内閣府の「男女共同参画白書 令和8年版」によると、2025年の女性の年齢階級別正規雇用比率は、25〜29歳の62.8%をピークに下がります。この形がL字カーブです。ところが、女性の就業率は30〜34歳で84.0%、40〜44歳で82.7%と、80%台を保っています。働いている人の割合は大きく変わらず、正規雇用の割合だけが下がっているため、曲線は雇用形態の違いに表れていることになります。自社で確かめる出発点は、年齢帯ごとの雇用形態の内訳と、雇用形態が変わる節目です。
25〜29歳で62.8%のピークに達し、同じ年の就業率は87.4%
正規雇用比率は、「正規の職員・従業員」を15歳以上人口で割った値です(内閣府男女共同参画局「L字カーブの解消に向けて①」、2023年3月)。就業していない人も分母に含まれるため、就業率と並べて読むと、働いている人の中での正規雇用の位置が見えます。2025年の数字は次のとおりです。
年齢階級 | 女性の就業率(%) | 女性の正規雇用比率(%) | 男性の正規雇用比率(%) |
|---|---|---|---|
20〜24歳 | 75.1 | 40.5 | 40.5 |
25〜29歳 | 87.4 | 62.8 | 72.4 |
30〜34歳 | 84.0 | 54.2 | 75.8 |
35〜39歳 | 80.6 | 43.6 | 75.9 |
40〜44歳 | 82.7 | 39.5 | 74.0 |
45〜49歳 | 83.3 | 37.1 | 72.4 |
50〜54歳 | 80.6 | 34.0 | 70.1 |
55〜59歳 | 76.9 | 29.2 | 65.6 |
女性の正規雇用比率は、20〜24歳の40.5%から25〜29歳の62.8%へ上がります。男性は25〜29歳の72.4%から30代の75.8%、75.9%へ上がり、50〜54歳まで70%台を保ちます。
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30代で、就業率は80%台のまま正規雇用比率が43.6%まで下がる
30〜34歳の女性の正規雇用比率は54.2%、35〜39歳は43.6%です。同じ年齢階級の就業率は84.0%と80.6%で、25〜29歳の87.4%から7ポイント以内の動きにとどまります。男性の正規雇用比率は75.8%と75.9%で、女性との差は30〜34歳で21.6ポイント、35〜39歳で32.3ポイントです。
この年代に何が起きているかは、数字からは分かりません。節目に合わせて雇用形態が移る人がいるのか、最初から別の雇用形態で働く人が増えるのかは、自社の記録でしか確かめられません。
40代以降も下がり続け、50代後半は29.2%になる
40〜44歳は39.5%、45〜49歳は37.1%、50〜54歳は34.0%、55〜59歳は29.2%と、年齢が上がるほど低くなります。就業率は40〜44歳の82.7%から55〜59歳の76.9%まで、5.8ポイントの低下にとどまります。
就業率に対する正規雇用比率の割合を、内閣府の数値から編集部で計算すると、25〜29歳は71.9%、40〜44歳は47.8%です。働いている女性のうち、正規の職員・従業員の割合が、20代後半の約7割から、40代前半の5割弱へ下がることになります。ただし、就業者には自営業主や家族従業者なども含まれるため、残りがすべて非正規雇用というわけではありません。
図解01
40代以降も
25〜29歳正規雇用比率の
55〜59歳正規雇用比率は
- 25〜29歳正規雇用比率のピーク 62.8%
- 130〜34歳正規雇用比率は
54.2%就業率は 84.0% - 235〜39歳正規雇用比率は
43.6%就業率は 80.6% - 340〜44歳正規雇用比率は
39.5%就業率は 82.7% - 450〜54歳正規雇用比率は
34.0%就業率は 80.6% - 55〜59歳正規雇用比率は29.2%
断面の数字は、同じ人が雇用形態を変えたかどうかまでは示さない
この数字は、2025年という一つの時点で、年齢階級ごとに並べたものです。40代前半の女性の割合が低いことは、その人たちが20代後半に今より高い割合だったことを意味しません。世代によって、就職した時期の雇用環境も違います。
比率の低下には、正規雇用から別の雇用形態へ移った人、いったん仕事を離れた人、最初から別の雇用形態で働き始めた人が重なり得ます。どの動きが、どの年齢で大きいのかは、この図表からは読み取れません。
自社の女性社員を、年齢帯ごとの雇用形態の内訳で並べる
白書の数字を自社に当てはめるには、まず自社の女性社員の人数を、5歳刻みの年齢帯と雇用形態で表にします。雇用形態は、正社員、無期契約、有期契約、短時間勤務のパートやアルバイトなど、自社の区分のとおりに分けます。表から確かめる点は、次のとおりです。
- 正社員の割合が下がり始める年齢帯と、その前後の人数の動き
- 同じ社員が入社時から現在までにたどった雇用形態の変遷(入社時の区分と、現在の区分)
- 正社員から他の区分へ移った時期と、その前後にあった休業、異動、勤務時間の変更
入社時の区分と現在の区分が、人事の記録から並べられる状態になっていれば、この段階は整っています。区分の変更が記録されていない場合は、記録を残す仕組みを整えることが先になります。
節目で正社員を続けられる選択肢と、戻れる道を用意する
表を見て、正社員から他の区分へ移る人が特定の年齢帯に偏っているなら、その節目に正社員を続けられる選択肢があるかを確かめます。勤務時間や勤務地を限る正社員の区分や、時短勤務、テレワークと正社員の身分の組み合わせなどが選択肢になります。
他の区分から正社員へ戻る道があるかも、同じ表で確かめます。転換制度の応募の条件、実際に転換した人数、転換後の担当業務と賃金を並べると、制度が使われているかが分かります。転換した人がほとんどいないなら、応募の条件と周知のしかたに見直す余地があります。さらに、転換した人が管理職候補の選抜に入っているかも見ておきます。
年齢帯ごとの表に、転換制度の利用者数と転換後の担当業務を書き込める状態になっていれば、見直しの議論を始められます。
まとめ
女性の正規雇用比率は、25〜29歳の62.8%をピークに下がり、55〜59歳では29.2%です。一方、就業率は30〜34歳で84.0%、55〜59歳でも76.9%を保っています。差が表れているのは、働いているかどうかよりも雇用形態です。最初に、自社の女性社員の人数を、年齢帯と雇用形態で表にしてください。
出典:内閣府「男女共同参画白書 令和8年版」2-2図 女性の年齢階級別正規雇用比率(令和7(2025)年。2026年10月30日に確認)白書の該当ページ/内閣府男女共同参画局「L字カーブの解消に向けて①」(2023年3月8日。2026年10月30日に確認)資料
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Editor’s Note
本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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