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エンハンシング効果とは?アンダーマイニング効果との違いとモチベーション向上への活かし方
はじめに
部下や後輩に声をかけるとき、どのような言葉をかければやる気を引き出せるのか悩んだ経験のある人事担当者やマネージャーは少なくありません。金銭的な報酬や評価点だけに頼った動機づけは、かえって意欲を下げてしまうことがあると指摘されています。一方で、称賛や承認の言葉が本人の内側から湧き出るやる気を高めることも知られています。本記事では、この現象を指す「エンハンシング効果」について、対になる概念であるアンダーマイニング効果との違いとあわせて解説します。
エンハンシング効果とは?
エンハンシング効果とは、称賛や期待の言葉といった外発的な働きかけによって、内発的な動機づけがかえって高まる心理現象です。「賞賛効果」と呼ばれることもあります。本人が興味や関心を持って取り組んでいる行動に対し、周囲がその努力や工夫を言葉で認めることで、本人のやる気がさらに引き出されるとされています。
対になる概念として知られるのがアンダーマイニング効果です。こちらは、内発的に動機づけられた行動に金銭などの外的な報酬を与えることで、かえって本人のやる気が損なわれてしまう現象を指します。同じ「外発的な働きかけ」であっても、金銭的な報酬はアンダーマイニング効果を、言語的な承認はエンハンシング効果を引き起こしやすいという違いがある点が、両者を理解するうえでの要点です。
エンハンシング効果がよく使われるシーン
エンハンシング効果は、1on1ミーティングやフィードバック面談の場で、部下への声かけの工夫を説明する際によく用いられます。結果だけでなく、取り組みの過程やそこに至る工夫を言葉にして伝えることで、本人の意欲を後押しする効果が期待できるとされています。
また、社内表彰制度やピアボーナスといった称賛の仕組みを設計する場面でも参照される概念です。金銭的なインセンティブに偏った制度設計がアンダーマイニング効果を招くリスクを踏まえ、言語的な承認を組み合わせた制度づくりを検討する際の理論的な裏づけとして用いられます。
エンハンシング効果を理解することの重要性
エンハンシング効果を理解しておくことは、従業員のモチベーションマネジメントを設計するうえで実務的な意味を持ちます。成果に応じたインセンティブ制度は動機づけの手段として広く使われていますが、報酬の与え方によっては、本人が本来持っていた興味や意欲を弱めてしまう可能性があるためです。
エンハンシング効果を踏まえると、評価や報酬の仕組みに加えて、日々のコミュニケーションのなかで具体的な行動や工夫を言葉で認める機会を意識的に作ることが重要だと分かります。金銭的な報酬だけに頼らず、称賛や承認をどう組み合わせるかを考えることは、限られた予算のなかでもチームの意欲を高めたいと考える人事担当者やマネージャーにとって、実践しやすい工夫の一つです。
実務で活かすためのチェックポイント
- プロセスを言葉にする:成果そのものに加えて、そこに至る工夫や努力を具体的に伝えます。
- 金銭報酬と言語的な承認を使い分ける:制度による報酬とあわせて、日常のコミュニケーションでの称賛を組み合わせます。
- 本人の自律性を尊重した伝え方をする:一方的な評価ではなく、本人の主体的な取り組みを認める姿勢で声をかけます。
- 行動の直後にフィードバックを行う:時間が経ってからの称賛よりも、行動の直後に伝えるほうが効果を実感しやすくなります。
- 具体的な行動に言及する:抽象的な褒め言葉ではなく、何がよかったのかを具体的に示します。
よくある質問(FAQ)
Q1. エンハンシング効果とはどのような現象ですか。
A. 称賛や承認といった言語的な働きかけによって、本人の内発的な動機づけがさらに高まる心理現象です。
Q2. アンダーマイニング効果とは何が違いますか。
A. アンダーマイニング効果は金銭報酬などによって内発的動機づけが低下する現象であり、言語的な承認によって動機づけが高まるエンハンシング効果とは逆方向の現象です。
Q3. エンハンシング効果はどのような場面で意識するとよいですか。
A. 1on1やフィードバック面談での声かけ、表彰制度やピアボーナスなど称賛の仕組みを設計する場面で意識するとよいとされています。
Q4. 金銭的な報酬は使わないほうがよいのですか。
A. 金銭報酬自体を否定するものではありませんが、内発的に動機づけられた行動に対しては、言語的な承認と組み合わせて設計することが望ましいとされています。
Q5. エンハンシング効果を高めるコツはありますか。
A. 取り組みの過程を具体的に言葉にし、行動の直後に伝えることが、効果を実感しやすくするコツとされています。
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