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はじめに
同じ失敗を経験しても、人によって「自分の努力不足だった」と捉えるか、「状況や運が悪かった」と捉えるかは異なります。この違いを説明する心理学の考え方として知られているのが「ローカスオブコントロール」です。本記事では、その意味と、人材育成や組織での活用の仕方を解説します。
ローカスオブコントロールとは?
ローカスオブコントロール(Locus of Control、略称LOC)とは、日本語で「統制の所在」とも呼ばれ、自分の行動や結果を統制している意識の所在が、自分自身(内)にあるか、他者や状況(外)にあるかを分類する考え方のことです。米国の臨床心理学者ジュリアン・ロッターによって提唱されました(出典:jinjibu.jp「ローカス・オブ・コントロール」、2026年10月8日取得)。
統制の所在が自分の内側にあると捉える傾向を持つ人は、物事の結果を自分の行動や努力の結果として受け止めやすい一方、統制の所在が外側にあると捉える傾向を持つ人は、物事の成否を周囲の状況や運次第と考えやすいとされています。例えば試験の点数が低かった場合、前者は「自分の努力が足りなかった」と考え、後者は「出題者の意図に問題があった」と考える、といった違いが例として挙げられています(出典:jinjibu.jp「ローカス・オブ・コントロール」、2026年10月8日取得)。なお、どちらの傾向が優れているというものではなく、内側に捉える傾向が強すぎる場合は、過度な自責思考によってメンタル面に影響を及ぼす可能性があるとも指摘されています。
よく使われるシーン
ローカスオブコントロールは、研修やコーチングの場面で、本人やメンバーの傾向を把握し、コミュニケーションの取り方を選ぶ目的で用いられます。たとえば「このメンバーは統制の所在が外側に向きやすいので、本人の工夫を言語化する声掛けを増やしましょう」といった形で使われます。
また、採用面接でのストレス耐性の評価や、ストレスマネジメント研修の設計においても、本人の傾向を知るための視点として取り上げられることがあります。
ローカスオブコントロールを理解することの重要性
部下指導やチームマネジメントの場面で、メンバーそれぞれの統制の所在の傾向を理解しておくことは、一人ひとりに合った声掛けやフィードバックの仕方を選ぶ手がかりになります。統制の所在が外側に向きやすいメンバーには、本人の行動と結果のつながりを具体的に示すフィードバックが有効とされる一方、内側に向きやすいメンバーには、過度な自責に陥らないよう状況要因にも目を向けさせる配慮が求められる場合があります。
人材育成の観点では、特定の傾向が固定的なものではなく、経験や環境によって変化しうる点も踏まえておく必要があります。メンバーの傾向を一方的に決めつけるのではなく、対話を通じて本人の捉え方を理解する姿勢が重要です。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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