副業を容認する企業は64%で、調査開始以来の最高水準
パーソル総合研究所の「副業の実態・意識に関する定量調査」によると、副業を容認する企業の割合は、2018年の50.9%から、2021年55.0%、2023年60.9%と調査のたびに高くなり、2025年10月に発表された第四回の調査では、調査開始以来の最高水準となる64%程度に達しました。副業人材を受け入れている企業の割合も、2023年の24.4%から2025年には29%程度まで広がっています。
副業を容認する企業の割合は過去最高となり、全面容認(ルールや制限なく副業を認める企業)の割合は2018年の約2倍に伸びている(パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」2025年10月28日発表)
正社員の副業実施率も11.0%となり、過去最高でした。2023年の調査から4.0ポイント上がっています。副業は、容認する企業にとっても、実際に行う社員にとっても、珍しい働き方ではなくなりつつあります。
図解01
副業を
- 2018年50.9%
- 2021年55.0%
- 2023年60.9%
- 2025年64%
記号1つが10%(副業を容認する企業の割合)
容認が進んでも、労働時間を合算する義務は残っている
副業の容認が広がると、「あとは本人の自己管理に任せればよい」と考えがちです。しかし、労働基準法第38条は、働く場所が複数であっても、労働時間を通算して管理することを企業に求めています。時間外労働の上限や割増賃金の計算は、本業と副業の労働時間を合わせて判断する決まりであり、容認する企業が増えたからといって、この義務そのものが軽くなったわけではありません。
45時間を超える人の半数以上が、副業を申告していない
パーソル総合研究所の同じ調査では、本業の残業と副業の活動時間を合わせて月45時間を超える人が3割を超え、そのうちの半数以上が、副業をしていることを本業先に申告していないという結果が出ています。副業の活動時間は平均で月23.0時間にのぼります。企業が申告を求めていても、申告されなければ、労働時間を通算して把握する仕組み自体が働きません。
見直しの議論は進むが、実施時期は未定のまま
厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」(座長:東京大学大学院 荒木尚志教授)は、2025年1月に公表した報告書で、割増賃金規制のうち副業・兼業の場合の扱いを論点の一つに挙げました。事業主が異なる場合の割増賃金の計算について、労働時間を通算する現行の扱いを見直す方向性が示される一方、長時間労働による健康障害を防ぐための労働時間の把握と通算は維持する考え方が併せて示されています。
ただし、この報告書は見直しの方向性を示したものであり、労働基準法の改正と、その施行の時期は、2026年10月時点で確定していません。割増賃金の通算が将来見直される可能性があるとしても、今の時点で企業が従うべき決まりは変わっていません。
見直しを待たず、申告と把握の運用を点検する
割増賃金の通算をめぐる制度の行方を見極めるまでの間も、企業には現行法のもとで労働時間を把握する責任があります。副業の申告を就業規則で求めるだけでなく、申告がどこまで実態と合っているかを確かめることが欠かせません。あわせて、健康確保の観点から、申告の有無にかかわらず、長時間労働の兆候が見える社員には声をかける体制を整えておくことが望まれます。
副業を容認する企業の割合が過去最高に達した今は、容認するかしないかの議論から、容認した後の運用を点検する段階に移っています。
まとめ
副業を容認する企業は64%程度まで増え、受け入れる企業も29%程度に広がりました。一方で、労働時間を通算して管理する企業の義務は、現行法のもとで変わっていません。残業と副業を合わせて月45時間を超える人の半数以上が申告していないという実態がある以上、制度の見直しを待つのではなく、申告の運用と健康確保の体制を今から点検することが次の一歩です。
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本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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