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インクルーシブデザインとは?除外されてきた人を起点にする設計思想を解説
はじめに
誰もが使いやすい製品やサービス、職場環境を目指しているつもりでも、実際には特定の人たちが使いにくさや疎外感を抱えたまま見過ごされている。多様な人材が活躍する組織づくりを進める中で、こうした見落としに気づかず、施策や環境整備が一部の人にしか届いていないという課題に直面する企業は少なくありません。設計の出発点そのものを見直す考え方として近年注目されているのがインクルーシブデザインです。本記事では、その内容とユニバーサルデザインとの違い、実務での活用場面を解説します。
インクルーシブデザインとは?
インクルーシブデザインとは、これまで製品やサービス、環境の設計から見落とされたり除外されたりしてきた人々を早期の企画段階から巻き込み、その人たちが直面する課題の解決を起点にして設計を進める考え方です。高齢者、障害のある人、外国人など、特定の状況に置かれた人の視点を出発点とする点に特徴があります。
既存の登録語であるユニバーサルデザインが、能力や状況にかかわらずできる限り多くの人が利用できる汎用的な設計を、設計者があらかじめ想定して作り上げる考え方であるのに対し、インクルーシブデザインは、設計者だけでなく、これまで除外されてきた当事者自身を設計のプロセスに巻き込みながら進める点が異なります。特定の人の課題を解決する目的で生まれた工夫が、結果として幅広い人々の使いやすさにもつながる例が報告されており、この現象は縁石を斜めに切り下げる工夫が車椅子利用者だけでなくベビーカーやキャリーバッグを使う人にも役立ったという事例になぞらえて語られることがあります。
よく使われるシーン
製品やサービスの企画・設計段階において、これまで想定顧客に含めてこなかった層をユーザー調査やワークショップに招く場面で使われます。職場環境やオフィスレイアウトの設計において、障害のある社員や多様な事情を抱える社員の意見を取り入れる場面でも用いられます。採用選考のプロセスを見直す際、特定の応募者が不利にならないよう、当事者の視点を交えて選考方法を点検する場面でも参照されます。デジタルサービスやウェブサイトのアクセシビリティ改善において、実際に困っているユーザーを調査に招く場面でも使われます。
インクルーシブデザインを理解することの重要性
組織のダイバーシティ推進が形だけの取り組みにとどまらないためには、施策や環境を作る過程そのものに、多様な立場の人の視点を取り入れることが欠かせません。インクルーシブデザインの考え方を理解しておくと、当事者不在のまま進められがちな施策づくりを見直し、実効性のある取り組みへとつなげやすくなります。人事部門にとっては、社内制度や職場環境の設計に、障害のある社員や多様な事情を抱える社員の声を反映させる際の具体的な指針としても活用できます。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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