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ダイバーシティウォッシングとは?見せかけの多様性施策の見分け方を解説
はじめに
採用サイトやIR資料に多様な人材の写真を掲載し、ダイバーシティ推進を掲げているにもかかわらず、実際の職場では多様な人材が定着せず、離職を繰り返してしまう。こうした状態が続くと、社外からの評判だけでなく、社内の信頼も損なわれかねません。取り組みの見た目と実態の間にずれが生じていないか、企業自身が点検する視点が求められています。一度そのずれを指摘されてしまうと、採用力やブランドイメージの回復には長い時間を要することもあります。こうした見せかけだけの多様性施策を指す言葉がダイバーシティウォッシングです。本記事では、その内容と実務で注意すべき点を解説します。
ダイバーシティウォッシングとは?
ダイバーシティウォッシングとは、企業が実際には十分な取り組みを行っていないにもかかわらず、広報活動や採用活動においてダイバーシティやDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に積極的であるかのように見せかける状態を指す言葉です。環境問題への取り組みを実態以上に良く見せる行為を指すグリーンウォッシングになぞらえた表現で、SDGsウォッシュと同様の構造を持つ概念として位置づけられます。
具体的には、多様な人材を採用広告に起用する一方で管理職や意思決定層の多様性が進んでいない状態や、DEIに関する方針を対外的に発表しながら社内の制度や文化の変革が伴っていない状態などが典型例として挙げられます。多様な人材を採用しても職場に受け入れる土壌が整っていなければ、早期離職が繰り返され、結果として多様性が定着しないという悪循環に陥ることもあります。
よく使われるシーン
投資家やメディアが、企業のダイバーシティに関する開示情報と実態とのギャップを検証する場面で使われます。求職者が、企業の採用広報の内容と、実際の社員構成や口コミ情報を比較検討する場面でも使われます。人事部門や経営層が、自社のダイバーシティ施策を対外発表する前に、実態を伴っているかを自己点検する場面でも参照されます。DEIコンサルタントが、企業の取り組みを診断し改善提案を行う際の切り口としても用いられます。就職活動を行う学生や求職者が、企業研究の一環として口コミサイトの評判を確認する場面でも、実質的な判断材料として意識されています。
ダイバーシティウォッシングを理解することの重要性
ダイバーシティに関する情報開示が投資家や求職者から注目される機会が増える中、実態の伴わない発信は、発覚した際に企業の信頼を大きく損なうおそれがあります。ダイバーシティウォッシングの考え方を理解しておくと、自社の取り組みを対外的に発信する前に、施策の実態を見直す視点を持てるようになります。既存の登録語であるピンクウォッシングが、LGBTQに関する取り組みを企業イメージの向上のためだけに利用する状態を指すのに対し、ダイバーシティウォッシングは、性別や障害、年齢、国籍など、ダイバーシティ全般にわたる見せかけの取り組みを指す、より広い概念である点が異なります。