❖ HR Dictionary

ダイバーシティウォッシング

Reading ダイバーシティウォッシングEnglish Diversity Washing

ダイバーシティウォッシングとは、企業が実際には十分な取り組みを行っていないにもかかわらず、広報活動や採用活動においてダイバーシティやDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に積極的であるかのように見せかける状態を指す言葉です。環境問題への取り組みを実態以上に良く見せる行為を指すグリーンウォッシングになぞらえた表現で、SDGsウォッシュと同様の構造を持つ概念として位置づけられます。

⌖ Detail

ダイバーシティウォッシングとは?見せかけの多様性施策の見分け方を解説

はじめに

採用サイトやIR資料に多様な人材の写真を掲載し、ダイバーシティ推進を掲げているにもかかわらず、実際の職場では多様な人材が定着せず、離職を繰り返してしまう。こうした状態が続くと、社外からの評判だけでなく、社内の信頼も損なわれかねません。取り組みの見た目と実態の間にずれが生じていないか、企業自身が点検する視点が求められています。一度そのずれを指摘されてしまうと、採用力やブランドイメージの回復には長い時間を要することもあります。こうした見せかけだけの多様性施策を指す言葉がダイバーシティウォッシングです。本記事では、その内容と実務で注意すべき点を解説します。

ダイバーシティウォッシングとは?

ダイバーシティウォッシングとは、企業が実際には十分な取り組みを行っていないにもかかわらず、広報活動や採用活動においてダイバーシティやDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に積極的であるかのように見せかける状態を指す言葉です。環境問題への取り組みを実態以上に良く見せる行為を指すグリーンウォッシングになぞらえた表現で、SDGsウォッシュと同様の構造を持つ概念として位置づけられます。

具体的には、多様な人材を採用広告に起用する一方で管理職や意思決定層の多様性が進んでいない状態や、DEIに関する方針を対外的に発表しながら社内の制度や文化の変革が伴っていない状態などが典型例として挙げられます。多様な人材を採用しても職場に受け入れる土壌が整っていなければ、早期離職が繰り返され、結果として多様性が定着しないという悪循環に陥ることもあります。

よく使われるシーン

投資家やメディアが、企業のダイバーシティに関する開示情報と実態とのギャップを検証する場面で使われます。求職者が、企業の採用広報の内容と、実際の社員構成や口コミ情報を比較検討する場面でも使われます。人事部門や経営層が、自社のダイバーシティ施策を対外発表する前に、実態を伴っているかを自己点検する場面でも参照されます。DEIコンサルタントが、企業の取り組みを診断し改善提案を行う際の切り口としても用いられます。就職活動を行う学生や求職者が、企業研究の一環として口コミサイトの評判を確認する場面でも、実質的な判断材料として意識されています。

ダイバーシティウォッシングを理解することの重要性

ダイバーシティに関する情報開示が投資家や求職者から注目される機会が増える中、実態の伴わない発信は、発覚した際に企業の信頼を大きく損なうおそれがあります。ダイバーシティウォッシングの考え方を理解しておくと、自社の取り組みを対外的に発信する前に、施策の実態を見直す視点を持てるようになります。既存の登録語であるピンクウォッシングが、LGBTQに関する取り組みを企業イメージの向上のためだけに利用する状態を指すのに対し、ダイバーシティウォッシングは、性別や障害、年齢、国籍など、ダイバーシティ全般にわたる見せかけの取り組みを指す、より広い概念である点が異なります。

実務で活かすためのチェックポイント

採用広報で発信している多様性の姿と、実際の社員構成や管理職比率が一致しているかを確認します。

DEIに関する方針を対外発表する前に、社内の制度や文化がその方針に見合っているかを点検します。

多様な人材を採用した後、定着や活躍を支援する仕組みが整っているかを確認します。

多様性に関する数値目標だけでなく、社員が実際に働きやすさを感じているかを定期的に把握しているかを点検します。

外部からの評価や指摘に対して、施策を見直す柔軟な姿勢を持てているかを確認します。

よくある質問

ダイバーシティウォッシングは意図的に行われるものですか。

意図的な場合もありますが、担当者が実態を十分に把握しないまま発信してしまい、結果としてそう見なされてしまう場合もあります。発信前の実態確認が重要です。

どのような企業が指摘されやすいですか。

採用広報やIR資料でダイバーシティを積極的に打ち出している一方、管理職や意思決定層の構成に変化が乏しい企業が指摘を受けやすい傾向にあります。

指摘を受けた場合、どう対応すればよいですか。

発信内容を取り下げることにとどまらず、指摘された実態と発信内容のギャップを分析し、具体的な改善策を講じて公表することが望ましいとされています。

中小企業でも注意が必要ですか。

企業規模にかかわらず、発信内容と実態のギャップは信頼に影響します。無理に大きな取り組みを発信するよりも、実態に即した等身大の発信を心がけることが重要です。

ダイバーシティウォッシングを防ぐにはどうすればよいですか。

数値目標の達成状況にとどまらず、多様な人材が実際に活躍し定着しているかを継続的に検証し、発信内容を実態に即して更新し続ける姿勢が有効です。

自社の人材育成・組織課題に関するご相談

ダイバーシティ推進の実態づくりや、社内制度の見直しについてお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。貴社の状況に応じた取り組みをご提案いたします。

https://wonderful-growth.com/contact

関連情報

  • カテゴリ:ダイバーシティ
  • スラッグ:diversity_washing
  • 想定URL:https://wonderful-growth.com/swk/hr_words/diversity_washing
  • 関連用語:ピンクウォッシング、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、女性管理職比率

✺ Editor’s Memo

現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。

— SHARE with カイシャの育成論 編集部

⌖ Related Words

あの用語との関係