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電子契約とは?雇用契約書を電子化するメリットと導入時の注意点を解説
はじめに
入社手続きのたびに雇用契約書を印刷し、押印してもらい、郵送で返送を待つ。こうした紙のやり取りに時間と手間がかかっていると感じている人事担当者は少なくありません。テレワークの広がりとともに、遠方に住む内定者や在宅勤務者とも契約手続きを完結させる必要が生じており、書面に代わる方法として電子契約への関心が高まっています。本記事では、電子契約の意味と雇用契約での活用のしかた、導入にあたって押さえておきたい注意点を解説します。
電子契約とは?
電子契約とは、紙の書面ではなく電子データによって契約を締結する方法です。契約内容を記したPDFなどのファイルに電子署名やタイムスタンプを付与することで、押印に代わる本人性の証明と、内容が改ざんされていないことの証明を行います。
雇用契約の分野では、2019年に労働条件通知書の電子交付が解禁され、2023年の労働基準法施行規則改正によって条件がさらに整理されたことで、雇用契約書や労働条件通知書を電子契約サービス上で締結する企業が着実に増えています。紙の契約書と同様の法的効力を持たせつつ、印刷・押印・郵送といった一連の作業をオンラインで完結できる点が特徴です。
なお、労働条件通知書の電子交付は労働者が希望した場合に限られる点や、就業場所や従事すべき業務の変更範囲など明示すべき事項が法令で定められている点には注意が必要です。
電子契約がよく使われるシーン
電子契約は、内定承諾書や雇用契約書、秘密保持誓約書など、入社時に取り交わす書類の締結でよく利用されます。特に遠方に住む内定者や、海外拠点とのやり取りが発生する採用では、郵送の日数を待たずに手続きを進められる利点が生きる場面です。
また、就業規則の改定にあわせて全従業員から同意を取り直す場合や、雇用形態の変更に伴って契約内容を更新する場合など、多数の従業員を対象とした書類のやり取りにも活用されています。人事システムと連携させ、契約締結から人事データベースへの反映までを一連の流れとして構築する企業も増えています。
電子契約を理解することの重要性
電子契約の理解が求められる背景には、業務効率化とコスト削減への要請があります。書面での契約は、印刷や郵送にかかる費用に加え、返送状況の確認や書類の保管スペースの確保といった付随業務も発生します。電子契約に切り替えることで、これらの手間を大きく減らし、入社手続きに要する期間の短縮にもつながります。
一方で、電子契約の導入には本人確認の方法やセキュリティ対策の検討が欠かせません。なりすましや改ざんを防ぐ仕組みが不十分なまま運用すると、契約の有効性そのものが問われかねないためです。人事担当者には、利便性の向上だけでなく、法的な要件と情報管理の両面を踏まえて制度を設計する視点が求められます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 電子化できる書類の範囲を確認する:雇用契約書や労働条件通知書など、電子化にあたって満たすべき条件を法令に照らして確認します。
- 電子署名・本人確認の方法を選定する:なりすましを防ぐため、信頼性の高い電子署名サービスや本人確認の手段を選びます。
- 既存の労務管理システムとの連携を確認する:契約締結後のデータが人事情報システムへスムーズに反映される仕組みを整えます。
- 社内規程を電子契約の運用にあわせて整備する:書面を前提とした就業規則や稟議規程の記載を見直します。
- 従業員側の受け入れ環境にも配慮する:システム操作に不慣れな従業員への説明やサポート体制を用意します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 電子契約は雇用契約書にも使えますか。
A. 使えます。労働条件通知書の電子交付が解禁されており、雇用契約書とあわせて電子契約サービス上で締結する企業が増えています。
Q2. 労働条件通知書を電子化する際に注意することはありますか。
A. 労働者本人が電子交付を希望した場合に限られる点や、就業場所・従事すべき業務の変更範囲など明示すべき事項が法令で定められている点に注意が必要です。
Q3. 電子契約は紙の契約書と同じ効力を持ちますか。
A. 電子署名などにより本人性と非改ざん性が確保されていれば、紙の契約書と同様の法的効力を持つとされています。
Q4. 電子契約を導入する主なメリットは何ですか。
A. 印刷や郵送の手間を省き、入社手続きの期間を短縮できるほか、契約書の検索や保管も容易です。
Q5. 電子契約の導入で気をつけるべきリスクはありますか。
A. なりすましや改ざんを防ぐための本人確認・セキュリティ対策が不十分だと、契約の有効性に疑義が生じるおそれがあります。
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