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はじめに
研修で学んだ内容が、しばらくすると思い出せなくなってしまう。誰しも経験のあることではないでしょうか。人の記憶がどのように薄れていくのかを示したのが、エビングハウスの忘却曲線です。学んだことを定着させ、研修の効果を高めるうえで、人材育成に携わる人がぜひ知っておきたい考え方です。本記事では、エビングハウスの忘却曲線の意味や用いられる場面、実務で押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
エビングハウスの忘却曲線とは?
エビングハウスの忘却曲線とは、人が一度覚えたことを、時間の経過とともにどれだけ忘れていくのかを示した考え方です。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った記憶の実験にもとづいています。
エビングハウスは、意味を持たない文字の並びを記憶し、時間がたつにつれてどれだけ覚え直す手間が減るかを調べました。その結果、記憶は覚えた直後に急速に薄れ、その後はゆるやかに失われていくという傾向が示されました。つまり、忘却は時間とともに一定の割合で進むのではなく、はじめの段階で大きく進むという点が特徴です。なお、ここで示されたのは、覚えた内容がどれだけ残っているかという割合そのものではなく、もう一度覚え直すときに、どれだけ手間が省けるかという観点である点には注意が必要です。また、この実験は意味のない情報を対象としたものであり、意味のある内容や、理解を伴って学んだことには、そのまま当てはまらない面もあります。それでも、人の記憶が時間とともに薄れていくこと、そして適切なタイミングで復習することが記憶の定着に役立つことを示す手がかりとして、広く知られています。
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エビングハウスの忘却曲線がよく使われるシーン
エビングハウスの忘却曲線は、学習や研修の設計に関わる場面で用いられます。たとえば、研修の後にどのように復習の機会を設けるかを考えるとき、学習プログラムを組み立てるとき、知識の定着を促す仕組みを検討するときなどです。
人材育成の実務では、研修を一度実施して終わりにするのではなく、その後の復習や実践の機会をどう設けるかという視点が役立ちます。学んだ直後に記憶が大きく薄れるという傾向を踏まえれば、研修後の早い段階で振り返りの機会を設けたり、適切な間隔をあけて繰り返し触れたりする工夫が、定着を支えます。学びを成果につなげるうえで、研修そのものだけでなく、その後の設計が重要であることを示してくれます。
エビングハウスの忘却曲線を理解することの重要性
エビングハウスの忘却曲線を理解することは、研修の効果を高め、学びを成果につなげるうえで欠かせません。せっかく時間と費用をかけて研修を実施しても、内容が定着しなければ、行動の変化や成果には結びつきにくくなります。記憶が薄れていく仕組みを知っておくことで、定着を支える工夫を取り入れやすくなります。
人材育成に携わる人にとっては、研修を点ではなく線でとらえる視点が重要です。一度の研修で完結させるのではなく、その後の復習や実践、振り返りを組み合わせて、学びが定着する流れを設計することが求められます。とくに、適切なタイミングで繰り返し学習内容に触れることは、記憶の定着に役立つとされています。ただし、忘却曲線は意味のない情報をもとにした考え方であるため、内容をそのまま当てはめるのではなく、記憶が薄れやすいという基本的な傾向を踏まえ、自社の研修の設計に活かすことが大切です。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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