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はじめに
人が大きく成長するのは、研修の場よりも、日々の仕事の経験を通じてであることが多いといわれます。ただし、ただ経験を重ねるだけでは学びは深まりません。経験を確かな学びへと変える道筋を示した枠組みが経験学習モデルです。本記事では、その意味や活用される場面、実務で用いる際に押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
経験学習モデルとは?
経験学習モデルとは、人が経験を通じて学ぶ過程を、四つの段階の循環として捉えた枠組みを指します。研究者のデイビッド・コルブによって体系化され、人材育成の場面で広く参照されています。
四つの段階は、「具体的経験」「内省的観察」「抽象的概念化」「能動的実験」で構成されます。まず実際に何かを経験し(具体的経験)、その経験を振り返って意味を考え(内省的観察)、そこから次に活かせる教訓や考え方を引き出し(抽象的概念化)、それを新たな場面で試してみる(能動的実験)という流れです。試した結果がまた新しい経験となり、循環が続いていきます。重要なのは、経験そのものよりも、それを振り返り、教訓へと言葉にする過程です。同じ経験をしても、振り返る人としない人とでは、得られる学びに大きな差が生まれます。経験学習モデルは、この差がどこから生まれるのかを、循環という形で分かりやすく示してくれます。
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経験学習モデルがよく使われるシーン
経験学習モデルは、現場での育成、いわゆるOJTの質を高めたい場面で活用されます。仕事を任せるだけでなく、その経験を振り返る機会を意図的に設けることで、経験から得られる学びを深めることができます。
また、上司と部下の一対一の対話の場面でも参照されます。出来事を一緒に振り返り、そこから次に活かせる教訓を引き出す対話は、まさにこのモデルの考え方に沿ったものです。研修で学んだ内容を現場の実践につなげたいときや、リーダーを育成する場面など、経験を成長の糧にしたいさまざまな状況で、この枠組みが手がかりになります。節目ごとに経験を振り返る習慣は、長い目で見た成長の土台になります。
経験学習モデルを理解することの重要性
経験学習モデルを理解することは、日々の仕事を成長の機会として活かすうえで役立ちます。経験を積むこと自体は誰もが行っていますが、それを学びに変えられるかどうかは、振り返りの有無に大きく左右されます。このモデルは、その振り返りの大切さを明確に示してくれます。
一方で、振り返りは一人では深まりにくい面もあります。日々の業務に追われるなかでは、経験を立ち止まって見つめ直す時間は後回しになりがちです。だからこそ、上司との対話や、振り返りを促す問いかけといった、振り返りを支える働きかけが重要になります。また、教訓を引き出すだけで終わらせず、それを次の場面で試すところまでつなげてはじめて、学びは循環します。経験学習モデルは、個人の心がけだけでなく、それを支える周囲の関わりとあわせて捉えることが大切です。学びの循環がうまく回り始めると、社員は自ら経験から学ぶ力を身につけ、成長が持続しやすくなります。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
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