⌖ Detail
はじめに
家族の急な体調不良や通院の付き添いなど、介護に関する短期的な対応が必要になる場面は誰にでも起こり得ます。長期の休業を取るほどではないものの、数日単位で仕事を離れなければならないとき、どのような制度で対応すべきか把握しておくことは、人事担当者にとって重要な知識です。
介護休暇とは?
介護休暇とは、育児介護休業法に基づき、要介護状態にある対象家族の世話をするために、従業員が短期間の休暇を取得できる制度のことです。対象家族が1人の場合は年間5日、2人以上の場合は年間10日まで取得することができ、1日単位だけでなく時間単位での取得も可能とされています。
介護休業が長期の休業を前提とした制度であるのに対し、介護休暇は通院の付き添いや急な体調変化への対応など、比較的短時間・短期間のニーズに対応する制度である点が大きな違いです。両者は目的や取得可能日数、賃金の取り扱いが異なるため、明確に区別して制度設計を行う必要があります。
なお、時間単位での取得を認めることは2021年1月の法改正以降、原則としてすべての事業主に義務づけられています。一部の業務の性質上、時間単位の取得が困難な場合には労使協定により除外できる余地もありますが、除外の範囲は限定的に解釈される点に留意が必要です。
広告
よく使われるシーン
介護休暇が利用される代表的な場面としては、親のケアマネジャーとの面談に同席する場合、通院の付き添いをする場合、介護サービスの手続きのために役所へ出向く場合などが挙げられます。突発的なニーズに対応できる柔軟性が、この制度の特徴です。
近年はテレワークの普及もあり、通院の待ち時間などの隙間時間だけ介護休暇を時間単位で取得し、それ以外の時間は通常どおり業務にあたるという柔軟な働き方を選ぶ従業員も増えています。人事担当者としては、こうした多様な働き方に対応できる勤怠管理の運用を整えておくことが求められます。
介護休暇を理解することの重要性
介護休暇の制度を正しく理解していないと、対象家族の範囲や取得日数の計算を誤り、従業員との間でトラブルが生じるおそれがあります。また、時間単位での取得を認める運用が義務化されている点を見落とすと、法令違反となるリスクもあります。仕事と介護の両立支援は、従業員の離職防止や定着率向上にも直結するテーマであるため、制度の正確な運用は経営上も重要な意味を持ちます。少子高齢化が進む社会情勢の中で、介護を担う従業員は今後さらに増えていくことが見込まれており、制度の周知徹底は多くの企業にとって避けて通れない課題となっています。介護休暇を取得しやすい職場風土を築くことは、経験豊富な人材の離職を防ぐという意味でも、企業経営上のリスク管理につながります。
実務で活かすためのチェックポイント
✺ Editor’s Memo
現場での運用は、業界・規模・組織文化によって大きく変わります。記事内のインタビュー事例も併せて参考にしてください。
— SHARE with カイシャの育成論 編集部