⌖ Detail
次世代育成支援対策推進法とは?仕事と子育ての両立を支える法律の基本
はじめに
「育児をしながら働き続けられる職場をつくりたいが、何を制度化すればよいか分からない」「両立支援の取り組みが場当たり的になっている」——人事・労務の現場では、こうした悩みがよく聞かれます。その指針となる法律の一つが、次世代育成支援対策推進法です。本記事では、この法律の基本と、企業における取り組みの考え方を整理します。
次世代育成支援対策推進法とは?
次世代育成支援対策推進法とは、次の世代を担う子どもが健やかに生まれ育つ環境を整備するため、国・地方公共団体・事業主等が計画的に取り組むべき事項を定めた法律です。少子化が社会的な課題として認識される中で制定され、企業に対しては、仕事と子育ての両立を支援するための行動計画の策定や実施を求めている点が特徴です。
この法律に基づき、一定規模以上の企業は、従業員の仕事と子育ての両立を支援するための行動計画(一般事業主行動計画)を策定し、その内容を労働局へ届け出ることが求められます。行動計画では、働き方の見直しや育児休業の取得促進、短時間勤務制度の整備といった具体的な取り組み目標を定め、計画的に実行していくことになります。行動計画の目標を達成するなど一定の基準を満たした企業は、厚生労働大臣の認定(くるみん認定など)を受けることができ、両立支援に積極的な企業であることを対外的に示す仕組みとなっています。
よく使われるシーン
次世代育成支援対策推進法は、育児休業制度や短時間勤務制度など両立支援策を整備する場面、一般事業主行動計画を策定・見直しする場面で参照されます。企業が両立支援の取り組みを体系的に進める際の、法的な枠組みとしての役割を果たします。
また、くるみん認定やプラチナくるみん認定の取得を目指す文脈でも、この法律が取り上げられます。認定の取得は、採用活動における企業イメージの向上や、従業員の定着にもつながる取り組みとして位置づけられています。
次世代育成支援対策推進法を理解することの重要性
次世代育成支援対策推進法を理解することは、仕事と子育ての両立支援を場当たり的な対応にとどめず、計画的な取り組みとして進めるうえで重要です。行動計画の策定というプロセスを通じて、自社の課題を可視化し、目標を定めて取り組みを進める仕組みが法律によって示されています。
また、この法律に基づく取り組みは、子育て中の従業員だけでなく、多様な事情を抱える従業員が働き続けやすい職場づくりにもつながります。両立支援の充実は、従業員の定着や採用力の向上にも波及するため、人事戦略全体の観点からもこの法律への理解が求められます。行動計画は一度策定して終わりではなく、事業年度ごとに実施状況を振り返り、必要に応じて内容を見直しながら運用していくことが、実効性を高めるうえで大切です。
実務で活かすためのチェックポイント
- 自社の適用状況を確認する — 一般事業主行動計画の策定・届出義務の対象となるかを確認します。
- 現状の課題を把握する — 育児休業の取得状況や働き方の実態を把握し、行動計画の土台とします。
- 具体的な目標を設定する — 働き方の見直しや両立支援策について、実行可能な目標を計画に盛り込みます。
- 認定制度の活用を検討する — くるみん認定など、取り組みを対外的に示す仕組みの活用を検討します。
- 計画の実施状況を継続的に点検する — 策定した行動計画が形骸化しないよう、定期的に進捗を確認します。
よくある質問(FAQ)
Q. 次世代育成支援対策推進法はどのような企業が対象になりますか。
A. 一定規模以上の企業には、一般事業主行動計画の策定・届出が義務付けられています。それ以外の企業についても努力義務として取り組みが求められており、規模にかかわらず両立支援の取り組みを進めることが期待されています。
Q. 一般事業主行動計画とはどのようなものですか。
A. 仕事と子育ての両立を支援するために企業が策定する計画で、働き方の見直しや育児休業の取得促進、短時間勤務制度の整備といった具体的な目標と、その達成に向けた取り組み内容を定めるものです。
Q. くるみん認定とはどのような制度ですか。
A. この法律に基づく行動計画の目標を達成するなど、一定の基準を満たした企業が厚生労働大臣から受けられる認定制度です。両立支援に積極的な企業であることを対外的に示すことができ、採用活動や企業イメージの向上にもつながります。
Q. この法律への対応を進めるうえで注意すべき点はありますか。
A. 行動計画を策定すること自体を目的化せず、自社の従業員の実態を踏まえた実効性のある内容にすることが重要です。策定した計画を現場に周知し、育児休業を取得しやすい雰囲気づくりや、短時間勤務者が孤立しない業務分担の工夫など、計画と実際の職場運営を結びつけて進めることが求められます。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
次世代育成支援対策推進法への対応は、仕事と子育てを両立できる職場づくりの重要な出発点です。両立支援策の整備や制度運用にお悩みの際は、WONDERFUL GROWTHへご相談ください。貴社の状況に合わせた解決の糸口を一緒に探ります。ご相談は https://wonderful-growth.com/contact よりお問い合わせいただけます。
関連情報
- カテゴリ: ダイバーシティ
- スラッグ: child_rearing_support_act
- 想定URL: https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/child_rearing_support_act
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部