⌖ Detail
メリット制とは?労災保険料が増減する仕組み・収支率・実務の注意点を解説
最終更新: 2026-10-20 / カテゴリ: 報酬・労務 / 英語表記: Merit System (Workers Accident Compensation Insurance)
はじめに
「同じ業種なのに、他社より労災保険料が高い(安い)のはなぜか」と疑問に思ったことはないでしょうか。労災保険には、事業場ごとの労働災害の発生状況に応じて、保険料を増減させる仕組みがあります。この記事では、メリット制の意味と仕組み、人事・総務の担当者が押さえておきたい実務のポイントを整理して紹介します。
メリット制とは?
メリット制とは、一定規模以上の事業場について、過去の労働災害の発生状況に応じて、労災保険率や保険料の額を増減させる制度です。事業主の負担の公平を図るとともに、事業主による労働災害の防止の努力を促すことを目的としています。通勤災害は、この計算の対象に含まれません。
増減の基準になるのが収支率です。収支率は、連続する3保険年度に支払われた保険給付の額を、同じ期間の保険料の額で割って求めます。収支率が低いほど、労働災害が少なかったことを表し、保険料が引き下げられます。反対に、収支率が高いと保険料は引き上げられます。
継続事業では、増減の幅は最大で40%です。対象となる事業場は、労働者が常時100人以上いる場合のほか、20人以上99人以下で、業種ごとの労災保険率から非業務災害率を引いた率に労働者数を掛けた値が一定以上となる場合などです。収支率の算定期間の最後の年度から、2年後の保険年度の保険料に反映されます。建設業などの有期事業には、別の要件が定められています。
メリット制がよく使われるシーン
- 労災保険率決定通知書を見て、保険料率が変わったことに気づく場面
- 労働災害の発生を受けて、保険料への影響を試算する場面
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部