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最低賃金の発効日は県ごとに違う、時給の見直しは日付から逆算する

令和8年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,177円となり、発効日は県ごとに10月1日から12月2日までに分かれます。事業場のある県の日付から逆算して、換算の点検、周知、賃金表の見直しを順に進めることが、支払い不足を防ぎます。

公開日
2026/10/16
更新日
2026/10/16
読了時間
約 6 分
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
報酬制度法改正非正規雇用中小企業

令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円となり、前年度の1,121円から56円上がりました。最も高い東京は1,280円、最も低い宮崎は1,085円で、都道府県の間には195円の開きがあります。発効日も県ごとに分かれるため、時給や月給の見直しは、事業場のある県の日付から逆算して進めると確実です。

令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均1,177円(前年度1,121円)で、引上げ額は56円(厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況」2026年9月3日公表)

全国加重平均は1,177円、発効日は10月1日から12月2日まで

厚生労働省が2026年9月3日に公表した答申状況によると、すべての都道府県で改定額が答申されました。引上げ額は、東京、神奈川、大阪の54円から佐賀の65円までの幅があります。国の目安額(Aランク54円、BランクとCランク56円)を上回ったのは33府県、同額は14都道府県でした。

発効日は、答申の時点で次のように予定されています。

  • 10月1日:北海道、東京、愛知、大阪など15都道府県
  • 10月2日から31日:22都道府県
  • 11月:山梨、京都、徳島、愛媛、佐賀、長崎、大分の7府県
  • 12月:岩手と熊本が1日、沖縄が2日の3県

12月2日の沖縄で、すべての都道府県の改定が発効します。別紙には、発効日が答申公示後の異議の申出の状況などによって変わる可能性があると注記されています。日付は、事業場のある県の労働局の公示で確かめます。

図解01

全国加重平均は1,177円、発効日は10月1日から12月2日まで

2026年9月3日すべての都道府県で改定額が答申全国加重平均1,177円

12月2日すべての都道府県の改定が発効沖縄が2日

  1. 2026年9月3日すべての都道府県で改定額が答申 全国加重平均1,177円
  2. 110月1日15都道府県で発効
  3. 210月2日から31日22都道府県で発効
  4. 311月7府県で発効
  5. 412月1日と2日岩手と熊本が1日、沖縄が2日
  6. 12月2日すべての都道府県の改定が発効 沖縄が2日
発効日は、10月1日の15都道府県から12月2日の沖縄まで、県ごとに分かれます。出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況」(2026年9月3日公表。発効日は答申時点の予定)

発効日の前に確かめる、事業場ごとの日付と時間額への換算

複数の県に事業場がある企業では、同じ会社の中で発効日が分かれます。事業場ごとに、所在地の県、発効日、改定後の最低賃金額を一覧にしておくと、給与計算の切り替えを日付の順に進められます。

次に、賃金を時間額に直して最低賃金額と比べます。厚生労働省の最低賃金制度のページが示す比べ方は、次のとおりです。

  • 時間給:時給が最低賃金額(時間額)以上であること
  • 日給:日給を1日の所定労働時間で割った額が、最低賃金額(時間額)以上であること
  • 月給:月給を1か月平均所定労働時間で割った額が、最低賃金額(時間額)以上であること
  • 時給、日給、月給の手当が混ざる場合:各部分を時間額に換算して合計した額が、最低賃金額(時間額)以上であること

比べるときに除く賃金

最低賃金の対象になるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。比べるときは、次の賃金を除きます。

  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  • 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  • 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

手当を含めた総額で比べると、実際には最低賃金を下回っているのに、下回っていないように見えることがあります。事業場ごとの日付の一覧があり、最も低い時給の人でも、これらを除いた時間額が新しい最低賃金額以上であれば、この段階は整っています。

発効日に重なる、周知と給与計算の切り替え

最低賃金法は、最低賃金に達しない賃金を定めた労働契約について、その部分を無効とし、最低賃金と同様の定めをしたものとみなします(第4条)。契約書の時給が旧額のままでも、発効日からは新しい額が適用され、不足があれば差額を支払うことになります。

罰則も定められています。地域別最低賃金を下回る賃金しか支払わなかった場合は50万円以下の罰金(第40条)、最低賃金の概要を作業場の見やすい場所に掲示するなどの周知をしなかった場合は30万円以下の罰金(第41条)です。

発効日には、給与計算システムの時間単価が、その日の勤務分から新しい額に切り替わるかを確かめます。賃金の締め日が発効日をまたぐ月は、切り替えの位置を事前に決めておきます。掲示や配布で周知を済ませ、パートやアルバイトの本人にも新しい時給を伝えます。整ったかどうかは、発効日以降の最初の給与明細で、最も低い時給の人の単価が新しい額になっていることで見極めます。

発効後は、賃金表の段の間の差が縮みやすくなる

最低賃金が上がって時給の最下段が引き上げられても、その上の段が据え置かれたままだと、段の間の差が縮みます。たとえば、新人の時給が最低賃金と同額で、勤続3年目の時給がその50円上だった場合、最低賃金が56円上がって上の段が据え置かれると、新人の時給が勤続3年目の時給を6円上回ります。

見直す対象は、経験年数や職務による時給の差、資格や役割に応じた手当、契約更新のたびに結ぶ労働条件通知書の時給の欄です。隣り合う段で、勤続や職務の違いが時給の差として残っているかどうかが見極めの目安になります。逆転している段があれば、次の契約更新までに直す対象です。

まとめ

最低賃金の改定は、金額を知るだけで終わりません。発効日の前に日付と換算を確かめ、発効日に周知と給与計算を切り替え、発効後に賃金表の差を見直す順に進めると、支払い不足と賃金表のゆがみの両方を防げます。最初の一歩は、事業場のある県の発効日を一覧にすることです。

最低賃金の改定に合わせた賃金表や運用の見直しについて、ご相談があればお気軽にお問い合わせください。

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Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

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