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エンプロイアビリティとは?意味と構成要素、企業に求められる支援を解説
はじめに
終身雇用を前提とした働き方が変化するなかで、社員一人ひとりの市場価値をどう高めるかという問いに直面する人事担当者が増えています。リスキリングやキャリア自律の推進を任されても、何を基準に能力を捉えるべきか整理がつかないという声も聞かれます。こうした場面で手がかりとなるのが「エンプロイアビリティ」という概念です。本記事では、その意味や構成要素、実務で活用する際のポイントを解説します。
エンプロイアビリティとは?
エンプロイアビリティとは、「雇用され得る能力」を意味し、労働市場において継続的に雇用を獲得し維持できる個人の能力を指す言葉です。英語のemploy(雇用する)とability(能力)を組み合わせた言葉で、特定の企業に所属しているかどうかではなく、働き手自身が備えている職業能力そのものに注目する点に特徴があります。
日本では、厚生労働省が2001年に公表した「エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究報告書」で構成要素が整理されています。同報告書では、職務遂行に必要となる特定の知識や技能などの顕在的な能力、協調性や積極性といった思考特性・行動特性に関わるもの、動機や人柄、価値観などの潜在的な個人的属性という三つの観点が示されました。また、勤務先の企業内で通用する「内的エンプロイアビリティ」と、社外の労働市場で広く通用する「外的エンプロイアビリティ」に分けて論じられることもあります。
エンプロイアビリティがよく使われるシーン
人材育成の方針を検討する場面でよく用いられます。研修体系を見直す際、自社の業務に直結する能力だけを伸ばすのか、社外でも通用する能力まで視野に入れるのかを議論するとき、内的・外的という整理が判断の軸になります。
キャリア面談や自己申告制度の運用場面でも登場します。社員が自らの強みと今後伸ばすべき領域を棚卸しする際、知識や技能だけでなく行動特性や価値観まで含めて振り返る枠組みとして活用されます。さらに人的資本経営の文脈でも、能力開発への投資と成果を対外的に説明する観点から参照されます。
エンプロイアビリティを理解することの重要性
事業環境の変化が速くなり、必要とされる職業能力の入れ替わりも早まっています。特定の職場でしか通用しない能力だけに頼っていると、事業の転換や組織再編が起きた際に、社員も企業も選択肢を狭めてしまう恐れがあります。エンプロイアビリティという視点は、こうした変化への備えを個人と組織の双方から考える助けになります。
また、この概念は企業側の責任をめぐる議論とも結びついています。長期的な雇用の保障を約束しにくくなった分、企業には社員のエンプロイアビリティ向上を支援する責任があるとする考え方が示されてきました。能力開発の機会を継続的に提供することは、社員の安心感を支える基盤にもなります。
一方で、社外で通用する能力を高めれば人材が流出するのではないかという懸念もあります。ただし成長機会が乏しい職場ほど意欲の高い人材が離れやすいという指摘もあり、育成への投資と定着の両立を丁寧に設計する視点が求められます。
実務で活かすためのチェックポイント
- 内的・外的の両面で能力を捉える:自社固有の能力と社外で通用する能力を分けて整理すると、育成施策の過不足が見えやすくなります。
- 顕在的な能力だけで判断しない:知識や資格に加え、行動特性や価値観といった見えにくい要素も視野に入れます。
- 社員本人の意思を起点にする:会社が一方的に方向を決めるのではなく、本人のキャリア志望と重ねて育成計画を組み立てます。
- 学びの機会を制度として用意する:研修や資格取得支援、社内公募など、能力を伸ばす手段を継続的に提供します。
- 職場での実践機会とつなげる:学んだ内容を実務で試せる場がなければ定着しにくいため、業務の割り当てと連動させます。
よくある質問(FAQ)
Q1. エンプロイアビリティとはどのような意味ですか。
A. 「雇用され得る能力」を意味し、労働市場において継続的に雇用を獲得し維持できる個人の能力を指します。
Q2. 内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティの違いは何ですか。
A. 内的は現在所属する企業のなかで通用する能力を、外的は社外の労働市場で広く通用する能力を指します。
Q3. エンプロイアビリティにはどのような要素が含まれますか。
A. 厚生労働省の報告書では、知識や技能などの顕在的な能力、協調性や積極性といった行動特性、動機や価値観などの潜在的な属性が挙げられています。
Q4. 企業がエンプロイアビリティ向上を支援する意義は何ですか。
A. 変化に対応できる人材層を厚くするとともに、社員が安心して働き続けられる基盤を整えることにつながります。
Q5. エンプロイアビリティを高めると人材流出につながりませんか。
A. その懸念はありますが、成長機会の乏しさこそが離職の要因になるという指摘もあり、育成と処遇・活躍機会の設計を併せて考えることが重要です。
自社の人材育成・組織課題に関するご相談
エンプロイアビリティの考え方を育成施策に落とし込むには、自社に必要な能力の整理と社員のキャリア志望をつなぐ設計が欠かせません。研修体系の見直しやキャリア支援の仕組みづくりに課題がありましたら、貴社の状況に合わせてご一緒に検討いたします。ご相談は下記よりお気軽にお問い合わせください。
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