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女性活躍推進法の行動計画は、開始日が2026年4月1日で規定が分かれる

改正後の規定が行動計画に適用されるかは、計画期間の開始日で分かれます。男女間賃金差異と女性管理職比率の公表は、事業年度の実績を基準に期限が決まります。自社の計画の開始日と事業年度の末日を並べて確かめます。

公開日
2026/11/02
更新日
2026/11/02
読了時間
約 11 分
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
女性活躍法改正人事データ人事制度

厚生労働省の届出状況(2026年3月末現在)によると、常時雇用する労働者が101人以上の企業51,767社のうち、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を届け出た企業は50,523社(97.6%)でした。多くの企業にはすでに計画があり、2026年4月1日に施行された改正への対応は、計画を新しく作ることより、手元の計画をいつ、どう組み直すかの問題です。分かれ目になるのは、計画期間の開始日が2026年4月1日以降かどうかです。

改正法は2026年4月1日に施行され、省令と指針は2025年12月に出た

改正法は2025年6月11日に公布され、2026年4月1日に施行されました。厚生労働省は、10年の期限延長、情報公表の必須項目の拡大、女性の健康上の特性への配慮の明確化を、改正の内容として示しています。省令と事業主行動計画策定指針は、2025年12月23日に公布・告示されました。

情報公表の必須項目の拡大は、次のとおりです。

  • 男女間賃金差異:これまで301人以上の企業に義務だった公表が、101人以上の企業に広がりました。
  • 女性管理職比率:101人以上の企業の公表義務に、新たに加わりました。

公表する項目の数は、301人以上の企業が男女間賃金差異と女性管理職比率を含む4項目以上、101人から300人の企業が同じ2項目を含む3項目以上です。100人以下の企業は、これらの取組が努力義務です。

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改正後の規定は、計画期間の開始日で適用が分かれる

厚生労働省の「解釈事項」(2026年4月24日改訂、10月1日適用)は、改正法と改正後の省令・指針が適用される行動計画を、計画期間の開始日が2026年4月1日以降のものと答えています。

開始日が2026年3月以前の計画は、そのまま続けてよいか

開始日が2026年4月1日より前の計画には、4月1日以降に計画期間の中で内容を変更しても、改正後の規定は適用されません。次の計画からは、改正後の規定で組みます。計画期間はおおむね2年から5年に区切るため、終わる時期は計画ごとに異なります。

計画の期間を延ばすときは、どう扱うか

変更の内容に計画期間の延長が含まれる場合も、延長後の計画に改正後の規定は適用されません。そのうえで厚生労働省は、期間を延ばす理由や事情を考えて、改正後の状況把握を行うことを検討するよう求めています。

情報公表の期限も、計画の開始日で決まるか

公表は計画の開始日とは別に、事業年度で決まります。初回の男女間賃金差異と女性管理職比率は、改正法の施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表します。厚生労働省の例では、2026年4月末に事業年度が終わる企業はおおむね2026年7月末まで、2026年12月末に終わる企業はおおむね2027年3月末までです。その後も、おおむね1年に1回以上、最新の数値を公表します。

賃金差異を含む基礎項目の把握が、行動計画の土台になる

行動計画は、自社の女性の活躍に関する状況把握と課題分析の結果を踏まえて策定します。状況把握では、まず基礎項目(必ず把握すべき項目)を押さえます。

図解01

賃金差異を含む基礎項目の把握が、行動計画の土台になる

  • 行動計画の記載事項状況把握の結果を踏まえる計画期間・数値目標・取組内容・時期
  • 状況把握の基礎項目原則として直近の事業年度採用・継続勤務・労働時間・管理職・賃金差異
行動計画には、計画期間、数値目標、取組内容、取組の実施時期を盛り込みます。出典:厚生労働省「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!」(令和8年6月版)
  • 採用した労働者に占める女性労働者の割合
  • 男女の平均継続勤務年数の差異
  • 労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況
  • 管理職に占める女性労働者の割合
  • 男女間賃金差異

101人以上の企業は、2026年4月1日から、男女間賃金差異の状況把握が必要になりました。原則として、直近の事業年度について把握します。

男女間賃金差異は、全労働者の1つの数字でよいか

全労働者、正規雇用労働者、パート・有期社員(非正規雇用労働者)の3区分で把握します。賃金は労働基準法第11条の賃金で、賞与なども含みます。退職手当や通勤手当などは企業の判断で除いてもよいとされていますが、その扱いは男女で共通にします。

賃金差異が小さければ、ほかの項目は見なくてよいか

見る必要があります。厚生労働省は、賃金差異が小さい場合でも、管理職比率や平均継続勤務年数には男女の差が生じていることがあると述べています。女性の新規採用を強化すると、相対的に賃金差異が拡大することもあり得ます。数値の大小に終始せず、状況把握と課題分析を改めて行うよう求めています。

賃金差異の要因は、令和7年賃金構造基本統計調査を用いた単純分析で示されています。男性を100としたときの女性の賃金水準は76.6です。役職、勤続年数、労働時間のそれぞれについて、女性の構成が男性と同じだと仮定すると、85.7、79.9、78.5になります。

役職、勤続年数、労働時間は、基礎項目の管理職比率、平均継続勤務年数、労働時間と重なります。賃金差異は単独で読まず、基礎項目と並べて原因を探します。

数値目標は、公表する数字とは別に、計画の中で決める

行動計画には、計画期間、数値目標、取組内容、取組の実施時期を盛り込みます。課題は必須の記載事項ではありません。計画期間は2035年度までの範囲で、おおむね2年から5年に区切り、進捗を検証しながら改定します。

数値目標は、いくつ決めるのか

常時雇用する労働者が301人以上の企業は、女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供と、職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備の区分ごとに、1つ以上の数値目標を決めます。101人から300人の企業は、1つ以上です。数値は実数、割合、倍数のどれでもよく、現状値の記載は必須ではありませんが、記載することが望ましいとされています。

例として、一定の年までに女性管理職数を一定の人数以上にする、女性の採用比率を一定の割合以上にする、といった目標が示されています。

女性管理職の目標は、高いほどよいか

男女雇用機会均等法は、募集・採用・配置・昇進などで女性を男性より優先して取り扱う取組を、女性が全体の4割を下回る雇用管理区分など一定の場合以外は禁じています。数値目標を置くこと自体は違反になりません。ただし、達成するために違法な優遇をせざるを得ない目標は、望ましくないとされています。

厚生労働省は、全労働者に占める女性割合を上回らない範囲で、管理職に占める女性割合の目標を置くことは差し支えないとしています。全労働者に占める女性割合を大幅に上回る目標は、現状の管理職に占める女性割合が4割以上の場合、望ましくないと考えられています。

女性の健康に関する取組は、計画に入れる義務があるか

義務ではありません。改正された事業主行動計画策定指針は、男女の性差を踏まえ、職場における女性の健康上の特性に係る取組が行われることが望ましいとしています。一方で、女性の活躍の推進は女性の健康上の特性に配慮して行われるべきことが、法の基本原則に明記されました。

取組の例として、女性の健康上の特性に関する研修会、不調時や通院などに使える休暇制度、相談しやすい体制づくりが挙げられています。健康に関する情報は、プライバシーの保護に留意が必要です。2026年4月1日からは、女性の健康支援に取り組む企業を認定する「えるぼしプラス」の申請もできます。

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策定や変更のたびに、周知と公表と届出まで終える

策定または変更した計画は、非正社員を含む全ての労働者に周知し、外部に公表します。公表の場は、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」への掲載や、自社のホームページです。続けて、主たる事業所の所在地の都道府県労働局に届け出ます。電子申請、郵送、持参のいずれでもできます。

届出の様式は、2026年10月1日からのものが特集ページに掲載されています。省令に定める必要事項が書かれていれば、ほかの様式でも有効な届出になります。策定と届出は、常時雇用する労働者が101人以上の企業の義務で、100人以下の企業は努力義務です。

情報公表の項目は、計画を作るときに状況把握した項目から選ぶことが基本とされています。必須項目のほかに適切な項目が公表されていれば、状況把握した項目以外でも、法律上の違反にはなりません。

計画の開始日と事業年度の末日を、一枚に並べて確かめる

ここまでの資料から分からないのは、自社の計画の開始日と、事業年度の末日です。この二つで、改正後の規定が計画に適用されるか、公表の期限がいつかが決まります。次の順に、一枚の表にします。

  • 現行の行動計画の計画期間(開始日と終了日)を書き、開始日が2026年4月1日以降かどうかを見ます。
  • 事業年度の末日から、初回の公表の期限(次の事業年度の開始後おおむね3か月以内)を出します。
  • 常時雇用する労働者数を数え、101人以上か、301人以上かを確かめます。
  • 男女間賃金差異を、全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者の3区分で算出します。
  • 数値目標が、301人以上は区分ごと、101人から300人は1つ以上に収まっているかを見ます。

開始日が2026年4月1日より前の計画は、終了の時期から逆算して、次の計画を改正後の規定で組む日程を決めます。

まとめ

行動計画に改正後の規定が適用されるかは、計画期間の開始日が2026年4月1日以降かどうかで分かれます。情報公表は、計画とは別に、事業年度の実績を基準に期限が決まります。計画の開始日、事業年度の末日、常時雇用する労働者数を並べることが、見直しの最初の作業です。

出典:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」(2026年11月2日に確認)特集ページ/厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 女性活躍推進法が改正されました!」(令和8年2月18日改定版)リーフレット/厚生労働省「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!」(令和8年6月版)パンフレット/厚生労働省「状況把握、情報公表、認定基準等における解釈事項について」(令和8年4月24日改訂、令和8年10月1日適用)解釈事項/厚生労働省「女性活躍推進法に係る一般事業主行動計画策定届出状況」(令和8年3月末現在)届出状況

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Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

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