⌖ Detail
エンプロイーエクスペリエンス(EX)とは?意味と向上のポイントを解説
はじめに
人材獲得競争が激化し、働き方が多様化するなかで、従業員が自社での日々をどう感じているかが、採用力や定着率を左右する時代になっています。この従業員視点の体験全体を捉える考え方が「エンプロイーエクスペリエンス(EX)」です。人事担当者がこの概念を理解しておくことは、採用から育成、定着までを一貫した視点で設計するうえで役立ちます。本記事では、EXの意味や使われるシーン、実務に活かすためのポイントを解説します。
エンプロイーエクスペリエンス(EX)とは?
エンプロイーエクスペリエンス(EX)とは、従業員が入社前から退職後に至るまで、企業との接点を通じて経験するあらゆることの総称を指す言葉です。採用選考、オンボーディング、日々の業務、職場環境、人間関係、報酬、評価、成長機会、福利厚生など、従業員が会社と関わるすべての場面でどのような感情や体験をするかを包括的に捉える考え方です。
この概念は、2017年に出版されたジェイコブ・モーガンの著書「The Employee Experience Advantage」を通じて広く知られるようになりました。同書では、150人以上の経営層への取材や250以上の組織の分析をもとに、従業員体験に力を入れている企業は、そうでない企業と比べて4倍の利益を生み出す傾向があるとされています。EXを向上させることは、従業員満足度やエンゲージメント、生産性を高め、企業の成長につながると考えられています。
広告
エンプロイーエクスペリエンス(EX)がよく使われるシーン
EXは採用活動の場面でよく使われます。優秀な人材を惹きつけるため、選考プロセスや面接、内定者フォローといった入社前の候補者体験もEXの一部と捉え、ポジティブな体験を提供することで入社意欲を高めます。
また、オンボーディングや従業員エンゲージメント向上の場面でも活用されます。新入社員が早期に戦力となるための研修やメンター制度の設計、定期的なアンケート調査を通じた職場環境の改善などにEXの視点が取り入れられます。人材定着率の改善やオフィス環境の最適化など、従業員が働くうえでのあらゆる接点を見直す取り組みで、EXという言葉が使われます。
エンプロイーエクスペリエンス(EX)を理解することの重要性
EXを理解することは、人材獲得競争が激しさを増す中で重要性を高めています。個々の制度や施策を場当たり的に改善するのではなく、従業員が入社前から退職後までに経験するすべての接点を一連の体験として捉えることで、施策の抜け漏れや矛盾を防ぎやすくなります。
EXの向上に取り組む企業は、従業員満足度やエンゲージメントの向上を通じて、離職率の低下や採用力の強化といった効果を得やすくなります。人事担当者がこの考え方を理解し、採用から評価、退職に至るまでの一連のプロセスを従業員視点で点検することは、企業の持続的な成長を支える重要な取り組みといえます。
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部