Insights

男性育休の取得率が5割を超えても、定着したとは言い切れない

厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査で、男性の育児休業取得率は50.9%となり、前年度の40.5%から上がりました。復職した男性の取得期間は1か月未満が約半数を占め、取得率だけでは休み方の中身が分かりません。取得率と取得期間を並べて見ることが、自社の現状をつかむ入口になります。

公開日
2026/10/26
更新日
2026/10/26
読了時間
約 6 分
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
育児休業両立支援人事データダイバーシティ

厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」によると、2025年10月1日現在で、男性の育児休業取得率は50.9%でした。取得率が上がったことと、育児休業が職場に根づいたことは、同じではありません。同じ調査には、復職した男性の取得期間の分布も載っています。取得率に取得期間を添えて見ることが、自社の現状を判断する出発点になります。

男性の育児休業取得率は50.9%、前年度から10.4ポイント上がった

取得率は、2023年10月1日から2024年9月30日までに配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人(開始予定の申出をしている人を含む)の割合です。男性は50.9%で、前年度の40.5%を10.4ポイント上回りました。女性は88.3%で、前年度は86.6%でした。有期契約労働者の男性は40.4%で、前年度の33.2%から7.2ポイント上がっています。

調査は、常用労働者5人以上の事業所を対象にした事業所調査で、6,300事業所に調査票を送り、3,291事業所から回答を得ています(有効回答率52.2%)。結果は2026年7月31日に公表されました。

広告

復職した男性の取得期間は、1か月未満が約半数を占める

同じ調査には、育児休業を終えて復職した男性の取得期間の分布があります。対象は、2024年4月1日から2025年3月31日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を終えて復職した人です。

取得期間

復職した男性の割合

5日未満

6.8%

5日〜2週間未満

14.1%

2週間〜1か月未満

28.0%

1か月〜3か月未満

30.3%

3か月〜6か月未満

10.1%

6か月〜8か月未満

5.2%

8か月〜10か月未満

1.1%

10か月〜12か月未満

2.4%

12か月〜18か月未満

1.8%

18か月以上の各区分と不明は、いずれも0.1%でした。5日未満、5日〜2週間未満、2週間〜1か月未満の区分を合わせると48.9%になり、復職した男性の約半数は、1か月に満たない期間で職場に戻っています。女性は、12か月〜18か月未満が31.4%、10か月〜12か月未満が28.7%で、男性とは取得期間の山の位置が大きく異なります。

図解01

復職した男性の取得期間は、1か月未満が約半数を占める

  • 5日未満6.8%
  • 5日〜2週間未満14.1%
  • 2週間〜1か月未満28.0%
  • 1か月〜3か月未満30.3%
  • 3か月〜6か月未満10.1%

記号1つが10%(育児休業を終えて復職した男性の割合)

5日未満、5日〜2週間未満、2週間〜1か月未満の区分を合わせると48.9%になります。出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」事業所調査(2026年7月31日公表。2024年4月1日から2025年3月31日に育児休業を終えて復職した男性)

産後パパ育休を使った人は、育児休業を取った男性の58.3%

産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に、最大4週間まで取れる制度です。調査では、育児休業を取った男性のうち産後パパ育休を取得した人が58.3%で、前年度の60.6%から2.3ポイント下がりました。産後パパ育休の規定がある事業所のうち、取得できる期間を「4週間(法定どおり)」としている事業所は93.8%です。

取得期間の分布は産後パパ育休を含む育児休業全体の数字です。短い休みが多いことは分かりますが、どちらの制度で何日取ったのかという内訳は、この表からは分かりません。

取得率の上昇から、休み方の中身までは読み取れない

取得率は、育児休業を開始した人の割合で、取得した日数や、休業中の業務の引き継ぎ、復職後の働き方までは示しません。さらに、取得率の対象(2023年10月から2024年9月に配偶者が出産した男性)と、取得期間の対象(2024年4月から2025年3月に復職した男性)は、別の集団です。二つの数字を、同じ人たちの話として結びつけることはできません。

前年度の取得期間の分布は原資料にないため、取得期間が伸びたのか縮んだのかも、この調査からは分かりません。また、男性の育児休業の取得率を公表している事業所は26.2%(令和5年度は20.2%)で、規模別には500人以上が82.3%、100〜499人が58.5%、30〜99人が29.3%、5〜29人が24.2%でした。小さな事業所ほど、取得の状況が数字として社内外に示されにくいことが分かります。

自社の数字は、取得率に取得期間の分布を添えて見る

全国の数字は、自社の状況を点検する物差しとして使えます。次の順で並べると、取得率だけでは見えない状況が分かります。

  • 直近1年に配偶者が出産した男性社員のうち、育児休業を開始した人の割合を出します。
  • 復職した男性社員の取得期間を、調査と同じ区分(5日未満、5日〜2週間未満など)に分けて数えます。
  • 期間の短い層には、取得した本人と上司に、期間の決め方と引き継ぎの状況を聞きます。

期間が短いこと自体が問題とは限りません。本人が望んだ期間なのか、業務の都合で短くなったのかを分けて確かめると、制度の見直しが必要な箇所が見えてきます。取得率が全国と同じ水準でも、期間の分布が短い側に偏っていれば、休業中の業務の分担や、復職前後の面談の設計を先に点検します。

まとめ

令和7年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率は50.9%で、前年度から10.4ポイント上がりました。一方、復職した男性の取得期間は、1か月未満の区分を合わせると48.9%を占めます。取得率に取得期間の分布を添えて、休んだかどうかと、希望した期間を取れたかどうかを分けて確かめることが、定着を見極める手がかりになります。

出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」結果の概要(2026年7月31日公表。2026年10月26日に確認)調査の公表ページ/同「事業所調査 結果概要」(PDF)

男性社員の育児休業を、取得したあとの復職と育成まで支える研修の設計についてのご相談をご希望の方は、下記より資料請求ページへお進みください。

資料請求はこちら

Editor’s Note

本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。

Next step

記事の内容を、自社に当てはめてみませんか。

Growth Survey は、心理的安全性・エンゲージメント・行動変容を定量化し、組織の現在地を可視化するサーベイです。 まずは3分診断で、おおよその現在地をつかむこともできます。

広告

✦ SHARE with カイシャの育成論

メディアでも、深く発信しています。

自社メディア『SHARE with カイシャの育成論』では、企業インタビューと人事用語辞典を通じて、より深い知見をお届けしています。