就職活動で生成AIを使った学生は、2026年時点で6割前後に上ります。採用選考で問うべきは、AIを使ったかどうかではなく、その出力にどう手を加え、何を判断したかです。
生成AIでのES作成は、大多数の学生がすでに経験している
株式会社ベイジが2026年6月9日から12日にかけて、2024年から2026年に入社した若手社員434名を対象に実施した調査によると、就職活動で生成AIを利用した経験がある人は58.1%(252名)でした。入社年別では、2024年入社が約48%、2025年入社が約64%、2026年入社が約70%と、年を追うごとに利用率が上がっています。
マイナビが2026年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象に行った調査でも、就職活動で生成AIを利用した経験がある人は67%に上っています。生成AIを使う学生は、もはや一部の例外ではなく、多数派になっています。
ChatGPTを中心に、自己PRや志望動機の下書きに使われている
ベイジの調査で、利用したサービスは「ChatGPT」が73.8%と最も多く、「Gemini」27.0%、「Copilot」26.2%が続きました。生成AIを利用した学生のうち、エントリーシートなど文書作成の場面で使った人は85%(215名)に上ります。具体的な活用場面は次のとおりです。
- 自己PR作成・添削:44.8%
- 志望動機作成・添削:42.1%
- 履歴書作成・添削:42.1%
出力の使い方は、一部を修正して使う人が39.5%、やり取りを重ねて精度を高める人が31.6%、そのまま使う人が18.1%でした。8割以上の学生が何らかの形で手を加えており、出力をそのまま提出する学生は少数にとどまります。
見た目の完成度だけでは、書き手の思考力までは測れない
マイナビの調査を受けた報道では、企業から「エントリーシートの内容が画一的になり、個性や思考力を見極めにくくなった」という声が上がっていることが伝えられています(人事のプロを支援するHRPro)。一部の企業では、書類選考を取りやめて応募者全員と面接する動きも出ています。
生成AIが得意とするのは、整った文章に仕上げることです。学生の多くがその出力に手を加えて提出している以上、文章の完成度だけで思考力や主体性を判断することは難しくなっています。判断の材料を、書類の文面から、面接でのやり取りに移す必要があります。
AIの使用の有無ではなく、深掘りで思考力を確かめる評価へ
採用の現場で問うべきは、生成AIを使ったかどうかではありません。生成AIが出した下書きを、どのように読み直し、どこを直し、何を根拠に判断したかです。
面接では、エントリーシートに書かれたエピソードについて「なぜそう考えたのか」「他にどんな選択肢を検討したのか」を、その場で掘り下げて聞くことが有効です。生成AIが用意した答えをそのまま話す学生と、自分の経験から答える学生とでは、深掘りに対する応答の厚みに差が出ます。
評価基準そのものも、文章の完成度から、思考の過程を説明する力や、状況に応じて判断を変える柔軟さに重心を移すことが求められます。
まとめ
生成AIを使う学生は、2026年時点ですでに多数派です。企業に求められているのは、AIの使用を禁じることではなく、選考の見極め方を、書類の完成度から本人の思考の過程へと移すことです。
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Editor’s Note
本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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