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キャズムとは?意味と市場に広がる壁を越える考え方を解説
はじめに
新しい商品やサービスが世に出たとき、初めは関心の高い一部の人に受け入れられても、そこから広く一般に普及するとは限りません。むしろ、その手前で伸び悩むことが少なくありません。この、一部の層から広い市場へと広がる過程に横たわる大きな溝を指すのが「キャズム」です。本記事では、キャズムの意味や、その溝を越えるための考え方をわかりやすく解説します。
キャズムとは?
キャズムとは、英語で「深い溝」を意味する言葉で、新しい商品やサービスが、先進的な少数の利用者に受け入れられる段階から、広く一般の市場に普及する段階へと移る際に立ちはだかる、大きな隔たりを指します。アメリカのコンサルタントであるジェフリー・ムーアが提唱した考え方で、主に技術系の商品の普及を説明する理論として知られています。
この考え方の背景には、新しいものが世に広まる過程を、利用者の性質によって五つの層に分ける見方があります。まず新しさそのものに関心を持つ層や、他者に先んじて価値を見いだす層といった、比較的少数の先進的な利用者が受け入れます。その後に、慎重で実利を重んじる多数派の層が続きます。ムーアは、この先進的な層と、多数派の層とのあいだに、容易には越えられない深い溝、すなわちキャズムがあると指摘しました。先進的な層に売れたからといって、多数派にそのまま広がるわけではありません。両者は求めるものや購買の判断の基準が異なるため、同じ売り方では溝を越えられないのです。このキャズムを越えられるかどうかが、商品の普及の分かれ目となります。
キャズムがよく使われるシーン
キャズムの考え方は、新しい商品やサービスの事業を考える場面でよく用いられます。とりわけ、新規の事業や新しい技術を市場に投入する際に、なぜ初期の好調が続かないのかを説明し、次の段階への戦略を練るための枠組みとして参照されます。初期の利用者に受け入れられた段階で満足せず、次の層をどう取り込むかを考える視点を与えます。
また、事業の計画や販売の戦略を立てる場面でも役立ちます。今、自社の商品が普及のどの段階にあるのかを見極め、目の前の顧客と、次に狙うべき顧客とで、訴える価値や売り方を変える必要があることに気づかせてくれます。人材や組織の観点からも示唆があります。先進的な層を相手にする段階と、多数派を相手にする段階とでは、求められる組織の力や進め方が変わることがあります。キャズムは、事業の成長の節目を見通し、備えを促す考え方として活用されます。
キャズムを理解することの重要性
キャズムを理解することは、新しい事業や商品を持続的な成功へと導くうえで重要です。初期の利用者に受け入れられた好調を、そのまま市場全体への広がりと見なしてしまうと、次の段階でつまずいたときに原因を見誤ります。キャズムの存在を知っていれば、初期の成功と本格的な普及とは別の課題であると理解し、段階に応じた手を打てます。
また、この理解は、限られた資源を効果的に配分するうえでも役立ちます。溝を越えるには、多数派の層が安心して選べる根拠、たとえば実績や支援の仕組みを整えることが求められます。どの層に、どのような価値を、どのように届けるかを見極めることで、労力の空回りを防げます。キャズムを、単なる普及の理論としてではなく、事業の成長の節目を見通し、次の一手を考えるための実践的な視点として理解することが、新しい挑戦を成果へと結びつける助けとなります。
実務で活かすためのチェックポイント
- 段階の見極め:自社の商品が普及のどの段階にあるかを把握します。見極めが打ち手を定めます。
- 顧客像の把握:先進的な層と多数派の層の違いを理解します。理解が売り方の調整を支えます。
- 価値の訴え分け:層に応じて伝える価値を変えます。訴え分けが溝を越える助けになります。
- 信頼の裏づけ:実績や支援の仕組みを整えます。裏づけが多数派の安心を支えます。
- 段階に応じた備え:組織の力や進め方を見直します。備えが成長の節目を乗り越えます。
よくある質問(FAQ)
Q1. キャズムとは何ですか。
A. 新しい商品が、先進的な少数の利用者から広い一般の市場へ普及する際に立ちはだかる、大きな隔たりを指します。
Q2. 誰が提唱した考え方ですか。
A. アメリカのコンサルタントであるジェフリー・ムーアが提唱しました。主に技術系の商品の普及を説明する理論です。
Q3. なぜキャズムが生じるのですか。
A. 先進的な層と多数派の層とでは、求めるものや購買の判断の基準が異なるため、同じ売り方では溝を越えられないからです。
Q4. キャズムを越えるには何が必要ですか。
A. 多数派の層が安心して選べる根拠、たとえば実績や支援の仕組みを整え、層に応じて価値の伝え方を変えることが求められます。
Q5. どのような場面で役立ちますか。
A. 新規の事業や新しい技術を市場に投入する際に、普及の段階を見極め、次の戦略を練る枠組みとして役立ちます。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
キャズムの考え方の活用は、事業の段階の見極めと、それに応じた組織や人材の備えを一体で進めることが効果的です。「新規の事業を伸ばしたい」「成長の段階に合わせて組織を整えたい」といった課題がありましたら、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
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