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新任管理職研修の設計方法|昇進者の75.7%が抱える不安に応える5つの実践ステップ

管理職への昇進に前向きな人は76.7%です。しかし75.7%が不安を感じ、最も多いのは部下の育成やマネジメントでした。新任管理職研修の実施率は89.7%まで高まっていますが、内容が実態に合わなければ不安は解消されません。本記事は、昇進前後の不安に応える研修設計を5つの実践ステップで解説します。

公開日
2026/09/27
更新日
2026/09/27
読了時間
約 5 分
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
新任管理職研修部下育成マネジメント研修

「管理職に昇進したい」と考える人は76.7%にのぼります。しかし同時に、75.7%が昇進に不安を感じており、その内容で最も多いのは「部下の育成やマネジメント」でした(株式会社ワークポート調査、2026年4月)。企業の側は、新任管理職研修の実施率をすでに89.7%まで高めています(一般財団法人労務行政研究所調査、2024年)。研修は行われているのに、昇進者の不安は解消されていません。この記事では、両調査のデータをもとに、新任管理職研修を実際に機能させるための5つの実践ステップを解説します。

データが示す「実施率は高いのに、不安は解消されない」現実

まず、二つの調査から現状を確認します。

株式会社ワークポートが2026年4月21日から28日にかけて実施した調査(全国のビジネスパーソン588人が対象)では、管理職への昇進意欲について「積極的にしたい」が31.8%、「機会があればしたい」が44.9%で、合わせて76.7%が昇進に前向きでした。一方、昇進に「不安をとても感じる」が32.5%、「やや感じる」が43.2%で、合わせて75.7%が不安を抱えています。不安の内容(複数回答)は、「成果責任・業務量の増加」が70.1%で最も多く、次いで「上司と部下の板挟み」が47.4%、「部下の育成やマネジメント」が43.4%でした。

一方、一般財団法人労務行政研究所が2024年5月22日から6月4日にかけて実施した調査(有効回答271社)では、「新任管理職研修」を実施している企業は89.7%にのぼります。これは、新入社員研修の97.7%に次いで高い実施率です。

二つの調査を重ねると、企業の9割近くが新任管理職研修を用意しているにもかかわらず、昇進者の4人に3人が不安を抱えたまま管理職としての業務を始めている現実が見えてきます。

新任管理職研修が機能しにくい理由

研修の実施の有無だけでは、この不安は説明できません。ワークポートの調査が示す不安の内訳(成果責任・業務量の増加、上司と部下の板挟み、部下の育成やマネジメント)は、いずれも役職への理解を深める研修ではなく、日々の業務で直面する具体的な技術に関わる内容です。多くの新任管理職研修が「管理職の役割とは何か」という理解の醸成を中心に設計されており、部下育成の具体的な技術や、上司と部下の間で板挟みになったときの対処法にまで踏み込めていない場合、実施率の高さと不安の大きさが同時に成立してしまいます。

加えて、研修の実施時期も影響します。着任と同時か、着任後しばらくしてからまとめて研修を行う設計では、着任直後の数週間に生じる戸惑いに研修が間に合いません。

新任管理職研修を機能させる5つの実践ステップ

ここでは、二つの調査が示す不安の内容に直接応える形で、新任管理職研修を設計する5つのステップを、実施チェックとともに示します。

ステップ1 内示の直後から研修を始める

着任してから研修を組むのではなく、昇進の内示が出た時点で研修の一部(役割説明や個別面談など)に着手します。着任前に管理職としての心づもりを整える時間を確保することで、着任直後の不安が業務の停滞につながることを防ぎます。

  • 実施チェック:内示から着任までの期間に、最低1回の個別面談を設定しているか。

ステップ2 「プレイヤーからマネージャーへ」の役割転換を最初に扱う

研修の冒頭で、成果の出し方が自分が動くことから部下を通じて動かすことに変わる点を明確に伝えます。評価基準や時間の使い方が変わることを具体的な業務例で示し、これまでの働き方をそのまま延長すると機能しない理由を理解してもらいます。

  • 実施チェック:評価基準の変化(個人成果から部下育成・組織成果へ)を、資料や事例で具体的に示しているか。

ステップ3 部下育成の技術を、具体的なスキルとして教える

「部下の育成やマネジメント」への不安(43.4%)に直接応えるステップです。フィードバックの伝え方、1on1ミーティングの進め方、目標設定の仕方など、部下育成に関わる技術を、心構えではなく手順として教えます。ロールプレイを取り入れ、実際の場面を想定した練習の機会を設けます。

  • 実施チェック:フィードバックや1on1の進め方について、ロールプレイなど実践形式の演習を含んでいるか。

ステップ4 上司と部下の間で板挟みになったときの対処法を扱う

「上司と部下の板挟み」への不安(47.4%)に応えるステップです。上位者への報告や交渉の仕方、部下の要望と組織の方針が食い違ったときの調整の仕方を、実際に起こりやすい事例を用いて扱います。新任管理職が一人で抱え込まないよう、相談できる上位者またはメンターをあらかじめ指定します。

  • 実施チェック:新任管理職ごとに、相談先となる上位者またはメンターを指定しているか。

ステップ5 着任後3か月と6か月にフォローアップする

研修を一度で終わらせず、着任後3か月と6か月の節目でフォローアップの機会を設けます。その時点で生じている具体的な悩みを共有し、必要であれば個別の支援につなげます。単発の研修では解消しきれない不安に、着任後も継続して向き合う体制をつくります。

  • 実施チェック:着任後3か月、6か月の時点で、フォローアップの面談または研修を実施する予定になっているか。

まとめ

新任管理職研修の実施率は89.7%まで高まりましたが、昇進者の75.7%は依然として不安を抱えています。実施すること自体はすでに達成されているため、次に必要なのは、不安の内容(業務量の増加、上司と部下の板挟み、部下の育成)に直接応える内容へと研修を設計し直すことです。5つの実践ステップを一つずつ確認し、自社の新任管理職研修を見直してみてください。

新任管理職研修の設計や、階層別研修の見直しについては、お気軽にご相談ください。資料請求はこちら

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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