⌖ Detail
はじめに
普段使っているアプリが、別のサービスの地図や決済、認証の仕組みを利用していることは少なくありません。こうした、ソフトウェア同士をつなぐ橋渡しの役割を果たすのがAPIです。IT部門だけでなく、システムの導入や業務効率化に関わるすべての方にとって、押さえておきたい言葉になっています。本記事では、APIの意味や仕組み、活用の考え方を整理してご紹介します。
APIとは?
APIとは、Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の略で、あるソフトウェアが持つ機能やデータの一部を、外部の別のソフトウェアから利用できるようにするための接点のことです。インターフェースとは「接点」「窓口」を意味し、APIはソフトウェア同士をつなぐ窓口の役割を果たします。
身近な例で考えると、天気を表示するアプリは、自分で気象データを保有しているわけではありません。気象情報サービスが用意したAPIに対して「今の天気を教えてほしい」と要求を送り、返ってきたデータを見やすく表示しています。このように、APIを介して機能やデータをやり取りすることを、一般にAPI連携と呼びます。要求を送る側がリクエストを出し、提供する側がレスポンスを返すという形でやり取りが行われます。APIを使えば、ある機能を一から作らなくても、既存のサービスの機能を取り入れられるため、開発の効率化やサービス同士の連携が進みます。
広告
APIがよく使われるシーン
APIは、システム同士を連携させるあらゆる場面で活用されています。たとえば、自社のサービスに地図や決済、ログイン認証といった機能を組み込む際に、専門の事業者が提供するAPIを利用すれば、その機能を一から開発せずに取り入れられます。
業務システムの連携でも、APIは重要な役割を果たします。勤怠管理システムと給与計算システム、あるいは顧客管理の仕組みと販売管理の仕組みなど、別々のシステムをAPIでつなぐことで、データを手作業で移し替える手間をなくし、二重入力やミスを減らせます。人事の領域でも、複数の人事システムを連携させたり、外部のサービスとデータを自動でやり取りしたりする場面で、APIの有無が業務効率を左右します。クラウドサービスの普及にともない、サービス選びの際にAPIによる連携のしやすさが判断材料になる場面も増えています。
APIを理解することの重要性
APIを理解することは、システムを個別のものとしてではなく、つながり合う全体として捉える視点を持つことにつながります。業務の効率化を考えるとき、一つひとつの作業を改善するだけでなく、システム同士を連携させてデータの流れを自動化するという発想が、大きな効果を生むことがあります。APIは、その連携を支える鍵となる仕組みです。
人事や管理の立場にある方が、APIの細かな技術を理解する必要はありません。重要なのは、システム同士は連携できること、そしてその連携のしやすさがツール選びの大切な観点であることを知っておくことです。新しいシステムを導入する際に、既存の仕組みとAPIで連携できるかを確認するだけでも、後の業務効率は大きく変わります。一方で、APIによる連携には、扱うデータの安全性への配慮も欠かせません。どのデータを、どの範囲でやり取りするのかを把握し、情報管理の観点から確認することも、導入を進めるうえで大切な視点になります。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部