ストレスチェックは、労働者数50人未満の事業場では、当分の間は努力義務とされてきました。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、50人未満の事業場にも義務となり、施行は令和10年(2028年)4月1日です。厚生労働省の令和7年労働安全衛生調査では、メンタルヘルス対策に取り組む10〜29人の事業所でストレスチェックを実施しているのは55.9%で、準備期間のうちに体制と年間の予定を決めておく必要があります。
50人未満の事業場でも、2028年4月1日からストレスチェックが義務に
ストレスチェックは、事業者が行う職場のメンタルヘルス対策の取り組みです。労働者がストレスに関する選択式の調査票に記入し、自分のストレスの状態を知るための検査で、対象は定期健康診断と同じ、常時使用する労働者です。実施は1年以内ごとに1回とされています。
実施が義務なのは労働者数50人以上の事業場で、50人未満の事業場は、当分の間、努力義務でした。改正法の公布は2025年5月14日で、50人未満の事業場に義務を広げる施行期日は令和10年4月1日です。厚生労働省は、小規模事業場向けの実施マニュアルを令和8年2月に公表しています。
図解01
50人未満の
2025年5月改正法の
2028年4月1日実施が
- 2025年5月改正法の公布 50人未満も義務
- 12026年2月小規模事業場向けの
実施 マニュアルを 公表 - 2施行前実施の
体制を 決める - 3施行前年間の
予定に 組み込む - 2028年4月1日実施が義務になる 1年以内ごとに1回
小規模の事業所で、ストレスチェックの実施は半数台
厚生労働省の令和7年労働安全衛生調査(実態調査)の概況では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所は63.0%でした。そのうち、ストレスチェックを実施している事業所は64.0%です。規模別には、次のように分かれています。なお、調査は事業所の単位で、法律は事業場の単位で定めています。
労働者数 | メンタルヘルス対策に取り組む事業所 | そのうちストレスチェックを実施 |
|---|---|---|
50人以上 | 93.7% | 89.8% |
30〜49人 | 72.0% | 58.4% |
10〜29人 | 54.6% | 55.9% |
50人以上の事業所では、対策に取り組む割合が93.7%、ストレスチェックの実施が89.8%でした。10〜29人の事業所では、対策に取り組む割合が54.6%で、そのうち実施しているのは55.9%です。30〜49人では、対策に取り組む割合が72.0%、実施が58.4%でした。50人未満の事業場は、これから実施の体制を整える必要があります。
休業や退職があった事業所は13.5%、規模が小さいほど割合は低い
同じ調査では、過去1年間(2024年11月1日から2025年10月31日まで)にメンタルヘルス不調で連続1か月以上休業または退職した労働者がいた事業所は、13.5%でした。休業した労働者がいた事業所は10.8%、退職した労働者がいた事業所は6.5%です。
労働者数 | 休業・退職した労働者がいた事業所 |
|---|---|
1,000人以上 | 92.9% |
500〜999人 | 89.7% |
300〜499人 | 82.4% |
100〜299人 | 54.6% |
50〜99人 | 26.8% |
30〜49人 | 18.3% |
10〜29人 | 6.8% |
10〜29人の事業所では6.8%、30〜49人では18.3%で、規模が小さいほど割合は低くなっています。ただし、労働者が少ない職場では、一人の休業や退職が、仕事の分担に及ぼす影響は大きくなります。数字の低さは、備えが不要であることを意味しません。この数字は、休業や退職の理由を示したものでもありません。
準備は、実施の体制と年間の予定を先に決める
施行までは1年半ほどあります。この期間で、次の点を整理しておくと、義務化の時点で慌てずに済みます。
- 実施の体制:誰が実施を担い、結果をどのように扱うかを決めます。具体的な役割は、厚生労働省の小規模事業場向けの実施マニュアルで確かめます。
- 対象者と時期:常時使用する労働者を洗い出し、1年以内ごとに1回実施できるよう、年間の予定に組み込みます。
- 相談先:産業保健総合支援センターは、研修、相談、訪問による導入支援を無料で行っています(徳島の例)。利用できる内容は、管轄の窓口に確かめます。
実施の費用や委託先、結果の扱いの細かな決まりは、マニュアルと管轄の労働局で最新の内容を確かめてください。
結果を職場の改善につなげるところまで見通す
実施すること自体が目的ではありません。令和7年の調査では、ストレスチェックを実施した事業所のうち、部や課などの集団ごとの分析をしたのは74.9%で、分析をした事業所のうち結果を活用したのは78.1%でした。職場環境等の評価と改善(集団分析を含む)に取り組む事業所は、52.8%です。
小規模の事業場では、集団の人数が少なく、分析の方法に工夫が必要になります。結果を、働き方や業務の分担、上司との関わり方の見直しにどうつなげるかも、準備の段階で考えておきます。
まとめ
50人未満の事業場のストレスチェックは、令和10年(2028年)4月1日から義務になります。現状では、メンタルヘルス対策に取り組む10〜29人の事業所のうち、実施しているのは55.9%です。施行までの期間に、実施の体制と年間の予定を決め、結果を職場の改善に使うところまで準備しておくことが、備えになります。
出典:厚生労働省 徳島労働局「ストレスチェック制度」(改正労働安全衛生法の施行期日は令和10年4月1日。2026年10月12日に確認)徳島労働局の公表ページ/厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況」(2026年8月公表。2026年10月12日に確認)厚生労働省の公表ページ
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本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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