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直近3年で「半年以内の早期離職」があった企業は57%――入社者の定着を左右する三つの視点

直近3年で「半年以内の早期離職」を経験した企業は57%にのぼります。要因の最多は「仕事内容のミスマッチ」でした。エン・ジャパンの実態調査をもとに、入社者の定着を左右する「GRC」三つの視点を、実施チェック付きで解説します。

公開日
2026/08/13
更新日
2026/08/13
読了時間
6
著者
WONDERFUL GROWTH 編集部
早期離職オンボーディング離職防止採用

直近3年で「半年以内の早期離職」があった企業は57%

エン・ジャパン株式会社は、同社が運営する人事・採用担当者向け情報サイト「人事のミカタ」上で、直近3年間に社員が入社した企業の人事担当者を対象に「早期離職」実態調査を実施し、291社から有効回答を得ました(2025年5月9日発表、調査期間2025年3月11日〜4月7日)。同調査によると、直近3年以内に「半年以内での早期離職」があったと回答した企業は57%にのぼりました。企業規模別に見ると、49名以下の企業では46%である一方、300〜999名の企業では80%、1000名以上の企業でも73%と、規模が大きくなるほど早期離職を経験した割合が高くなる傾向が見られます。業種別では、流通・小売関連とサービス関連がそれぞれ68%で最多となりました。

直近3年以内に「半年以内での早期離職」があった企業は57%。企業規模別では300〜999名で80%、1000名以上で73%が「あった」と回答(エン・ジャパン「早期離職」実態調査〈2025〉より)

早期離職は、新卒・中途を問わず、採用と受け入れの双方に投じた時間とコストを失う出来事です。求人広告や面接の工数、内定者フォロー、入社時研修など、入社に至るまでに積み重ねてきた投資が、わずか半年で振り出しに戻ってしまいます。人事担当者だけの努力では防ぎきれない構造的な課題であるからこそ、組織としての備えが欠かせません。

早期離職の最大要因は「仕事内容のミスマッチ」

同調査で早期離職があったと回答した企業に要因を尋ねたところ、「仕事内容のミスマッチ」が57%で最も多く挙げられました。入社前に描いていた仕事像と、入社後に任された実際の業務との間にギャップが生じ、それが早期の離職につながっている実態がうかがえます。

一方で、定着率に課題を感じている企業は69%にのぼるものの、定着率向上のための施策を実施している企業は63%にとどまりました。施策を実施している企業のうち「直属の上司との定期面談」を挙げた企業は58%で最多となり、実際に効果を感じた施策としても同じく「直属の上司との定期面談」が24%で1位でした。その一方で「特にない」と回答した企業も23%あり、施策を講じてもなお効果を実感しきれていない企業が一定数存在することも分かります。「面談さえ設定すれば定着する」わけではなく、面談の中身や、面談を支える仕組みまで含めた設計が問われているといえるでしょう。

入社者の定着を左右する三つの視点

同調査で「人事のミカタ」編集長の手塚伸弥氏は、入社者が早期離職に陥りやすい要因として「GRC(Gap・Relation・Capacity)」の3つの視点を挙げています。それぞれの視点にもとづき、実務で取り組める対策を整理します。

視点1:Gap(期待と現実のギャップ)を埋める

入社前の情報提供が不十分だと、入社後に「こんなはずではなかった」というギャップが生まれ、早期離職の大きな要因になります。求人情報や面接の段階で、職場の良い面だけでなくマイナス面も含めて実情を正直に伝えること、そして入社初日の研修の中に目標設定の面談を組み込み、本人に期待される役割を明確に伝えることが有効です。何を期待されているか分からないまま簡単な作業を任されると、入社者は「期待されていないのでは」と不安を抱きますが、位置づけを事前に伝えておけば、同じ作業も「最初のステップ」として前向きに受け止められます。

実施チェック

  • 求人票・面接で伝えた仕事内容と、入社後に実際に任せる業務の間にズレがないか確認したか
  • 入社初日の研修プログラムに、期待される役割を言語化して伝える目標設定面談を組み込んだか

視点2:Relation(上司との関係構築)を仕組み化する

入社者にとって、直属の上司との関係は職場適応を左右する最も重要な人間関係のひとつです。毎日決まった短時間の「質問タイム」や定期的なフォローアップ面談を設け、疑問や不安を気軽に相談できる場をつくりましょう。入社直後の数か月は、深い信頼関係を築くことよりも「相談しやすいか、話しかけやすいか」を意識したコミュニケーションが重要です。あわせて、採用の背景や本人が持つスキルを人事から直属の上司へ丁寧に共有することも欠かせません。上司が「なぜこの人を採用したのか」「何ができる人なのか」を把握できていなければ、適切な育成もサポートもできないためです。

実施チェック

  • 入社後1カ月は週1回など、頻度を決めて上司との面談を設定したか
  • 人事から配属先の上司へ、採用背景や本人のスキル・経験を引き継ぐ場を設けたか

視点3:Capacity(業務量の適正配分)を点検する

業務量が適切でないと、ストレスや不安から離職につながりかねません。業務量が多すぎる場合はもちろん、少なすぎる場合も「単純な作業しか任されない、期待されていないのでは」「周囲が忙しそうなのに自分だけ手が空いていて気まずい」といった心理に陥ることがあります。入社初期は業務量を段階的に調整し、無理のない範囲でスキル習得を後押しするとともに、定期的な対話を通じて「多すぎないか」「物足りなさを感じていないか」の両面を確認し、こまめに調整することが大切です。

実施チェック

  • 入社初期の業務量を段階的に増やす計画になっているか
  • 「業務量が多すぎないか」「物足りなさを感じていないか」の両方を、上司との対話の中で定期的に確認しているか

まとめ

直近3年で「半年以内の早期離職」を経験した企業は57%にのぼり、企業規模が大きいほどその割合は高くなる傾向にあります。要因の最多は「仕事内容のミスマッチ」であり、定着率向上に最も効果を感じられている施策は「直属の上司との定期面談」でした。Gap・Relation・Capacityの三つの視点から入社後の受け入れを点検し、面談を「設定するだけ」で終わらせない仕組みづくりを進めることが、早期離職を防ぎ、入社者の定着と早期戦力化につなげる近道です。

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本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。
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