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【2026年最新】女性管理職比率の公表が義務化|女性活躍推進法の改正に対応し、女性リーダーを計画的に育てる5つの実践ステップ

2026年4月施行の改正女性活躍推進法で、女性管理職比率と男女間賃金差異の公表が101人以上の企業に拡大されます。女性管理職割合は平均11.1%で頭打ちのなか、公表対応を数字合わせで終わらせず、女性リーダーを計画的に育てる5つの実践ステップを実施チェック付きで解説します。

公開日
2026/06/22
更新日
2026/06/22
読了時間
11
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
女性活躍推進法女性管理職人材育成ダイバーシティ

2025年6月に公布された改正女性活躍推進法により、2026年4月1日から、女性管理職比率と男女間賃金差異の情報公表が、常時雇用する労働者101人以上の企業へと拡大されます。これまで301人以上の企業に限られていた開示の裾野が一気に広がり、自社の女性活躍の実態が外部の目に触れることになります。本記事では、公的調査の数字を手がかりに、公表対応を単なる数字合わせで終わらせず、女性リーダーを計画的に育てる仕組みへと転換するための5つの実践ステップを、各ステップの実施チェックとあわせて解説します。

データで見る、女性管理職「11.1%」という天井

帝国データバンクが2025年8月に公表した「女性登用に対する企業の意識調査」(全国1万626社が回答)によると、管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は平均11.1%でした。過去最高ではあるものの、前年からの上昇幅はわずか0.2ポイントにとどまり、伸びは鈍化しています。さらに、管理職が全員男性という企業は依然として42.3%を占め、役員が全員男性の企業に至っては52.1%と半数を超えています。

規模別に見ると、大企業が平均8.3%と最も低く、中小企業は11.6%、小規模企業は14.3%と、企業規模が小さいほど女性管理職割合が高いという傾向が続いています。業界別では小売が20.1%で最も高い一方、製造や建設は低水準にとどまりました。女性が活躍する土壌は、業種や規模によって大きく異なるのが実情です。

国際比較でも、日本の遅れは際立ちます。世界経済フォーラムが2025年6月に公表した「ジェンダーギャップ指数2025」で、日本は148カ国中118位と、主要7カ国(G7)で最下位でした。とりわけ経済分野は112位、政治分野は125位と低迷しています。

政府は、管理職などの指導的地位に占める女性の割合を「2020年代の可能な限り早期に30%程度」とする目標を掲げています。しかし現実の11.1%との間には、依然として大きな隔たりがあります。

帝国データバンクの調査には、「社内制度を含めて女性の活躍を推進しているが、結婚、出産、パートナーの転勤など、女性が継続して勤務するにはまだまだハードルが高い」(化学品製造)といった現場の声が寄せられています。数字の裏側には、両立の難しさという根深い課題があります。

なぜ「公平な評価」だけでは女性管理職が増えないのか

同じ調査で、女性活躍推進のために企業が取り組んでいることを尋ねたところ、「性別に関わらず成果で評価する」が61.9%でトップ、「性別に関わらず配置・配属する」が51.5%と、機会の平等に関わる項目が上位に並びました。一方で、「キャリア開発・育成の充実」はわずか7.2%、「キャリアに関するモデルケースの提示」は2.8%と、極端に低い水準にとどまっています。

ここに、女性管理職比率が頭打ちになる構造的な理由があります。多くの企業は、評価や配置の入口を平等にすることには取り組んでいます。しかし、その手前にある「候補者を計画的に育てる」工程が抜け落ちているのです。育成という土台がないまま評価の門だけを開いても、そこを通る候補者がそもそも生まれません。

公表義務化は、この空白を可視化します。比率という一つの数字が外部に示されることで、機会は平等にしたが育成には踏み込んでこなかった、という実態が、求職者や取引先の目に明らかになります。だからこそ、公表対応は数値の体裁を整える作業ではなく、育成の仕組みを立て直す好機ととらえる必要があります。

2026年4月施行 改正女性活躍推進法の4つのポイント

2025年6月に関連法が公布され、改正女性活躍推進法のうち情報公表義務の対象拡大などが、2026年4月1日から施行されます。厚生労働省の説明によると、主な改正点は次の4つです。

  • 情報公表項目の拡大:男女間賃金差異の公表義務を常時雇用101人以上の企業に拡大し、女性管理職比率の公表を101人以上の企業に新たに義務付けました。
  • 女性の健康上の特性への配慮:ライフステージに応じた健康上の課題に配慮して推進すべき旨を、基本原則で明確化しました。
  • 法の有効期限の延長:当初2026年3月末までとされていた期限を、2036年3月末まで10年間延長しました。
  • 基本方針へのハラスメント対策の位置付け:政府が定める基本方針の記載事項にハラスメント対策を加え、国の啓発活動を強化します。

公表は、施行後の事業年度の実績を、次年度開始後おおむね3カ月以内に、厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」や自社のホームページなどで行う必要があります。

あわせて押さえておきたいのが、女性活躍推進法が企業に求める行動計画策定の流れです。厚生労働省は、次の4つの手順を示しています。

  • 状況把握・課題分析:女性労働者の割合、男女の平均継続勤務年数の差、労働時間の状況、女性管理職比率などの基礎項目で自社の現状を把握します。
  • 行動計画の策定・周知・公表:数値目標と取組内容、実施時期を盛り込んだ計画を定め、全従業員へ周知し、外部に公表します。
  • 都道府県労働局への届出:策定した行動計画を労働局に届け出ます。
  • 取組の実施・効果測定:目標の達成状況を定期的に点検・評価し、次の計画につなげます。

公表義務を「育成」に変える5つの実践ステップ

ここからは、公表義務への対応を、女性リーダーを継続的に生み出す仕組みづくりへと転換するための具体的な手順を、5つのステップに分けて解説します。各ステップの末尾には、自社の状況を点検するための実施チェックを添えました。

ステップ1 自社の女性活躍状況を「見える化」する

最初に行うべきは、現状の正確な把握です。女性管理職比率や男女間賃金差異だけでなく、採用・配置・昇進・離職の各段階で男女比がどこで大きく変化するか、つまり人材パイプラインのどこで女性が抜けているかを分解して可視化します。どの階層で、どの理由で候補者が減るのかを特定できなければ、有効な打ち手は設計できません。

  • 役職階層別(一般職・係長・課長・部長)の男女比を算出したか。
  • 採用から昇進までの各段階で、女性比率が落ち込む箇所を特定したか。
  • 男女間賃金差異を雇用管理区分ごとに分析し、要因が役職構成にあるのか勤続年数にあるのかを切り分けたか。

ステップ2 行動計画に「育成KPI」を組み込む

行動計画の数値目標を「女性管理職比率を○%にする」という結果指標だけで設定すると、現場は短期的な数合わせに走りがちです。結果指標に加えて、管理職候補者に占める女性の割合、研修受講者の女性比率、1on1の実施率といった、育成の過程を測る先行指標を併せて設定します。先行指標を追うことで、比率という結果が出る前の段階で軌道修正ができます。

  • 結果指標(比率)と先行指標(育成の過程)の両方を設定したか。
  • 各指標に達成期限と責任部署を割り当てたか。
  • 経営層が定期的に進捗を確認し、必要な資源を判断する場を設けたか。

ステップ3 候補者プール(パイプライン)を設計する

女性管理職を探すのではなく、計画的に生み出す発想に切り替えます。次世代の候補者を早期に見極め、必要な経験、たとえばプロジェクトのリーダー、損益への責任、部門をまたぐ異動などを意図的に積ませる育成計画を、一人ひとりに用意します。重要なのは、本人が手を挙げるのを待つのではなく、上司が成長機会を指名して任せることです。昇進を辞退する女性が多いという課題の背景には、自分に務まるという実感を持てる経験の不足があります。

  • 各部門で、管理職候補となる女性をリストアップしたか。
  • 候補者ごとに、不足している経験と、次に用意すべき育成機会を明確にしたか。
  • 育児・介護などのライフイベントと両立できる育成計画になっているか。

ステップ4 候補者と管理職の双方を育てる

候補者本人へのリーダーシップ研修やキャリア開発支援に加えて、登用する側の管理職への働きかけが欠かせません。無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャスバイアスが、配置や評価、日々の声かけの場面で女性の機会を狭めていることは少なくありません。管理職向けのアンコンシャスバイアス研修や、有力者が候補者を引き上げるスポンサーシップ、メンター制度を組み合わせることで、育てる側と育つ側の両輪を回します。前述のとおり、キャリア開発・育成への投資は7.2%と手薄であり、ここに踏み込む企業ほど他社との差を広げられます。

  • 候補者向けに、リーダーシップとキャリア開発の研修機会を用意したか。
  • 管理職向けに、アンコンシャスバイアスを学ぶ研修を実施したか。
  • メンターやスポンサーを公式に割り当てる仕組みがあるか。

ステップ5 両立支援と公表をセットで運用し、改善を回す

どれだけ候補者を育てても、仕事と家庭の両立が困難なままでは、昇進の手前で離職や辞退が起こります。短時間勤務やテレワークなどの柔軟な働き方を管理職にも適用し、管理職になると働き方の自由が失われるという不安を取り除くことが重要です。そのうえで、公表した数値と取組の成果を毎年振り返り、行動計画を更新していきます。公表は到達点ではなく、改善のサイクルを回す出発点です。

  • 管理職層でも柔軟な働き方を選べる制度と運用になっているか。
  • 公表数値と先行指標を毎年確認し、行動計画を更新しているか。
  • 取組の成果と課題を従業員に共有し、納得感を高めているか。

まとめ

2026年4月の改正女性活躍推進法の施行により、女性管理職比率と男女間賃金差異の公表は、101人以上の企業にとって避けて通れない義務となります。しかし、本当に問われているのは数字そのものではなく、その数字を生み出す育成の仕組みです。女性管理職比率が11.1%で頭打ちになっている最大の要因は、機会の平等は進めても、候補者を計画的に育てる工程が空白だったことにあります。公表義務を、自社の育成パイプラインを点検し、立て直す好機ととらえること。それが、人手不足が深刻化するこれからの時代に、多様な人材の力を引き出し、組織を強くする近道です。

主な出典

WONDERFUL GROWTH では、女性リーダーの育成やアンコンシャスバイアスの解消、管理職のマネジメント力向上を支援する研修プログラムをご用意しています。自社の女性活躍推進や管理職パイプラインの設計にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。研修サービスの資料請求・お問い合わせはこちら

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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