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はじめに
従業員の年末調整を担当する人事・労務部門にとって、配偶者の収入状況に応じた控除の適用判断は、毎年必ず向き合う実務の一つです。「配偶者控除」は、その判断の中心となる制度です。本記事では、配偶者控除の基本的な考え方から、実務での関わり方、近年の制度改正の動向までを解説します。なお、控除額や判定基準は税制改正により変動するため、最新の基準は国税庁の公表情報を必ずご確認ください。
配偶者控除とは?
配偶者控除とは、納税者に一定の要件を満たす配偶者がいる場合に、所得税・住民税を計算する際の所得から一定額を差し引く制度のことです。配偶者の合計所得金額が一定額以下であること、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることなどが主な要件です。
配偶者の所得が基準を超えて配偶者控除の対象外となった場合でも、所得額に応じて控除額が段階的に縮小する「配偶者特別控除」が適用される仕組みになっており、収入の境界線で控除が急に失われるわけではありません。
よく使われるシーン
配偶者控除という言葉は、年末調整の際に従業員へ配布する申告書の案内や、入社時の家族状況のヒアリングなど、人事・労務部門の実務で頻繁に使われます。たとえば「配偶者控除の対象となるか確認してください」「配偶者の年収が基準を超えそうなので相談を受けた」といった形で用いられます。
また、従業員本人やその配偶者が働き方(パート勤務の年収をどの程度に抑えるかなど)を検討する際、配偶者控除の基準額が話題になることも多く、いわゆる「年収の壁」という表現で説明されることもあります。
配偶者控除を理解することの重要性
配偶者控除の判定を誤ると、年末調整での所得税額に誤りが生じ、従業員に予期しない税負担が発生することがあります。人事・労務担当者が制度の基本的な仕組みを理解し、従業員からの質問に正確に答えられることは、信頼関係を保つうえでも重要です。
配偶者控除に関わる所得基準は、税制改正によって見直されることがあります。一例として、令和8年度税制改正では、令和8年分・令和9年分について、配偶者の給与収入の判定基準が136万円以下に拡大されるとされています(出典:tax-ms.jp「令和8年・9年分の扶養控除・配偶者控除 給与収入136万円以下が新しい判定ライン」、2026年10月7日取得)。基準額を上回った場合でも、配偶者の給与収入が207万円程度までは段階的に控除が縮小する仕組みが維持されるとされています。源泉徴収税額表への反映時期と、実際の年末調整での適用時期が異なる場合がある点にも注意が必要です。制度の詳細や最終的な数値は、国税庁の公式発表を確認することが推奨されます。
実務で活かすためのチェックポイント5項目
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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