キャリタスが2026年10月に公表した調査によると、2027年3月卒業予定の大学4年生の10月1日時点の内定率は89.4%でした。前年の調査では92.3%で、5年ぶりに9割を切っています。内定を出したあとの関わり方は、学生がまだ就職活動を続けているかもしれないという前提で組み立てる必要があると考えます。調査の数字を確かめたうえで、内定通知のあとに人事が迎える場面ごとに、連絡と研修の考え方を整理します。
10月1日の内定率は89.4%、前年の92.3%を下回った
この調査は、キャリタスの「キャリタス就活 学生モニター2027」へのインターネット調査で、2026年10月2日から12日に実施されました。回答者は、2027年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生を含む)の1,039人です。10月1日時点の状況は、次のとおりです。
項目 | 2027年卒(2026年10月1日時点) |
|---|---|
内定率 | 89.4% |
就職先決定者 | 83.2% |
内定保留者 | 2.6% |
活動終了者(就職先決定者と内定保留者) | 85.8% |
前年(2026年卒)の調査は、2025年10月2日から9日に実施され、回答者は1,040人でした。10月1日時点の内定率は92.3%で、4年連続で9割を超えていました。今年の89.4%は、5年ぶりに9割を下回る水準です。内定を得ている学生のなかにも、就職先を決めた学生は83.2%、内定を保留している学生は2.6%と、内定率との間には開きがあります。
この調査は学生モニターへのインターネット調査であり、全国の大学4年生全体の割合をそのまま示すものではありません。調査の年ごとに回答者も異なるため、増減は傾向を見る材料として読みます。
図解01
10月1日の
- 2026年卒の
内定率92.3% - 2027年卒の
内定率89.4%
記号1つが10%(10月1日時点で内定を得た学生の割合)
就職先が決まるまで活動を続ける学生は63.7%
就職先が決まっていない学生のうち、「就職先が決まるまで就職活動を続ける」と答えた人は63.7%でした。前年の調査では58.8%です。続ける学生の割合は、前年より上がっています。
この数字は、就職先が決まっていない学生の今後の意向です。内定を持つ学生が、承諾の返事をするまで他社の選考を続けているかどうかは、この調査からは読み取れません。内定を出した後の学生の動きは、数字から決めつけず、学生本人の状況を聞いて把握することになります。
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内定通知のあと、返事の期限が近づく場面
人事担当者が内定を伝えた学生から、承諾の返事が期限の前日になっても届かない場面を考えます。連絡を重ねたくなりますが、内閣官房が示す就職・採用活動の要請(2027年度卒業・修了予定者)は、学業に専念できることと、安心して就職活動に取り組める環境を重んじています。就職活動の早期化や長期化、ハラスメントによって、その環境が損なわれることが懸念されると書かれています。正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とされています。
期限の延長を求められたときの対応は、あらかじめ決めておきます。延長を認める範囲、決まるまでの連絡の取り方、辞退の連絡を受けたときの手続きを人事の中でそろえておくと、担当者によって学生への対応が変わることを防げます。返事を急がせる言い方は避け、期限の理由と、延長を相談できることを、最初の連絡で伝えておきます。
内定期間中の研修や課題は、賛成の62.2%と負担を分けて見る
内定期間中の研修や課題に賛成した学生は62.2%で、形式ではeラーニングが人気でした。調査の本文には、賛成の理由や、求められる時間と内容の内訳は示されていません。賛成が6割を超えたことから、どの程度の課題でも受け入れられるとまでは言えません。
研修や課題を設けるときは、入社後の仕事につながる内容に絞り、所要時間と提出の期限を最初に示します。参加を任意にするか必須にするかも先に決めます。学業の予定がある時期と重ならないように、期間を選びます。eラーニングは時間や場所を選べるため、学生の都合に合わせやすい形式です。
中小企業の面接を受けた学生は51.9%、平均2.4社
中小企業の面接試験を受けた学生は51.9%で、平均2.4社でした。ともに前年より微増しています。学生が複数の企業の選考を並行して受ける状況が続いていることを示す数字ですが、内定後にどの企業を選ぶかまでは分かりません。
自社が選ばれるかどうかは、内定後の連絡で、仕事の内容、配属の考え方、入社までの予定を具体的に伝えられているかに左右されると考えます。入社を決めた学生にも、迷っている学生にも、同じ情報を同じ時期に届けられる体制を整えておきます。
内定者の状況を、返事の期限と学業の予定に合わせて並べる
自社の内定者を、返事の状況(承諾済み、返事待ち、辞退)と返事の期限で並べます。そこに、研修や課題の参加状況と、学業や卒業研究の予定を加えます。この一覧があれば、連絡する相手と頻度を、学生ごとに決められます。
返事待ちの学生には、期限の確認と相談の窓口を伝えます。承諾済みの学生には、入社までの予定を共有します。辞退の連絡を受けたときは、理由を聞く場を設けるかどうかを、学生の負担にならない範囲で決めます。
まとめ
2027年卒の10月1日時点の内定率は89.4%で、前年の92.3%を下回り、5年ぶりに9割を切りました。就職先が決まるまで活動を続ける学生は63.7%で、内定を出したあとも、学生の状況は変わり得ます。内定者の返事の状況と期限、学業の予定を一覧に並べるところから始めてください。
出典:株式会社キャリタス「キャリタス就活 学生モニター2027 調査結果(2026年10月)」(2026年10月26日発表。2026年11月9日に確認)確報版/同「キャリタス就活2026 学生モニター調査結果(2025年10月)」(2025年10月29日発表。2026年11月9日に確認)プレスリリース/内閣官房「2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」(2026年11月9日に確認)要請の掲載ページ
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本記事は WONDERFUL GROWTH 編集部が、現場の人事・経営者の方々への取材と 自社支援データを元に作成しています。ご質問・取材のご依頼は お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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