厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2026年3月24日公表)では、一般労働者の男女間の賃金格差は、男性を100として76.6でした。前年から0.8ポイント縮まり、比較できる1976年以降で最も小さくなっています。ただし、年齢階級ごとに見ると、20代前半では男女の賃金は近く、30代前半から差が開いていきます。自社でも、平均の差だけで済ませず、年齢と役職に分けて数字を並べる必要があります。
男女間の賃金格差は76.6で、比較できる1976年以降で最小
この調査は、16大産業の民営事業所と公営事業所を対象に、令和7年6月分の賃金などを、令和7年7月に調べたものです。79,321事業所を抽出し、有効回答は59,836事業所(有効回答率75.4%)で、そのうち10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所の52,242事業所を集計しています。
一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の賃金は、男女計で340,600円でした。男性は373,400円、女性は285,900円で、男女間の賃金格差は76.6です。平均年齢は男性が45.2歳、女性が43.2歳、平均勤続年数は男性が14.2年、女性が10.4年となっています。
図解01
男女間の
男性一般労働者
女性一般労働者
- 男性一般労働者
- 女性一般労働者
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 賃金 | 373,400円 | 285,900円 |
| 平均年齢 | 45.2歳 | 43.2歳 |
| 平均勤続年数 | 14.2年 | 10.4年 |
男性の賃金は50代後半まで上がり、女性は40代後半から横ばい
年齢階級別の賃金を男女で並べると、差が開く時期が見えてきます。
年齢階級 | 男性の賃金(千円) | 女性の賃金(千円) |
|---|---|---|
20〜24歳 | 245.7 | 239.6 |
25〜29歳 | 288.0 | 268.8 |
30〜34歳 | 330.4 | 283.2 |
35〜39歳 | 366.2 | 292.4 |
40〜44歳 | 398.2 | 303.6 |
45〜49歳 | 420.7 | 305.7 |
50〜54歳 | 437.5 | 305.4 |
55〜59歳 | 445.6 | 305.7 |
20〜24歳では、男性が245.7千円、女性が239.6千円と近い水準です。30〜34歳になると、男性は330.4千円、女性は283.2千円で、開きが目立つようになります。男性は55〜59歳の445.6千円まで上がり続けます。女性は45〜49歳の305.7千円から、55〜59歳まで300千円台の前半で横ばいです。調査は、男性のほうが全年齢階級で賃金が高いとしています。
役職でも、勤続年数でも、女性の平均は男性より低い
役職別の賃金は、一般労働者のうち雇用期間の定めのない人を対象にしています。
役職 | 男性の賃金(千円) | 女性の賃金(千円) |
|---|---|---|
部長級 | 642.4 | 578.3 |
課長級 | 541.4 | 470.3 |
係長級 | 410.9 | 365.7 |
非役職者 | 332.1 | 280.1 |
どの役職でも、女性の平均は男性を下回っています。非役職者の平均勤続年数は、男性が11.7年、女性が9.7年でした。年齢階級別の賃金は、年齢だけでなく、役職や勤続年数が重なって決まるため、差がどこで生まれるのかは、年齢の表だけでは分かりません。
平均の差から、差が生まれた理由は読み取れない
この調査の数字は、同じ年に、年齢階級や役職ごとの労働者の賃金を並べたものです。一人ひとりの賃金が、年を追ってどう変わったかを追跡したものではありません。役職に就いている人の人数の比率は、確かめた資料の表には示されていません。職種、労働時間、昇進の機会といった、賃金に影響する要素も、この数字からは切り分けられません。
数字が示しているのは、差がどの年齢で、どの役職で、どれだけあるかという位置です。理由を決めつけず、自社の数字で確かめる作業が必要になります。
自社の賃金表を、年齢と役職で男女に分けて並べる
調査の数字と同じ切り口で自社のデータを並べると、差の出どころを絞り込めます。
- 年齢階級別:20代と30代前半で、男女の賃金がどの年齢から離れ始めるかを確かめます。
- 役職別:同じ役職の男女の賃金と、役職に就いている人数の比率を並べます。
- 勤続年数別:同じ勤続年数の男女で、賃金に差があるかを見ます。
- 同じ等級・同じ職種:条件をそろえても差が残る場合は、評価や配置の運用を点検します。
自社の数字は、調査の76.6と比べて高い低いを論じるためのものではありません。差が開く場所を特定し、その場所の評価、配置、育成の仕組みを見直す起点にします。
まとめ
令和7年の男女間の賃金格差は、男性を100として76.6で、比較できる1976年以降で最小でした。一方で、差は30代前半から開き、役職別でも女性の平均は男性を下回っています。自社の賃金表を年齢と役職で男女に分け、差が開く場所を特定することが最初の作業です。
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2026年3月24日公表。令和7(2025)年6月分の賃金。2026年10月12日に確認)厚生労働省の公表ページ
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Editor’s Note
本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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