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ライフキャリアレインボーとは?人生の役割からキャリアを捉える理論を解説
はじめに
従業員のキャリア面談で、仕事の話だけに終始してしまい、本人が抱える育児や介護との両立の悩みまで踏み込めなかった経験はないでしょうか。キャリアは仕事の役割だけで成り立っているわけではありません。人生全体の役割の組み合わせとしてキャリアを捉える考え方が、ライフキャリアレインボーです。
ライフキャリアレインボーとは?
ライフキャリアレインボーとは、アメリカの心理学者ドナルド・スーパーが提唱したキャリア発達理論で、人が生涯で担うさまざまな役割の変化を虹のような図で表したものです。人は子ども、学生、職業人、配偶者、家庭人、親、市民、余暇人などの役割を、人生の各段階で重なり合わせながら担っているとされます。
スーパーは、キャリアの発達段階を成長期、探索期、確立期、維持期、解放期の5つに分類し、年齢とともにそれぞれの役割の重みが変化していく様子を虹の帯として描きました。この図を用いることで、本人が現在どの役割にどれだけの比重を置いているか、今後どのように役割配分を変えていきたいかを可視化できます。
キャリアを職業上の役割だけで捉えるのではなく、家庭や地域社会での役割も含めた人生全体の設計として捉える視点を提供する点が、この理論の特徴です。
スーパーはまた、これらの役割を担う「舞台」として家庭、学校、職場、地域社会を挙げ、役割と舞台の組み合わせによって人それぞれのキャリアの形が異なることも示しました。同じ「職業人」という役割であっても、それをどれだけの重みで担うかは、家庭人としての役割をどの程度重視しているかによって変わってきます。この理論が示すのは、唯一の正しいキャリアの形があるのではなく、人それぞれが自分にとって納得のいく役割配分を見つけていくプロセスこそがキャリア形成であるという考え方です。
よく使われるシーン
キャリアデザイン研修で、受講者に自分自身のライフキャリアレインボーを描いてもらうワークとして使われます。育児や介護と仕事の両立に悩む従業員とのキャリア面談で、仕事以外の役割も含めて状況を整理する際に活用されます。管理職研修で、部下の人生設計を仕事の側面だけで判断しないための視点を提供する目的でも用いられます。
ライフキャリアレインボーを理解することの重要性
人事担当者がこの理論を理解しておくことには、実務上の意義があります。第一に、従業員のキャリアを仕事の役割だけで判断せず、家庭や地域での役割も踏まえて支援する視点を持てます。第二に、育児や介護などライフイベントに応じて仕事への比重が変化することを前提とした、柔軟な人事制度の設計につなげられます。第三に、キャリア面談において、本人が今どの役割を重視したいと考えているかを丁寧に聞き取る対話の枠組みとして活用できます。第四に、画一的なキャリアパスを前提にするのではなく、従業員一人ひとりの役割配分が異なるという前提に立った、多様な働き方の制度設計につなげられます。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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