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はじめに
家族の介護を担いながら働く人は、年々増えています。仕事と介護の両立は容易ではなく、職場の理解と支えが欠かせません。その一方で、介護を理由とした心ない言動が、本人を追い詰めてしまうことがあります。こうした問題を表す言葉が、ケアハラスメントです。人事や管理職に携わる人にとって、その意味を理解しておくことは、働き続けられる職場を守るうえで重要です。本記事では、ケアハラスメントの意味や用いられる場面、実務で押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
ケアハラスメントとは?
ケアハラスメントとは、働きながら家族の介護を担う従業員に対し、介護を理由として不利益な扱いをしたり、就業環境を害する言動を行ったりすることを指します。略してケアハラと呼ばれることもあります。
具体的には、介護休業や介護休暇といった制度の利用を妨げる言動、介護を担うことを理由とした嫌がらせや配慮を欠いた発言などが含まれます。たとえば、制度を利用しようとする社員に対して、利用をためらわせるような態度をとることや、介護を抱える事情を軽んじる言動をとることが、これにあたります。育児・介護休業法では、介護休業などの制度利用を理由とした不利益な取扱いを禁じており、こうした言動による就業環境の悪化を防ぐための措置を、事業主に求めています。
ケアハラスメントは、本人の働く意欲をそぐだけでなく、仕事と介護の両立を困難にし、離職につながるおそれもあります。誰もが介護に直面しうる時代において、職場全体で防いでいくべき課題として位置づけられています。
ケアハラスメントがよく使われるシーン
ケアハラスメントという言葉は、両立支援や相談対応、ハラスメント防止の取り組みを考える場面で用いられます。たとえば、介護に関わる制度を整えるとき、相談窓口での対応を検討するとき、防止のための研修を設計するときなどです。
職場では、介護を抱える社員が安心して制度を利用できるかどうかが問われます。制度が用意されていても、利用しづらい雰囲気があれば、本人は支援を受けられません。管理職や周囲の理解が不十分だと、悪意がなくても結果として本人を追い詰めることがあります。ケアハラスメントという言葉は、こうした問題に気づき、防止策を考えるきっかけとして取り上げられます。両立を支える職場づくりの土台となる概念です。
ケアハラスメントを理解することの重要性
ケアハラスメントを理解することは、仕事と介護を両立できる環境を守るうえで欠かせません。介護は、多くの人がいつか直面しうる事柄であり、誰にとっても他人事ではありません。介護を理由とした言動が、本人の働く意欲を損ない、離職を招けば、本人にとっても組織にとっても大きな損失となります。
人事や管理職に携わる人にとっては、この理解が予防の出発点になります。大切なのは、制度を整えるだけでなく、それを利用しやすい雰囲気をつくることです。介護を抱える社員の事情に耳を傾け、配慮を欠いた言動が生まれないよう、職場全体で意識を共有する必要があります。何気ない一言が相手を傷つけることもあるため、管理職自身が言動を振り返る姿勢も求められます。誰もが安心して両立を続けられる職場は、こうした一人ひとりの理解と配慮によって支えられます。
実務で活かすためのチェックポイント
- ケアハラスメントが、介護を理由とした不利益な扱いや就業環境を害する言動であると理解します。
- 介護休業や介護休暇の利用を妨げる言動も、これに含まれると認識します。
- 育児・介護休業法が、制度利用を理由とした不利益な取扱いを禁じている点を押さえます。
- 制度を整えるだけでなく、利用しやすい雰囲気づくりにも目を向けます。
- 悪意がなくても相手を傷つけうるため、管理職自身が言動を振り返る姿勢を持ちます。
よくある質問(FAQ)
Q. ケアハラスメントとマタニティハラスメントは、どう違うのでしょうか。
A. マタニティハラスメントは、妊娠や出産、育児に関する制度利用などを理由とした嫌がらせを指します。ケアハラスメントは、家族の介護に関わるものです。いずれも、制度利用を理由とした不利益な扱いという点で共通しています。
Q. 悪意がなくても、ケアハラスメントになることはありますか。
A. あります。本人を気づかうつもりの発言でも、結果として制度利用をためらわせたり、本人を傷つけたりすれば、問題となりえます。受け手がどう感じるかに目を向ける姿勢が大切です。
Q. 防止のために、まず何から取り組めばよいのでしょうか。
A. 制度を整えるとともに、それを利用しやすい雰囲気をつくることが基本です。あわせて、管理職や社員が介護への理解を深める機会を設け、配慮を欠いた言動が生まれないよう意識を共有することが有効です。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
ケアハラスメントへの理解は、仕事と介護の両立支援や、ハラスメント防止の取り組みと深く関わります。誰もが働き続けられる職場づくりに関する課題をお持ちの際は、外部の知見を取り入れることも有効です。具体的なご相談をご希望の方は、こちらのお問い合わせ窓口(https://wonderful-growth.com/contact)よりお気軽にお問い合わせください。
関連情報
ケアハラスメントへの理解を深めるうえでは、「介護休業」「両立支援」「ハラスメント対策」といった関連用語もあわせて確認すると効果的です。これらはいずれも、仕事と生活の両立を支えるという観点でつながっています。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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