⌖ Detail
はじめに
目標管理やパフォーマンス評価の仕組みを整える際、KPIだけを定めても、何のためにその指標を追うのかが従業員に伝わりにくいことがあります。こうした課題を補う考え方として使われているのが「KRA(重要結果領域)」です。本記事では、KRAの意味とKPIとの関係、評価制度における活用の仕方を解説します。
KRA(重要結果領域)とは?
KRAとは、Key Result Area(重要結果領域)の略称で、組織の中で個人やチームが成果を上げることを期待されている、特定の責任領域や業務分野のことを指します。職務の遂行にあたって重要な成果が求められる範囲を、質的に広く定義するものです(出典:note.com「チームの目標達成を支えるKRAとKPIの基本と事例」、2026年10月8日取得)。
KRAとKPIは、しばしばセットで語られますが役割が異なります。KRAは職務や役割の全体的な方向性を示す責任領域であり、必ずしも直接測定できるものではありません。これに対してKPIは、KRAの達成に向けた進捗を追跡するための、具体的で測定可能な指標です。例えば人事マネージャーのKRAが「人材の獲得と管理」であれば、そこから導き出されるKPIとして採用充足率や離職率などが設定される、という関係になります(出典:note.com「チームの目標達成を支えるKRAとKPIの基本と事例」、2026年10月8日取得)。
なお、KRAという略語は国や業界によって見慣れない場合もあるため、社内で使う際には「重要結果領域」という日本語訳や、具体的な例を併記して説明すると、従業員への浸透がしやすくなります。
よく使われるシーン
KRAは、目標管理制度や評価制度の設計時に、評価期間の開始時点で職務の役割と責任を定義する場面で使われます。たとえば「このポジションのKRAを先に定義してから、KPIを設定しましょう」「KRAが曖昧だと、KPIだけが独り歩きしてしまう」といった形で用いられます。
営業部門であれば「売上拡大」、品質管理部門であれば「品質改善」のようにKRAを定め、そこから月間売上高や不良率といったKPIを導き出すといった使われ方が紹介されています(出典:note.com「チームの目標達成を支えるKRAとKPIの基本と事例」、2026年10月8日取得)。
KRA(重要結果領域)を理解することの重要性
KPIだけを先に設定してしまうと、指標の達成自体が目的化し、本来その指標が何のために追われているのかが見えにくくなることがあります。KRAを先に定義し、その達成度を測る手段としてKPIを位置づけることで、評価制度全体の納得性を高めやすくなります。
また、職務記述書や役割定義にKRAを明記しておくことは、採用や配置の場面でも役に立ちます。応募者や配属先の従業員に対して、そのポジションでどのような成果責任が期待されているのかを具体的に伝えられるためです。評価者にとっても、何を評価の軸にすべきかが明確になるという利点があります。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部