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平均賃金とは?労働基準法上の計算方法と使われる場面を解説
はじめに
休業手当や解雇予告手当の額を計算しようとして、「平均賃金」という言葉に行き当たった経験はないでしょうか。平均賃金は労働基準法に定められた法律上の概念であり、日常会話でいう「給与の平均」とは意味が異なります。計算を誤れば手当の過少払いなど法令違反につながるため、人事・労務の担当者には正確な理解が必須です。本記事では、平均賃金の意味と計算方法、使われる場面と実務上の注意点を解説します。
平均賃金とは?
平均賃金とは、労働基準法第12条に定められた、各種手当や補償の額を算定する基礎となる1日あたりの賃金額です。原則として、算定すべき事由が発生した日以前3か月間にその労働者へ支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割って計算します。賃金総額には基本給のほか通勤手当や残業代などの諸手当も含まれますが、臨時に支払われた賃金(結婚手当など)、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)、通貨以外のもので支払われた一定範囲外の賃金は除外されます。また、日給制・時給制・出来高払制の労働者については、賃金総額を労働日数で割った額の6割を最低保障とする定めがあります。算定期間中に業務上の傷病による休業、産前産後休業、育児・介護休業、試用期間などがある場合は、その日数と賃金を控除して計算するなど、労働者に不利にならないよう調整する仕組みが設けられています。
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平均賃金がよく使われるシーン
平均賃金は、法定の手当や補償を計算する場面で使われます。代表的なのは、会社都合で休業させた際に支払う休業手当(平均賃金の6割以上)と、解雇予告に代えて支払う解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)です。このほか、年次有給休暇の賃金を平均賃金で支払う方式を採る場合、業務上の傷病に対する災害補償を計算する場合、そして減給の制裁を行う場合(1回の額は平均賃金の1日分の半額以内、総額は一賃金支払期における賃金総額の1割以内という上限)にも用いられます。天災や感染症対応での臨時休業、懲戒処分の検討、退職トラブルへの対応など、平時とは異なる局面で急に必要になることが多いのが特徴です。
平均賃金を理解することの重要性
平均賃金を正しく理解することは、法令遵守と労使トラブルの防止に直結します。平均賃金を用いる手当や補償は、いずれも労働者の生活保障を目的とした強行法規に基づくものであり、計算誤りによる過少払いは労働基準法違反となります。特に、暦日数で割るのか労働日数で割るのか、どの賃金を含めどれを除外するのか、最低保障をいつ適用するのかといった点は誤りやすく、注意が必要です。また、休業手当や解雇予告手当が必要となる局面は、労使間の緊張が高まっている場合が多く、計算の誤りが不信感を増幅させる恐れがあります。給与計算システム任せにせず、担当者自身が計算構造を理解し、根拠を説明できる状態にしておくことが、誠実な労務対応の土台となります。