厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」によると、2025年10月1日現在、管理職等に占める女性の割合は、係長相当職が20.9%、課長相当職が13.2%、部長相当職が9.2%でした。階層が上がるほど、女性の割合は低くなっています。全国の数字を眺めるだけでは自社の手は打てないため、自社の人事データで階層ごとに在籍と昇進を数え、全国の数字と並べるところから始めます。
女性の割合は、係長相当職の20.9%から部長相当職の9.2%へ下がる
調査は、常用労働者10人以上の企業を対象にした企業調査で、6,000企業に調査票を送り、3,077企業から回答を得ています(有効回答率51.3%)。結果は2026年7月31日に公表されました。
役職 | 令和7年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|
部長相当職 | 9.2% | 8.7% |
課長相当職 | 13.2% | 12.3% |
係長相当職 | 20.9% | 21.1% |
課長相当職以上(役員を含む) | 13.8% | 13.1% |
前年度と比べると、部長相当職は0.5ポイント、課長相当職は0.9ポイント上がり、係長相当職は0.2ポイント下がりました。どの階層も前年度との差は1ポイント未満で、階層が上がるほど低いという並びは前年度と同じです。
図解01
女性の
- 段階1係長相当20.9%
- 段階2課長相当13.2%
- 段階3部長相当9.2%
女性の管理職がいる企業は、部長相当職で14.7%、課長相当職で23.0%
割合とは別に、女性の管理職が1人でもいる企業の割合も示されています。部長相当職の女性がいる企業は14.7%(前年度は14.6%)、課長相当職の女性がいる企業は23.0%(前年度は22.5%)です。課長相当職以上では54.1%(前年度は54.9%)、係長相当職以上では61.7%(前年度は64.4%)でした。
役職の階層が上がるほど、女性の管理職がいる企業は少なくなります。係長相当職以上に女性がいる企業の割合は、前年度より2.7ポイント下がりました。
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割合の低下は、昇進の前後で何が起きたかまでは示さない
この調査の割合は、調査時点で各役職に在籍している人のうち、女性が占める割合です。係長相当職の20.9%と部長相当職の9.2%は、別々の集団の数字であり、同じ人が係長から部長へ進む間に減った割合を追ったものではありません。昇進した人の割合や、昇進の対象になった人の人数は、この数字からは分かりません。
理由も読み取れません。採用の段階で女性が少ない、途中で退職する、昇進の機会に差がある、本人が昇進を望まない、といった複数の可能性があり、どれが当てはまるかは企業ごとに違います。全国の数字は、自社の階層ごとの割合を比べる物差しとして使い、原因の判断は自社のデータで行います。
自社の階層ごとに、在籍と昇進と手前の層を数える
自社の人事データで、次の表の観点を数えます。全国の数字と同じ役職の区分で出すと、並べて比べられます。
観点 | 数えるもの | 分かること |
|---|---|---|
在籍 | 係長、課長、部長に相当する役職ごとの、女性と男性の人数 | 全国の割合と比べて、割合が下がる階層はどこか |
昇進 | 直近数年に各役職へ昇進した人のうち、女性が占める割合 | 現在の割合の差が、昇進の時点で生まれているか |
昇進の対象 | 昇進の対象になった人のうち、女性が占める割合 | 昇進した人の割合と並べて、対象になる段階で差があるか |
手前の層 | 係長の手前の主任やリーダー相当の層と、管理職候補として育成している人の男女別の人数 | 次の階層へ進む候補の層が、どれだけ厚いか |
年齢と勤続 | 各役職の年齢と勤続年数の分布(男女別) | 階層ごとの差が、年齢構成の違いによるものか |
役職の呼び名は会社ごとに違うため、調査の区分(係長相当職、課長相当職、部長相当職)に自社の役職を当てはめた対応表を、先に作っておきます。
人数が少ない階層は、割合より実数と推移で読む
自社が小規模なら、1人の異動や退職で割合が大きく動きます。部長相当職が3人の会社で女性が1人加われば、割合は0%から33.3%に変わります。人数の少ない階層は、割合に人数を添え、3年から5年の推移で見ます。単年の割合を全国の数字と比べて一喜一憂することは避けます。
結果は、次の順に読みます。
- 係長相当職の時点で全国より女性の割合が低い場合は、昇進の手前、つまり採用、配置、育成の機会を先に確かめます。
- 係長相当職は全国と同程度で、課長相当職で下がる場合は、課長への昇進の基準と、推薦や選抜の進め方を確かめます。
- 課長相当職までは同程度で、部長相当職で下がる場合は、経営幹部候補の選び方と、役員や部長が候補者を知る機会を確かめます。
手を打つ順は、割合が下がる階層の一つ手前から決める
割合が下がる階層が分かったら、その一つ手前の階層の人数と経験を確かめます。たとえば課長相当職で割合が下がるなら、係長相当職の女性が、課長の仕事に近い経験(部下の育成、予算の管理、部門をまたぐ調整など)を積む機会を得ているかどうかを、配置と業務の割り当てから点検します。候補者の層が薄い場合は、昇進の基準より先に、役割の付与、研修、上司との面談といった育成の機会が行き渡っているかを確かめます。
点検の結果は、階層別の割合、全国との差、手を打つ階層の順にまとめて経営層と共有し、翌年の同じ時期に同じ区分で数え直します。同じ区分で数え続けると、施策の前後を比べられます。
まとめ
令和7年度雇用均等基本調査では、女性の割合は係長相当職が20.9%、課長相当職が13.2%、部長相当職が9.2%で、階層が上がるほど低くなっています。ただし、この数字は在籍している人の構成であり、昇進の過程や理由までは示しません。自社の人事データで、在籍、昇進、昇進の対象、手前の層を階層別に数え、割合が下がる階層の一つ手前から手を打つことが、育成の優先順位を決める土台になります。
出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」結果の公表(2026年7月31日公表。2026年10月27日に確認)報道発表資料(PDF)/調査の公表ページ
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Editor’s Note
本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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