国土交通省の「令和7年度テレワーク人口実態調査」(2026年3月24日公表)によると、雇用型の就業者のうちテレワークをしたことがある人は25.2%でした。コロナ禍の後に減り続けた割合は、令和7年度に増加へ転じています。ただし25.2%は全体の平均で、業種、地域、性別、勤務先の制度の有無によって、割合は大きく分かれます。人事が見るべきなのは、制度を導入したかどうかよりも、制度がある職場で誰が使えているかです。
雇用型テレワーカーは25.2%、直近1年間の実施率は16.8%
この調査は、WEB調査に登録している15歳以上の就業者約60万人に調査票を配り、40,000人から回答を得たものです。実施期間は2025年10月24日から11月4日で、内訳は雇用型が36,391人、自営型が3,609人でした。調査でテレワーカーとは、これまでにテレワークをしたことがある人を指します。直近1年間にテレワークを実施した人の割合は16.8%で、前年度の15.6%から1.2ポイント増えました。
雇用型テレワーカーの割合の推移は、次のとおりです。
年度 | 雇用型テレワーカーの割合 |
|---|---|
令和元年度 | 14.8% |
令和2年度 | 23.0% |
令和3年度 | 27.0% |
令和4年度 | 26.1% |
令和5年度 | 24.8% |
令和6年度 | 24.6% |
令和7年度 | 25.2% |
令和3年度の27.0%から下がり続けた割合は、令和7年度に25.2%へ上がりました。令和元年度の14.8%と比べると、なお高い水準です。「これまでにしたことがある人」の割合なので、直近1年間の実施率より高く出ます。数字を読むときは、どちらの割合かを先に確かめてください。
制度等がある職場の就業者でも、実施経験があるのは64.8%
雇用型の就業者のうち、勤務先にテレワーク制度等があると答えた人は34.1%でした。そのうち、テレワークをしたことがある人は64.8%です。制度等がある勤務先でも、実施したことがない人が一定数います。
この調査の「制度等」には、制度がなくても会社や上司がテレワークを認めている場合が含まれます。規程の有無で分けた数字ではなく、認められている状態かどうかで分けた数字です。雇用型の就業者全体で並べると、次のようになります。
区分 | 割合 | 人数 |
|---|---|---|
制度等のある雇用型テレワーカー | 22.1% | 8,038人 |
制度等のない雇用型テレワーカー | 3.1% | 1,140人 |
雇用型非テレワーカー | 74.8% | 27,213人 |
制度等のない3.1%は、勤務先に制度も、会社や上司の了解もない状態で、テレワークをしたことがある人と読めます。こうした制度の外のテレワークは、勤務時間の把握や情報の扱いのルールが決まっているかを、自社で確かめておく必要があります。
図解01
制度等がある
雇用型
制度等がある
実施経験
制度等のある
雇用型制度等がある実施経験
制度等のある
- 1制度等の
範囲を 確かめる規程にない 形で 認めている 運用が 混ざっていないか - 2利用者の
分布を 並べる部署、 職種、 年代、 性別、 雇用形態ごとの 割合 - 3利用しない
理由を 聞く業務の 性質、 上司の 判断、 本人の 希望、 自宅の 環境
業種は6.0%から74.1%、地域と性別でも差がある
令和7年度の雇用型テレワーカーの割合を属性別に並べると、次のとおりです。
区分 | 項目 | 雇用型テレワーカーの割合 |
|---|---|---|
業種 | 情報通信業 | 74.1% |
業種 | 学術研究、専門・技術サービス業 | 54.0% |
業種 | 医療・福祉 | 6.4% |
業種 | 宿泊業・飲食業 | 6.0% |
地域 | 首都圏 | 37.7% |
地域 | 近畿圏 | 25.0% |
地域 | 中京圏 | 22.8% |
地域 | 地方都市圏 | 17.2% |
性別 | 男性 | 31.7% |
性別 | 女性 | 17.8% |
地域の区分は、首都圏が東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、中京圏が愛知県、岐阜県、三重県、近畿圏が京都府、大阪府、兵庫県、奈良県で、地方都市圏はそれ以外の道県です。首都圏の雇用型は、令和2年度以降、3割を超える水準が続いています。
情報通信業のように業務をパソコンで進めやすい業種で高く、宿泊業や飲食業、医療や福祉のように対面での仕事が中心になりやすい業種で低いことは、想像しやすい結果です。ただし、数字から分かるのは割合の差までで、その理由までは分かりません。
割合の差から、使えなかった人の有無は読み取れない
割合が低いことは、使いたい人が使えていないことと同じではありません。業務の性質上、テレワークの必要がない人が多いだけかもしれません。反対に、同じ業務でも上司の判断や職場の雰囲気によって、使いにくくなっている場合があります。全国の割合や自社の割合を見るだけでは、この二つは見分けられません。
全国の割合との比較は、自社の位置を知る手がかりにとどめます。使えなかった人がいるかどうかは、自社のデータと聞き取りで確かめます。
利用者の分布を属性別に並べ、利用しない理由を聞く
自社の点検は、次の観点で進めます。
観点 | 確かめること | 使う自社のデータ |
|---|---|---|
制度等の範囲を確かめる | 対象の部署、職種、雇用形態が規程で決まっているか。規程にない形で認めている運用が混ざっていないか | 就業規則、テレワーク規程、申請の記録 |
利用者の分布を並べる | 部署、職種、年代、性別、雇用形態ごとの、直近1年間の利用者の割合 | 申請の記録、勤怠データ |
利用しない理由を聞く | 業務の性質、上司の判断、本人の希望、自宅の環境のうち、どれが多いか | 従業員への調査、上司への聞き取り |
制度外の利用を把握する | 規程にない形でテレワークをしている人の有無と、そのときの勤務時間や情報の扱いのルール | 勤怠データ、上司への聞き取り |
聞き取りの相手は、利用している人だけでなく、利用していない人にも広げます。利用していない人の声には、制度の周知が足りないのか、上司に言い出しにくいのか、業務上必要がないのかといった違いが表れます。
同じ業務なのに部署で差がある場所から手を付ける
点検の結果は、差の理由によって打ち手が変わります。
- 業務が同じなのに部署で利用に差がある場合は、上司の判断の違いが疑われます。認める基準を文章にして、全部署に伝えます。
- 業務の性質で差がある場合は、割合を無理にそろえません。時差出勤や短時間勤務など、その業務で使える柔軟な働き方があるかを確かめます。
- 制度外で利用している人がいる場合は、規程に位置づけるか、利用の条件と勤務時間の把握方法を決めます。
見直したあとは、半年から1年ほどを目安に、同じ並べ方で利用者の分布を取り直します。部署の間の差が縮まっていれば、基準が伝わり始めています。縮まらない部署は、利用しない理由の聞き取りに戻ります。
まとめ
令和7年度の雇用型テレワーカーの割合は25.2%で、業種で見ると6.0%から74.1%まで開いています。勤務先に制度等がある人でも、実施したことがあるのは64.8%でした。自社では、制度等の範囲、利用者の分布、利用しない理由の順に並べ、差が業務によるものか、運用によるものかを見分けることから始めます。
出典:国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査」(2026年3月24日公表。調査は2025年10月24日から11月4日、有効サンプル40,000人。2026年10月13日に確認)国土交通省の公表ページ
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Editor’s Note
本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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