⌖ Detail
アライシップとは|意味・実務での使い方・推進のポイントをわかりやすく解説
はじめに
「アライシップ」は、ダイバーシティ&インクルージョンの文脈で近年急速に重要性が高まっている概念です。マイノリティ当事者ではない立場の人が、当事者を理解し支援する姿勢を継続的にとることを指し、組織における心理的安全性や多様性の実現に欠かせない要素として位置付けられています。本稿では、アライシップの基本的な意味から、企業が取り組む際の実務ポイントまでを整理いたします。
アライシップとは?
アライシップ(Allyship)とは、自分はマイノリティ当事者ではないものの、当事者の課題を自分ごととして捉え、その立場や権利を支持・支援する姿勢や行動を指します。語源は英語の「ally(同盟者、味方)」で、もともとはLGBTQ+の文脈で広く用いられてきました。現在では、性別、人種、障害の有無、世代、宗教、雇用形態など、さまざまな属性の違いに対する支援的な行動全般を指す言葉として用いられています。
アライシップが重視される背景には、多様性の確保だけでは組織が真に変わらないという認識があります。属性の異なる人材を採用しても、当事者だけが声を上げる構造のままでは、当事者の負担が大きく、組織文化の本質的な変容には至りません。アライシップは、マジョリティ側に位置する人が積極的に役割を担うことで、組織全体での変化を生み出す考え方です。
なお、アライシップは「一度宣言すれば完了するもの」ではなく、日々の対話や意思決定の中で継続的に発揮していく行動様式である点に特徴があります。
広告
よく使われるシーン
アライシップという言葉は、以下のような場面で頻繁に用いられます。
ダイバーシティ研修や啓発イベントでは、参加者向けに「アライとして何ができるか」を考えるワークが組み込まれることが増えています。LGBTQ+のプライド月間における社内キャンペーン、女性活躍推進の文脈、外国籍社員や障害のある社員の活躍支援など、対象はさまざまです。
人事部門の施策設計の場面でも、アライシップは重要なキーワードとなります。社員リソースグループ(ERG)の運営、メンタリング制度、評価制度の見直しなど、当事者だけでなくアライの参画を前提とした設計がなされるケースが増えてきました。
経営層のメッセージ発信においても、アライとしての立場表明は意義を持ちます。経営トップ自身が特定の課題に対するアライであることを明確にすることで、組織全体への波及効果が期待できます。
アライシップを理解することの重要性
アライシップの本質を正しく理解することは、人事担当者にとって以下の点で重要です。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部