判断すべき意思決定事項が持ち込まれると、参加者の役割がはっきりしないまま議論だけが進みます。決める人が定まっていないため、結論が出ないまま次回に持ち越され、同じ議題が何度も蒸し返される事態も起こります。

参加者の過剰な招集

「念のため」「関係するかもしれない」という理由で招集範囲が広がると、当事者以外の参加が常態化します。発言する予定のない参加者が増えるほど、一人ひとりの当事者意識は薄れ、会議全体の目的意識も曖昧になっていきます。

会議を成果につなげる三つの設計

人事白書2026が示すとおり、会議が働きがいに与える負の影響は、時間の長さ以上に「目的の曖昧さ」に起因しています。次の三つの設計は、いずれも新しい制度を導入しなくても、既存の会議から着手できるものです。

設計① 招集時に目的の種類とゴールを明記する

会議を「決定」「共有」「発散(アイデア出し)」のいずれかに分類し、招集の時点でゴールを1行で明示します。目的の種類が変われば、必要な参加者も進め方も変わるため、この分類だけで曖昧さの多くが解消されます。

  • 実施チェック:招集連絡に「本会議の目的:決定/共有/発散」のいずれかを明記しているか
  • 実施チェック:会議で達成したいゴールを1行で書き添えているか

設計② アジェンダと終了条件を会議前に共有する

議題ごとの所要時間に加えて、「何が決まれば終了とするか」という終了条件を会議前に配布します。終了条件を明確にしておけば、話が本題から逸れたときも軌道修正しやすくなります。

  • 実施チェック:開始前の時点で、参加者全員がアジェンダを確認できる状態になっているか
  • 実施チェック:「何が決まれば終了か」という終了条件を議題ごとに設定しているか

設計③ 参加者を「決定者」「実行者」に絞り、共有は非同期に切り替える

意思決定に関与しない情報共有は、議事録やチャットツールでの非同期共有に置き換えます。参加者を意思決定者と実行担当者に絞ることで、一人ひとりの発言機会と当事者意識が高まります。

  • 実施チェック:参加者リストを会議のたびに見直しているか
  • 実施チェック:「聞くだけ」の参加者を非同期共有に切り替えられないか確認しているか

会議の見直しは、管理職育成の実践の場にもなる

会議設計の三つの視点、すなわち目的の明確化、終了条件の設定、参加者の最適化は、いずれも管理職に求められるファシリテーションの基本でもあります。日常的に繰り返される会議を小さな意思決定の練習の場として位置づけ直すことで、特別な研修機会を設けなくても、管理職層は実務の中でマネジメント経験を積み重ねられます。

人事白書2026では、働きがいを削ぐ要因として「目的が曖昧な会議や定例会」に続き、「頻繁な組織変更や方針転換」も25.7%で上位に挙がっています。会議の設計に着手することは、組織変更のような大がかりな改革を伴わずに始められる、働きがい向上への現実的な一歩です。

会議という日常業務を点検することは、コストをかけずに始められる組織開発の入り口です。自社に合った人材育成・組織開発の進め方についてご相談をご希望の方は、下記より資料請求ページへお進みください。

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Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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