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サイボウズに学ぶ、離職率28%からの組織づくり

サイボウズの離職率改善は、一つの制度ではなく、十数年かけて重ねた複数の制度の成果です。働き方を選べる人事制度を土台に在宅勤務などを加え、離職率は3%から5%程度まで下がったと報告されています。自社では、どの層のどんな不満が離職につながっているかを見極め、一つの制度から始めることが出発点です。

公開日
2026/09/28
更新日
2026/09/28
読了時間
約 5 分
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
離職防止企業事例人事制度働き方改革

厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年8月26日公表)によれば、常用労働者全体の離職率は14.2%でした。一般労働者に限ると11.5%、パートタイム労働者では21.4%です。全国平均でもこの水準にある中、これを大きく上回る離職率から出発し、独自の人事制度を段階的に重ねることで改善した企業があります。サイボウズ株式会社です。

2005年頃、離職率は28%に達していた

サイボウズは2005年頃、離職率が28%に達していました。同社が自社で運営するメディア「THE HYBRID WORK」で公開している経緯によれば、当時は売上が伸び悩み、採用も難航していた時期だったといいます。

厚生労働省の調査でも、パートタイム労働者の離職率は21.4%に達しており、平均的な水準ですら決して低くはないことがわかります。サイボウズの28%は、その平均をさらに大きく超える水準にありました。

選択型人事制度を起点とした、段階的な制度の積み重ね

サイボウズの改革は、一度の制度変更で完結したものではありません。同社の公開情報によれば、次のように段階を踏んで積み重ねられています。

  • 2007年、人生の出来事に合わせて働き方をいつでも変更できる「選択型人事制度」を導入
  • 2010年に在宅勤務を試験導入し、2011年の東日本大震災を契機に在宅勤務を本格的に定着させる
  • 2013年、上司への申告だけで突発的な在宅勤務ができる「ウルトラワーク制度」を試験導入
  • 2018年、一人ひとりが働き方を宣言する「新・働き方宣言制度」を開始し、「100人100通りの働き方」を掲げる

同社の公開情報に掲載されたグラフ(1997年から2021年までのサイボウズの離職率の推移)によれば、これらの積み重ねを経て、離職率は3%から5%程度まで低下したと報告されています。十数年にわたる段階的な取り組みの結果であることが読み取れます。

複数の制度の組み合わせと、震災を機にした見直しが効いた

この事例から読み取れるのは、単一の制度が離職率を下げたのではなく、複数の制度が積み重なって機能した点です。「選択型人事制度」で働き方を選べる土台をつくり、その後にテレワークという手段を加え、最後に「宣言」という個人の意思表示の仕組みを重ねています。土台となる制度がないまま手段だけを導入しても、個人が働き方を選ぶ実感にはつながりにくいと考えられます。

もう一つの条件は、危機を制度の見直しにつなげた点です。東日本大震災という外部要因を、在宅勤務の本格導入という内部の変化に転換しています。制度の導入時期が当初の計画どおりとは限らず、外部の出来事を契機にした面があることも、この事例の特徴です。

制度をそのまま移さず、定着を確かめて次へ進む

サイボウズの制度をそのまま自社に移植しても、同じ効果が得られるとは限りません。同社の制度は、ソフトウェア開発という職種特性や、2007年から2018年まで10年以上にわたって段階的に制度を積み重ねてきた経緯を前提にしています。自社で取り入れる際は、まず自社の離職率が業種平均と比べてどの水準にあるかを確かめ、次にどの層のどのような不満が離職につながっているのかを見極めることが出発点になります。

制度は一度にすべてをそろえる必要はありません。サイボウズも十数年をかけて段階的に制度を重ねています。自社の状況に合わせてまず一つの制度から始め、定着を確かめながら次の制度に進む進め方が、再現性を高めると考えられます。

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出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年8月26日公表)/サイボウズ株式会社公式メディア「THE HYBRID WORK」掲載記事「離職率28%、採用難、売上低迷。ボロボロから挑んだサイボウズのハイブリッドワーク10年史」(記事内グラフの対象期間は1997年から2021年、参照日:2026年9月28日)

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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